R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

2011ダカールに向けて

日本レーシングマネージメントのKさんから、来年のダカールラリーに参戦する、日野自動車の社員メカニック選抜結果が送られてきた。
 
何でも揃っている明るい工場から一転して、翌日のスタートまで限られた時間と、最低限のスペアパーツしかないなかでの徹夜の整備.....。
 
ラリーという極限状態のなかで、メカニックにも自分の能力以上のものが求められる、究極の3週間。
フレームが折れたり、エンジンに砂が入るなんて、日本では絶対にありえないトラブルも、熟練メカのスーさんやバイラーさん、菅原爺らが、「何事もなかったように」直してしまう、まさに「神の手」。
言葉で言うのは簡単だけど、絶望的な状況のなかでもわずかな可能性を見つけ出し、不可能を可能にしないと、翌日のスタートはできない。
 
交換が当り前の今の整備とは根本から違う、この壮絶なラリーから彼らが得るものは、一生の財産になるだろう。
  メカニックにとっては本当に貴重な経験だろうし、そんな過酷な状況にあえて自ら志願する、彼らのチャレンジスピリットに拍手を送りたい。
 
以下添付されたレポートです
 
ダカールラリー2011、
参戦メカニック選出&製作現場レポート
HINO TEAM SUGAWARA DAKAR RALLY NEWS (No. PD11-8)
1号
 
○参戦メカニック選出
HINO TEAM SUGAWARA は、今年もダカールラリーに向けて、日野グループの結束力、サービス技術力、モチベーションの向上を目的に、メカニック(整備士)を全国の販売会社より募集し、厳正な審査の結果、3名が選出されました。

全国のサービス担当者約4,700 名の中から、日野サービス技術者として最高峰の資格であるHS-1を取得している等、厳しい条件を満たす11 名が応募し、書類選考を経て、最終選考の面談とレース車を使用した実技に臨みました。
選出にあたっては、チーム代表の菅原義正さんのほか、過去のレースにメカニックとして出場した経験者や、チームの関係者が審査員を務めました。
面談では、応募者のダカールラリーにかける想いや、これまでの職務経験などを聞き上げ、実技では、協調性、
安全管理・時間管理能力、作業品質等を評価しました。
また、前々回より開催地がアフリカから南米に変わり、車両への負荷がより高いレースとなったことから、メカニックとしての即戦力も重視しました。
選考を終え、菅原義正さんから、「高い志を持って日々の業務に接していることが実感でき、大変感銘を受けると同時に、私自身も奮い立たされた。」とのコメントを頂きました。
選出されたメカニックは、以下の方々です。

■横浜日野 山王隆史
整備士のキャリアは10 年超。2005 年、全国サービス技術コンクールで優良賞受賞。子供の頃の夢はF1 のピットクルー。入社後、出張整備等で腕を磨いた。横浜日野からは初選出。
神奈川県横浜市出身。横浜支店勤務。31 歳。

■石川日野 橋場弘
整備士のキャリアは15 年超。2004 年にダカールラリーに参戦経験があり、即戦力として期待される。
石川県河北郡出身。本社勤務。36 歳。

■広島日野 末次健一
整備士のキャリアは9年。前職は自衛官モータースポーツ好きが高じ転職。広島日野からの選出は、今回で4人目。
広島県広島市出身。坂支店勤務。32 歳。
過去19 年の参戦で、全国の販売会社より延べ24 名のメカニックが選出されています。
今年、選出されたメカニックは、今後、国内及びアルゼンチンで研修を受け、ダカールラリー2011 に参戦します。
なお、メカニックのチーム統括者として、日野自動車より2名が参戦します。過去の参戦経験及び業務での駐在経験を活かし、現場でさまざまなチームサポート及び整備を行います。
本人のコメントもあわせて紹介します。

日野自動車 海外部品・サービス部 門馬孝之
2004 年、2010 年大会に続き3度目の参戦。38 歳。「2010 年は残念ながら1台リタイヤでした。
苦い経験は二度としたくありません。
ラリーモンゴリア2010 にバイクで参戦した新たな経験により、選手の期待を満足させるメカニックチームを築き上げ、2台とも完走させると共に、結果も後押ししたいです。」

日野自動車 海外部品・サービス部 山本昌
2008~2009 年にエクアドルに駐在。ダカールラリーには今回が初参戦。26 歳。
スペイン語を駆使し、チームに貢献します。」

○製作現場レポート
レース車両のさらなる戦闘力向上に取り組むべく、自動車メーカーならではの豊富な設備・技術を活かすため、2009 年より製作拠点を日野自動車本社に移転し、今年も順調に作業を進めています。
9月上旬、門馬メカ・山本メカのほかに新たに3名の販売会社メカニックが加わり、製作現場は一段と活気だってきました。
日頃より腕を磨いているメカニックの手にかかれば、ミッションオーバーホールやブレーキメンテナンスなどはお手のもので、慣れた手つきで段取りよく部品が組みつけられました。
現場に来たばかりで、不慣れな環境にもかかわらず着実に作業をこなしていく様は、ダカールラリー本番での活躍も大いに期待できます。
また、7日にモンゴルから2号車が帰還すると、車両生技部(試作)からの応援者も加わり、溶接機やパイプベンダーなどを巧みに操りながら、ブレーキパイプやさまざまなブラケットを車両に合わせて製作。
 
一方で、チームスガワラの鈴木誠一さんを中心に進めている、制御装置や計測機器の複雑な配線や、図面無しで寸分違わず部品を加工し車両に取り付ける作業などに、ラリー職人ならではの技を垣間見ることができます。

10 月中旬のアルゼンチンへの搬出に向けて、これから作業はいよいよ大詰めとなり、日野自動車のリソーセスとチームスガワラのノウハウを総動員し、2台のレース車両を作り上げていきます。
大掛かりな作業を終えたのちに、日本での最終走行テストを10 月上旬に御前山テストコースで実施し、その後は細かな調整を予定しています。

○D.バイラーさんが初来社
ダカールラリーでアシスタンスカーの日野プロフィアに乗り、チームをサポートするD.バイラーさんがモンゴルより来社しました。
厚い信頼のおける腕のいいドライバーとして、チームサポートになって十数年間ですが、なんと日野自動車に来るのは今回が初めて。
早速、日野工場の見学や車両製作現場の激励を行い、新たに加わったメカニックとの交流を深めました。

<編集・発行>
日野自動車パリダカ事務局(総合企画部 広報渉外室)
 
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