日曜は午後から雨の予報なので、午前中だけでも走ろうと、先日パンクで断念したお山に再チャレンジ。
「リベンジ」なんてえらそうな気持ちで臨むと、たいがい「返り討ち」にあうのが、いつものパターン。
なので自然に対して謙虚な気持ちで臨むことに。
高速が渋滞する前、朝6時にサクマさんをピックアップ。
渋滞もなく8時に駐車場に到着。
雨の予報では誰もいないだろうと思ったら、横浜ナンバーの先客が。
すでに走っているみたいで誰もいない。
東京は連日のコロナ感染者100人越え。
緊急事態宣言は解除されたけど、「県をまたぐ移動は自粛して」と言われているので、
品川ナンバーが駐車していて、パンクやキズをつけられたらどうしよう??
なんて考えていても仕方ないので、出発。
先日パンクしたわき道の林道は、次回チャレンジすることにして、とりあえず規定のルートを完走するため、山頂を目指す。
舗装路の峠道を10キロ、約1時間かけて登り、登山道で自転車を押し上げること1時間。
ここではこれがお決まりのルーティンとか。
「猛者」はこんな斜度でも漕いで上がるとか(^-^;
山頂に着いてひとやすみ。
横浜ナンバーの人たちは3人で来ていた。
サクマさん行きつけのショップも知り合いらしく、
「〇〇さん、離婚したらしいね」
「原因はね~」
なんて超ローカルな話題で盛り上がる(ほんとMTBは世界が狭い)
ハラが減る前にアンパンで糖分補給。
気圧が高くてパンがパンパンに
がんばって登ったごほうび。
ここから約5キロのくだり。
昨日の雨で数本の木が倒れていたが、水はけがいいのか「ぬかるみ」も無い。
木の根っこは滑るけど、タイヤを太くしてブロックも大きくなったせいか、以前のクロカンタイヤよりグリップしてくれて、ヘタレには心強い。
二股の分岐で一旦停止。
横浜ナンバーの人たちは、雨が降りそうなので分岐を右に下って、駐車場に戻るそう。
物足りなさそうにしている私を見たサクマさん。
「左のルートを下って、もう一度押し上げようか?」
という意見に賛成。
5キロくらいのトレイルを下る。
下に下るほど路面は荒れていて、木の根のギャップも深い。
ハードテイルならしり込みするところも、スーパーキャリバーのISOストラットがよく動いて、ここでもヘボい私を助けてくれる。
それでも狭いつづら折れが続くところは、スタンディングとかバニーホップとか、こまかいワザが使えないシロートは、ひたすら堪えるしかない。
ブレーキ握りっぱなしでハンドルに無駄な力が入って、ウデがパンパンに。
そして下から押し上げ。キリも出てきてイヤ~な雰囲気。
漕いで上がれるところはがんばって乗るけど、木の根っこにはじかれて止まると、押すより何倍もハアハアゼイゼイ。
高地トレーニングじゃないけど、もっと心肺機能を高めるトレーニングしないと、次回こそ2000m級トレイルで「押し上げ5時間」とかやったら、マジ死ぬんじゃないかと思ったりして。
朝イチの押し上げは1時間で登れたけど、こちらは1時間押してもまだ、さっきの分岐にたどり着けず、めげること数えきれず。
子供のころ見た「ウルトラQ」で、一番記憶に残っているのが「巨人の回」
山の中で「蝶の麟紛」を浴びた男が、沼の水を飲んで巨人になってしまうという話。
四方を山に囲まれた長野県で育ったせいか、山は身近な存在と同時に怖いもの。
バルタン星人やカネゴンなど有名なキャラよりも、子供ごころに巨人が怖かった。
というか彼が巨人になる過程が、こんな霧の深い森だったような。
98年パリダカにプレスカーで参加したときも、パリからグラナダまでの真夜中の道中で、深い霧のなかを走った。
街灯もない山道は霧が深くて、5m先も見えない。
運転するシューセイさんが眠らないよう話しかけていたが、
「この霧は実は{ワナ}で、吸血鬼や魔女の館に誘い込まれたらどうしよう」
この霧もそんな感じ。
日本ならドラキュラでなく、さしずめ「やまんば」かな。
山の中で道に迷った旅人が、灯りの付いた家を訪ねると、そこはやまんばの家だった....
