R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

要は楽しめればいいってこと

ようやく3度目のエジプトに到着
いつものホテルに着いて、暑い中いつものエジプト人が運んでくる、いつものコンテナからマシンを降ろす。
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車検、人検(装備品やメディカルチェック)を終えて、ようやくゼッケンをもらう。
 
ここでヤマハライノで出場したじ~じにトラブル発生。
FIA国際自動車連盟)とFIM(国際二輪自動車連盟)が、たがいに「これは2輪クラスだ」「いや4輪だ」と譲らず、結局車検落ちに.....。
 
私の今年のゼッケンは「42」.....
「死に」番とはマジでシャレにならないので、主催者に変えてくれと言ったが、イタリア人に日本語の「語呂」が分かるわけなく却下......。

「13」のゼッケンの外人を見つけたので交換しようというと、
「俺も13より42がいい」
と交渉成立、
が、これも主催者によって却下された(当り前か)。
 
なるようになれと開き直り、「42」を貼って冥土の旅、もといスタート台へ
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走行中のナビ周りはこんな感じ。
ハンドル上には主催者から貸与されるGPS
スタンディングで見やすいところにマップやICOが配置されているが、決して高すぎず低すぎず、「絶妙」のポジション。
 
ワークスやトップグループは、一度に5コマ以上の「情報」を、瞬時に記憶するらしい。
荒れた路面でもトップスピードが180km/h以上に達するワークスマシンや690Rallyは、一コマずつ地図を見ているヒマはない。

私はといえば何度も何度もミスコースしないよう、コマ図を確認しながらもいつの間にかミスコース.......。
 
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小さな砂丘の先でカメラマンが待っていた。
カメラマンがいるところは必ず「なにか」ある。
「?!」

ここは登って下る砂丘ではなく、砂漠の「切れ目」
ストンと落ちていて、あっというまもなく10mほどジャンプ。
20mくらい先に転倒したバイクを起こしている、ライダーが目に飛び込んできた。
こちらも後輪が浮いてジャックナイフ状態。
「!!!」
心臓がのどから飛び出るってのはこのことか。
前転すると思ったが前後バランスの良いマシンは、乗り手のウデのなさを見事に補ってくれた。
 
深い砂に埋まっても525のパワーと軽量さで、どこからでも加速してくれる。

重量バランスの悪い625SXCのような重さを感じないので、転倒しても起こすのがラク
順位にこだわらず完走が目標なので、砂丘に埋まっているライダーを助けることを、密かな楽しみにしながら走っていた
(キャンプに帰ると助けた彼らから、毎日ビールの差し入れが)。

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ナビ周り。GPSがかなり大きい。
同じ場所に5分以上止まっていると、このGPSがトランシーバーになっていて、本部から「ビー」って呼び出しがある。

それにすぐ答えるか5分以内に走りださないと、トラブルということでヘリが飛んでくる。
 
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クラッシュしてヘリで運ばれるバイク。
 
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砂丘でダイブしたらしいがグシャグシャ。
本人は背骨の圧迫骨折で済んで、不幸中の幸い。
 
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思い切り楽しんでゴール。またここに戻ってこれた。

私を祝福してくれているのは、オーガナイザーのジャッキー・イクス。
私が2度走った625で去年リタイアした友人のY原氏も、今年は完走。

ナビの苦手な私が完走できたのも、ナビゲーション能力に優れるY原さんにずっと伴走して走ったおかげ。
 
この525は去年オーストラリアンサファリに参加したKさんに譲った。
ビギナーの彼が完走できたのも、マシンに助けられたところが大きかったようだ。
 
それでも参加者がみんな、フルコンプリートで参加しているわけではなく、ビッグタンクのポン付けと自作のマップステーだけで、完走している人はいくらでもいる。

古いマシンをいたわりながら、毎日「淡々と」走って完走したイタリア人。
反対に速いけど派手なクラッシュばかりして、日ごとにボロボロになるマシンで、最後まで走り切ったドイツ人。
 
私ももしまた出る機会があれば(そのときはこんなにお金をかけなくていいから)、最低限必要な装備だけで、もっと楽しみながら走ってみたい(そのかわりちゃんと走り込んで)。
 
「リベンジなんておこがましい」と、3回出てみてやっとわかった。

厳しい大自然のなかでは、人間なんて本当にちっぽけな存在で、簡単に死んだり大けがをしてしまう。

過去2回はウデもないのに意気込みだけは人一倍で、前を走る選手がいれば無理して追いかけて自滅した。

毎日無事にスタートできることに「感謝」しながら、心の底から楽しんで走れたからこそ、完走できたとしみじみ思う。
 
マシンを売ってもかかった費用の半値にもならないし、こんなことに湯水のようにお金を注ぎ込んで、 バカというのは簡単だけど、人生にとっては無駄な事じゃないと思う。
 
あそこまで行かないと見られない景色や空気。
どんな高性能テレビゲームでも体験出来ないし、いくらお金を積んでも手に入らない事ばかり。

何百万、何千万もかけたのに、一日で終わっちゃう事もあるけど、みんなやりたいことやってる人は万国共通、「いい顔」してる。

古いバイクやクルマに「湯水のように」お金注ぎ込むのも、フツーの人から見ればバカにしか見えないけど、思い入れのある証拠だろう。

真剣にレースをやっていて、お金はないけど毎年ニューマシンに買い替えて、がんばっているヤツは信用出来るし、尊敬もする(家族を犠牲にするのは論外だが)
反対になんのポリシーも無く、飽きたら次に売れる価格を気にしながら、クルマやバイクをコロコロ買い替えるヤツは、自分の現状に満足できないことを、ごまかしてるだけでホント可哀そう。
 
「モノ」だけ変えても一生「本物」には巡り会えないよん。