R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

GS伝説 ガストン翁

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以前は自宅にバイクを置く場所がなかったので、事務所に置いていた。↑

当時の事務所はマンションの1階で、ドアも幅90cmの普通のドア。

アフリカツインやハスク、KTMは事務所の中に入ったが、
GSはシリンダーがドア幅より大きくて入らず、事務所の外にカバーをかけて置いていたので、
ハスクたちは「座敷犬」、GSは「外犬」と呼ばれていた。

ガストンと呑んでいるときこの話しをしたら、
「俺のビーエムなら中に置けるぞ」
とおっしゃる。

夜中までずっと飲んでいたので、
「このオヤジ、相当酔っ払ってるな」
と思ったら、

「俺のマシンはショートストロークだから、ノーマルよりシリンダー幅が狭い」とか....

MXチャンピオンの彼がBMWからパリダカ出場を依頼されたとき、
彼はあの鈍重なOHVエンジンがいやで、モトクロッサーのような吹け上がりの鋭い、
ショートストロークスペシャルエンジンを作らせた。

それが写真でよく見かける、軽々とウィリーするビーエムの正体。

自分のGSでウィリーができないとお嘆きの○○さん、心配ご無用。

あなたの重たいGSとは違うんです。

シューセイさんも
「ガストンはカメラを向けると、どこでもウィリーしてくれた」って。

マシンもよく言われるHPN製でない。

外人がよくやる人差し指を左右に振りながら、口をすぼめて「チッチッチ」って仕草で、

「俺のはHPNじゃなくて、{ヴィー・エム・ダブリュー}製だから」って。


ビーエムの下請けでHPNがフレームを作ったそうだけど、これは完全なワークスマシン。


ガストンがBMWに出した要望は、

ダートを巡航速度180km/hで走れて、

ジャンプも飛べるビーエム。

なのであんなに車高の高いマシンになった(ってガストンが小さいだけか...)。

酔っ払いながら子供がバイクにまたがって走るような、アクセルを開ける仕草で、

「朝スタートして昼前には、700キロ先のキャンプでシャワー浴びてたよ♪」

って、バケモノか.....。

ヌブーのNXRはやっぱり速くて軽いので、

「俺があれに乗ってればV10はいけた」って

このおっさんだいぶ酔ってるよ...。

このマシンはオリオールのとは別に2台あって、
BMW本社のミュージアムとガストンの自宅に置いているそう。

「乗せてやるからウチ(フランス)に遊びに来い」って。

その約束は叶わなかったけど、たぶん今も形見として飾ってあるんだろう。

このショートストロークGS。

もう一度作って売れば世界的なヒットになるんだろうけど、
4バルブの時代に逆行してしまうので、永遠に叶わない夢か。

この写真はウィリーではなくてジャンプしてるところかな。

コース上でプロカメラマンたちが構えているところは、格好のジャンピングスポットだったりするので、サービス精神旺盛で陽気なベルギー人は、ちゃんと飛んで「魅せて」くれる。

砂丘で大ジャンプしながら「空中で」、着地点を探してバイクの向きをクイッと変え、
なにごともなかったように走り去った,,,,と、シューセイさんが話していた。

もう1枚は雑誌「ahead」に出ていた一コマ。
昔のファラオラリーにて

菅原爺のアクティにガストンが「ヒッチハイク」して、
船積みのため数百キロ先の、アレキサンドリア港に運ばれていくワークスマシン。

当時のファラオのスポンサーはロスマンズ(大手を振って煙草が吸えた、いい時代だったナ)。

550ccの「軽トラ」でファラオ完走は世界初。
このオヤジもバケモノ(そういえば最近「ヨーダ」に似てきたような....)。

港へ向かう狭い軽トラのなかで、チビッコ妖怪2人の楽しい漫才(ホラバナシ)が
、聞こえてくるようだ。