ヒマなときネットで検索するのは、MTBばかりの今日この頃。
とくにお山のきつい登り坂や「担ぎ」がラクになる、軽いカーボンバイクが気になって仕方ない。
むかしはロードレーサーでさえカーボンフレームが発売されたときは、
「5年で寿命」「転ぶと折れる」なんて言われていたのに、もうMTBにもカーボンの波が押し寄せている。
そんな中、去年9月にトレックから気になるカーボンバイクが発売されていた。
フツーの人がマウンテンバイクと聞くと
「岩山やガケを猛スピードで飛んだり駆け下りるヤツでしょ」
と思っている人が多いらしいが(2年前まで私もそのひとり)、それは「ダウンヒル」という競技というかジャンル。
私がヒイヒイ言いながら山を登ったり下ったりするのは、「トレイル」というジャンル(らしい)
それを競技にしたのが「クロカン(クロスカントリー)」で、このスーパーキャリバーはトレックが、クロカンレースで勝つために作ったマシン。
PVに出ているスイス人女性ライダー「ヨランダ・ネフ」は、若干25歳ながらクロカンレースの世界チャンピオンを3回も獲って、2018年からトレックで走っているそう
(オートバイも自分で走るのは好きだけど、他人の走りに興味がないのでMOTOGPも見ないし、彼女が走るクロカンレースも、最近youtubeで初めて見た)
クロカンレースで岩だらけの激坂下りは、前後フルサスが有利だが、軽いハードテイルに比べて重いので、登りは不利になる。
なので各チームはコースレイアウトに合わせて、毎回フルサスとハードテイルを使い分けているとか。
この難問を解決するのがスーパーキャリバーに搭載された、「ISOストラット」という画期的なシステム。
クロカンレースに出る気は無いが、これならきつい登りがラクそうだし、下りも楽しいかも。
なにより「あたらしモノ好き」の血が騒ぐ。
山を一緒に走ってくれるHさんは、スーパーキャリバーの前身のフルカーボンの「プロキャリバー」にも乗っているので、相談してみた。
ついでに彼が買ったショップも紹介してもらうことになり、週末に行ってみた。
千葉は印西の「タキサイクル」
スーパーキャリバーが1台あれば、重たいハードテイルのモンキーと、フルサスのロッキーの2台を1台にできるかも。
なので買い取り査定してもらうため、2台をクルマに積んでいった。
不動産業を30年以上やっているが、印西って千葉のどこなのかまったく知らず('_')
ナビで検索すると自宅から1時間半と出た。
待ち合わせは11時なので、余裕を見て9時に出発。
「東関道か京葉道路のインターの近くだろう」
と軽く考えてナビ通りに走ったら、これが遠いのなんの。
千葉北で高速を降りてから、せまい下道を延々20km、
Hさんに「遅れます」とメールをするが、あとどのくらいかかるのか?
待ち合わせは11時だったのに、到着したのは11時半。
お店に入るとスタッフさんから-
「Hさん、おもてのマックにいますよ」
と教えてもらい、あわてて行って謝る。
雨の予報なのでクルマで来るのかと思ったら、Hさんはプロキャリバーで自走だった(ほんとに自転車が好きなのね)。
お店にスーパーキャリバーの現車は無いとのこと。
聞くと日本中のトレックストアでも、試乗車はおろか展示車も無いらしい。
トレックジャパンでも9.7、9.8、9.9と、松竹梅3種類あるスーパーキャリバー。
フレームもS、M、ML、Lの各サイズ1台づつ、合計20台くらいしか輸入していないとか。
トレックには好きなカラーやパーツをオーダーできる、「project one」というシステムがあり、ロードに比べて売れないMTBは、トレックにオーダーする受注生産で、手元に届くのは3か月後らしい。
せっかく来たので店内を見て回ったり、Hさんのプロキャリバーにも試乗させてもらう(10kgを切っているのでほんとうに軽くて、クソ重いモンキーに乗るのがイヤになる)。
トレックショップはクルマやバイクでいうところの「ディーラー」なので、トレック以外は扱かっていない。
なので他メーカーのロッキーは下取りができず、買い取り業者に回すので買い叩かれるそう(モンキーは査定の対象外とのこと('_'))
せっかく積んできたんだから帰り道、葛西の自転車買取店に寄ろうと電話すると、
「保証書はありますか?」
って。
今日は持っていない旨を伝え、とりあえず電話査定をお願いした。
折り返し電話があり、ロッキーは20万以下とのこと。
って去年10月に買って、2回しか乗っていないのに、もう半値以下?!
