以前は自宅にバイクを置く場所がなかったので、事務所に置いていた。↑
当時の事務所はマンションの1階で、ドアも幅90cmの普通のドア。
アフリカツインやハスク、KTMは事務所の中に入ったが、
GSはシリンダーがドア幅より大きくて入らず、事務所の外にカバーをかけて置いていたので、
ハスクたちは「座敷犬」、GSは「外犬」と呼ばれていた。
ガストンと呑んでいるときこの話しをしたら、
「俺のビーエムなら中に置けるぞ」
とおっしゃる。
夜中までずっと飲んでいたので、
「このオヤジ、相当酔っ払ってるな」
と思ったら、
「俺のマシンはショートストロークだから、ノーマルよりシリンダー幅が狭い」とか....
MXチャンピオンの彼がBMWからパリダカ出場を依頼されたとき、
彼はあの鈍重なOHVエンジンがいやで、モトクロッサーのような吹け上がりの鋭い、
超ショートストロークのスペシャルエンジンを作らせた。
それが写真でよく見かける、軽々とウィリーするビーエムの正体。
自分のGSでウィリーができないとお嘆きの○○さん、心配ご無用。
あなたの重たいGSとは違うんです。
シューセイさんも
「ガストンはカメラを向けると、どこでもウィリーしてくれた」って。
マシンもよく言われるHPN製でない。
外人がよくやる人差し指を左右に振りながら、口をすぼめて「チッチッチ」って仕草で、
「俺のはHPNじゃなくて、{ヴィー・エム・ダブリュー}製だから」って。
ビーエムの下請けでHPNがフレームを作ったそうだけど、これは完全なワークスマシン。
ガストンがBMWに出した要望は、
ダートを巡航速度180km/hで走れて、
ジャンプも飛べるビーエム。
なのであんなに車高の高いマシンになった(ってガストンが小さいだけか...)。
酔っ払いながら子供がバイクにまたがって走るような、アクセルを開ける仕草で、
「朝スタートして昼前には、700キロ先のキャンプでシャワー浴びてたよ♪」
って、バケモノか.....。
ヌブーのNXRはやっぱり速くて軽いので、
「俺があれに乗ってればV10はいけた」って
このおっさんだいぶ酔ってるよ...。
このマシンはオリオールのとは別に2台あって、
BMW本社のミュージアムとガストンの自宅に置いているそう。
「乗せてやるからウチ(フランス)に遊びに来い」って。
その約束は叶わなかったけど、たぶん今も形見として飾ってあるんだろう。
このショートストロークGS。
もう一度作って売れば世界的なヒットになるんだろうけど、
4バルブの時代に逆行してしまうので、永遠に叶わない夢か。
この写真はウィリーではなくてジャンプしてるところかな。
コース上でプロカメラマンたちが構えているところは、格好のジャンピングスポットだったりするので、サービス精神旺盛で陽気なベルギー人は、ちゃんと飛んで「魅せて」くれる。
砂丘で大ジャンプしながら「空中で」、着地点を探してバイクの向きをクイッと変え、
なにごともなかったように走り去った,,,,と、シューセイさんが話していた。
もう1枚は雑誌「ahead」に出ていた一コマ。
昔のファラオラリーにて
菅原爺のアクティにガストンが「ヒッチハイク」して、
船積みのため数百キロ先の、アレキサンドリア港に運ばれていくワークスマシン。
当時のファラオのスポンサーはロスマンズ(大手を振って煙草が吸えた、いい時代だったナ)。
、
550ccの「軽トラ」でファラオ完走は世界初。
このオヤジもバケモノ(そういえば最近「ヨーダ」に似てきたような....)。
港へ向かう狭い軽トラのなかで、チビッコ妖怪2人の楽しい漫才(ホラバナシ)が
、聞こえてくるようだ。