ロッキーのALTITUDEでなく、トレックのTOP FUELだったら、フルサスながら軽量のクロカンバイクとして使えたが、あのころはつぶれそうな自転車屋を助けてやりたくて、ロッキーしか選択肢がなかった。
都内にもMTBプロショップはいろいろあるが、せまいMTB業界なのでオーナーはみんな顔見知り。
もうモンキーと関わりたくないので、しがらみのなさそうな千葉のショップでもいいかと思ったが、さすがに印西は遠すぎる。
自走して帰るホリウチさんと別れて、グーグルマップを見ると、印西のとなりはもう茨城だった。
「せっかくここまで来たんだから」
と向かった先は、オートバイ仲間I君一家がやっている「レストラン ドルチェ」
印西から13km 信号もほとんどなく20分ほどで到着(印西ってほとんどイバラキ?)
定番のハンバーグランチ
I君はGSキャンプミーティングのとき、出張ケータリングサービスをやっていて、腹サイクルでは有名人(1200GSラリーも乗ってるし)。
来週末は腹サイクル主催の「ドルチェ ランチツーリング」があるらしい。
観光地の気取ったカフェレストランより、利根町のさびれた住宅街(失礼!)にポツンとあるドルチェは、アットホームでほっこりできるはず。
帰りは利根大橋が週末の大渋滞。
このあたりは10年前、GSバカミーティングのマツモトさんや、ヨシトモさんらと利根川の河川敷のコースを、毎週のように走っていた。
なので渋滞する16号と並行する、「裏道の」広域農道を久しぶりに走る。
去年の台風ではこのあたりの田んぼも、冠水したんだろうな。
柏IC近くのマックもなつかしい。
そして翌日、自宅から一番近い「トレックストア六本木ヒルズ」に行ってみた。
30数年前、初めて働いた不動産屋がこのすぐ近くで、六本木ヒルズが建つ前は、たくさんのアパートや「しもた屋(長屋)」があり、ちょっとした迷宮のようだったが、もう昔の面影はない。
さすがオサレな六本木ヒルズ。
ほとんどがロードかクロスバイクで、マウンテンバイクはほんの1、2台しかない。
おそるおそるスーパーキャリバーについて聞くと、
「ここはロードのお客さんが多いので、扱っていない」とのこと。
それでも全国のトレックショップの在庫状況を調べてもらい、岐阜のトレックストアに「展示車」が1台だけあるという。
9.7でサイズはM
試乗車ではないので乗ることはできないが、「見る」ことはできるらしい
(って自転車なんて乗ってナンボなのに、見るだけじゃなぁ)
スタッフさんも
「これ現物を見てみたかったんですよね、買わなくていいので取り寄せましょうか」
ということで、とりあえず取り寄せてもらうことに。
でももしここで買ってもMTBに不慣れなスタッフでは、アフターケアが心配。
郊外のトレックストアにはMTB好きなスタッフがいて、お店で走りに行ったりして、お客さん同士が知り合えるが、ロードがメインではその点もちょっと(かなり)不安。
入荷予定のメールをいただいたので、その旨を伝えたらわかってもらえたのか、その後連絡はない。
六本木や港区は外資系企業が多いので、金持ちの欧米人がたくさんいるはずで、ロードよりMTB好きな人もいると思うのだが。
家から2番目に近い「トレックストア駒沢店」にも行ってみた。
ここは駒沢公園の目の前で、ロードも多いがMTBも複数台、置いてあった。
MTBも乗るという店長さんにスーパーキャリバーのことを聞くと、先月1台納車したそう。
そのお客さんは「SDA大滝100km」に毎年出ていて、少しでも軽いマシンが欲しくて、オーダーから3か月待ってやっと手にしたとか。
トレックのロードレーサー「マドン」なら、本国にオーダーしても2週間で届くらしいが、日本を除く海外ではロードよりMTBがブームらしく、MTBが売れない日本は後回しになっているらしい(走れる山も少ないのでしかたないか)。
心のなかでは六本木店よりこっちのほうが、どうせ買うなら安心と思い、六本木店で一週間展示したあと、こちらに持ってこれないか聞いてみたが、私のスーパーキャリバーはほかのトレックに比べて少し小さめなので、展示車のMでは小さいかも?とのこと。
フィッティングの資格を持つ店長にサイズを測ってもらうと、
MとLのあいだの「ML」のほうがいいという。
MTB業界では「サイズに迷ったら小さいほうを買え」という神話があるとか。
小さいほうが山の中で振り回せるからというのが理由らしいが、小さいとポジションが窮屈になるので、今は勧めないそう
(はやく在庫を処分したいお店は、フレームが小さいサイズの場合、ステムを伸ばしたりサドルを無理やり動かして、体に合わなくても売りつけているのが現状)。
そんなことがわかっているのかスーパーキャリバーには、「ML」というサイズが存在しているそう。
「カーボンフレームは折れないの?」
なんて素朴な疑問が湧くが、店長曰く
「ワークスがガシガシ走って壊れないんだから、アマチュアレベルなら大丈夫」
って。
たしかに私ごとき「弱足」がヘロヘロ乗っても、びくともしないだろうし、「カーボンは折れる」は一昔前のはなしで、最近の、とくにトレックのOCLVカーボンは、アルミより強いというデータもある
万が一折れてもトレックのカーボンは永久保証、
トレック子会社のボントレガーのカーボンホイールも、万が一破損したときは2年間に限り、無償で交換してくれる。
今オーダーしても手元に届くのは3か月後、
ならばすぐオーダーしたほうがいいだろう。
買うなら「梅」の9.7のつもりでいたが、9.8のほうがはるかにいいパーツを使っている。
買ったあとで徐々にグレードアップもできるが、交換はかえって高くつくし、私の性格からして面倒くさい。
なにより青と黄色のツートンカラーが「若者」すぎるし(上の写真のハードテイルと同じ色)、プロジェクトワンでカラーオーダーすると、塗装だけで5万円以上かかるそう。
というわけで「竹」の9.8に決定。
(エンジンの無い乗り物に100万を払う気にはなれないし、世界選手権に出るわけではないので、一番高い「松」の9.9は論外)。
どちらにしてもプロジェクトワンなので、フレームカラーも好きな色にできる。
ヨランダネフの水色もよかったが、これはファクトリーカラーなので不可とか
(水色もかなり若者カラーだけど(^-^;)。
店長から「トレックならレッドでしょう」と言われ、レッドもいいなと。
こんな感じかな
あれから毎日「supercaliber」で検索しては、記事を読み漁っているが、去年9月発表時の記事ばかりで、買った人のレビューがまったくない。
日本語のニュースやレビューはすべて読み尽くしてしまったので、最近は海外のインプレや、フェイスブックで買った人のレビューを読んでいる。
本家アメリカではなくイタリア人が一番アツいようで、ショップや個人のレビューが多い。
2007年のファラオラリー以来、ひさしぶりに伊日辞典を引きながら、イタリア語を読んでいるが、今のところ買って後悔した人のレビューは無い。
ロッキーもモンキーもいずれヤフオクに出すんだろうな。
知り合いの息子さんが、自転車買い取り店で働いていたので聞いたら、そこも買い取りは20万弱で、販売は40万以上って(*_*)
アメ車と千葉さいたまの建売住宅は、買った瞬間「半値」になるけど(事実)、自転車は半値以下とは!?
正直プロでもないのにこんな高価なマシン買ってどうするの?
と突っ込み満載だが、2年前に買った時代遅れのクロモリMTBが、50万だったのに比べれば、最新型フルカーボンがこの価格なら、かえって安い買い物かも?と思ってしまう
(最初に10万円のMTBを買っていれば、とてもじゃないがスーパーキャリバーなんて買わなかったはず)。
とにかく気持ちよく激坂を登れて、下りも楽しく走れればそれで満足。
なにより2年前からMTBを始めて、お店の都合に関係なく今回初めて、「自分の意志」で自転車を選べたのがうれしい。
以下、自分への言い訳なので、聞き流してください。
私はひと箱500円もするタバコは吸わないし、おねーちゃんのいる高いお店で酒も飲まない。
自宅と仕事場が一緒なので昼は基本自炊だし、パチンコもギャンブルも一切やらない。
アルマーニの一着100万以上する高級スーツも着ないし、ミシュラン三ツ星の店で豪華ディナーもしない。
フェラーリもランボルギー二も乗りたいと思わないし(あ、マクラーレンGTはちょっと乗ってみたいかも💛)。
嫌味でなく上記すべて、たぶんフツーの人の何百倍も経験済みで、正直飽きてしまったから。
スーパーカーで300キロ出すよりも、MTBでお山の激坂をガンガン上れるほうが、はるかにカッコいい。
洋服も最近はユニクロでさえ高く感じて、近所のブックオフで中古の服ばかり買っているが、これが安くていいものがたくさんあって、ほんとうに楽しい。
なので毎日「そと」で働いている人に比べたら、ひと月で数万円(数十万?)は浮いているので、1年で30万円倹約したと思えば、2~3年で自転車もバイクも買えるはず......
Yさんから
「そんな高いの買ってどうするんですか?」
と言われたが、
「バイクと工具に仕事道具も満載の、{高級車ハイエース}を盗まれたと思えば、安い買い物でしょ」
と答えたら、納得したようなしてないような。
フェイスブックで盗難にあったハイエースを探してほしいと、拡散希望の書き込みをかなり頻繁に見かけるが、なぜプロの窃盗団が好んで狙うクルマを、あえて買うのか理解に苦しむ。
「ハイエースは値下がりしないから」と言うが、盗まれたら元も子もないだろうに。
だったら人気がなくて窃盗団が狙わない、日産キャラバンを買うほうが、買い替えのとき値下がりしても、盗まれないかドキドキしながら暮らすより、精神衛生上いいと思うのだが
(私ならシートが外せるベンツのV220dにするが、奥さんが「大きくてイヤ」って.......)。
そしてこんなものも購入
片足1.5kgのアンクルリスト
山はおろか坂道も少ない都会で、これを足首に巻いて歩いたり、自転車をこいでトレーニングしようと思った次第。
ちょっとパンパンだけど、まさか足に重りをつけているとは、だれも思うまい。
さっそく娘を小学校へ送りながら、近所のゴミ拾いを30分やっただけで、さっそく腰に違和感が.....
コロナウイルスの影響か、最近はマスクのポイ捨てが多い。
さっそく多摩川サイクリングロードを走ってみた。
去年の台風で水があふれた多摩川河川敷
まだ完全復旧には程遠いらしいが、サッカーや野球グラウンドには、たくさんの子供たちの姿が。
快晴で富士山もくっきり
上流の稲城まで走り、折り返して羽田の河口まで下り、ひさびさにフラットに立ち寄り、コーヒーをごちそうになる。
BMWは往年の空冷OHVのおかげで今の繁栄があるのに、古いバイクはディーラーで修理を断られる。
「旧車の修理はしないで新型を売れ」
がメーカーの方針らしいが、そもそも若いメカニックに旧車の整備はできないとか。
先代のおやっさんが亡くなってディーラーのライセンスを返上したが、今では全国からリジッドサスのR50や、旧型Rの修理車が次々と持ち込まれ、「旧車のかけ込み寺」という皮肉。
「特殊技能」を生かして、ますます発展してほしい。
60kmくらい走って帰宅すると、さすがにグッタリ。
たった1.5kgの重りでも、負荷は大きいことを思い知った。
むかしリングにかけろ」というボクシングマンガで、主人公の少年が手首と足首に重りを巻いて、マンガならではの驚異的なパワーとスピードを、身につけていた。
アポロエクササイザ―なんてのもあって、私も買って鍛えていたような。
腹筋ローラーと並んで「悪魔の筋肉改造マシン」と、当時は呼んでいた。
彼が巻いていたのは鉛板の薄いタイプなのかな。
これなら上からズボンをはいても目立たないし、走っても砂袋と違って[揺れない]のがいいので、次はこっちを買ってみよう。
冒険家の三浦雄一郎さんもエベレスト登山の前には、足首に重りをつけて、数十キロのリュックを背負って、毎日トレーニングしていたとか。
「継続は力なり」
山のない都会でもトレーニングはできるはず。
効果が感じられるその日まで、がんばって続けてみたい。
でもまだ奥さんに自転車買ったこと、言ってないんだよな~(^-^;