なんてむかし「まんが日本昔ばなし」で見たことを、ハアハアゼイゼイいいながら妄想して、苦しい今の状況から現実逃避しながら、ひたすら自転車を押していた。
1時間半かかってやっと分岐に到着。
ザーザーと雨が降る音は聞こえるけど、木々にさえぎられて雨が落ちてこないのが、せめてもの救い。
今日は500mlのボトルを2本持参したが、蒸し暑いのと登りがきつくて、ほぼ飲み切ってしまった。
お茶を凍らせた2Lのペットボトルと、1Lの水を持参していたサクマさんに、分けてもらって助かった。
なのに1グラムでも装備を軽くしたい気持ちが、勝ってしまった。
これからますます暑くなる季節、
山の中にコーラの自販機は無いので、次回は重くても凍らせたお茶2Lと、水1Lは持っていかなくては。
このあと駐車場まで5キロの下り。
ウデはパンパンだし急傾斜を登ってきたので、足もつりそう。
50cmくらいの根っこのステアケースや、岩場も出てきて、疲れたカラダに追い打ちをかける。
中腰のスタンディングで疲れたヒザがプルプルしてきた。
下るほど雨でぬれた根っこや岩で滑って、何度も転倒しそうになる。
それにしてもほんとうにうまく乗れない。
駐車場に着くとクルマは雨でぬれていて、横浜ナンバーの人たちはもういない。
けっきょく山で会ったのは、横浜の3人とMTBのカップルだけで、ハイカーもいなかった。
時刻は午後2時、雨の予報だったのに晴れ間も出てきた。
とりあえずコンビニでコーラを買って、ひと息つく。
帰りがけにチャーシューメンで、遅い昼食
汗をかきまくって「塩気」の抜けたカラダに、濃い目のスープがしみわたる。
県をまたいだ移動だけど、お山は3密とは無縁の世界。
でも「里」に下りてくると道は大渋滞で、お店も混んでいた。
サクマさんを送って帰宅したのは4時過ぎ。
疲れたカラダにムチ打って、泥だらけの自転車とクルマを洗車して、ついでに汚れたジャージやシューズも洗濯。
シャワーを浴びてビールを飲めたのは6時前。
ひさびさに体をいじめたので、グッスリ眠れるかと思ったが、興奮してなかなか寝付けない。
この歳になると疲労が1日遅れでやってきて、数日は回復しない。
月曜はお昼を食べたあたりからボーっとして、もうなにも手につかない。
しかたないのでベッドで横になって、30分ほどウトウト(というか爆睡)
こんなとき「自宅と事務所が一緒」なのは、ほんとうにありがたい。
今週末は「初」富士見パノラマの予定
(その前に朝5時集合して付近の山を登るらしい(^-^;))
むかしアフリカツインでこのスキー場の周りの入笠山の林道を走っていて、細いつづら折れのケモノミチに迷い込んだ。
ジェットコースターみたいな下りが楽しかったが、下りきったらMTBの人から
「ここ、マウンテンバイク専用なんですけど」
と注意されたような(^-^;
じつは次回ふじてんに行くときは、併設されたMTBスクールの、プライベートレッスンを受けようと思っていた。
自己流で走っても全然上手くならないし、速い人のあとを追いかけるのに必死で、テクニックなんて見ているヒマがない。
オートバイならハウツー本やDVDがたくさん出ているが、MTBにはその手のモノはほとんどなくて、「感覚の世界」。
まずポジションがわからない。
くだりは後傾荷重が基本だろうけど、後傾のままではコーナリングで、カラダが遅れてしまう。
シングルトラックの細かいつづら折れなんて、ブレーキかけっぱなしでハンドル切らないと曲がれないけど、ブレーキをかけるとグリップしないし、ハンドルを握る手に力が入って、カラダがガチガチに。
オフロードバイクも「転んで覚える」なんて迷信を信じていたけど、むかしBOGT(ビッグオフガイドツーリング)に参加したとき、講師兼ガイドのヨシトモさんが、走る前のレクチャーで「体重移動」や「目線」、「ポジション」を教えてくれただけで、
「そーだったのか~~!!!」
と、目からうろこがボロボロ落ちた。
何年、何十年も「転んだりケガをして」自己流で覚えてきたことが、ここにいるビギナーの人たちは、わずか一日で覚えてしまうなんて。
なにより自己流で覚えたことが、実は間違っていたことが、一番ショックだった.....。
ゴルフだって一人で練習すればへんな打ち方になるし(カラダは自然と「ラクな打ち方」を覚えるので)、ちょっとくらい上手な仲間や会社の上司など、「アマチュア」に教われば、その人の「変なクセ」を教えられるので、それもまた変な打ち方になってしまう。
13年ほど前の約2年間、ゴルフにドハマりした時期があった。
自宅近くの練習場で、「1時間5000円」のプロのレッスンを「週7回」受け、プロとほぼ毎週2回コースでラウンドしていたら、
「オレ、プロになれるかも?」
と思うくらい上達した(あとで「それは錯覚だった」と気づくのだが)。
このころ自宅1階を「アルゼンチンタンゴ教室」に貸して、自分が生徒になったとき、最初は「1時間3000円」のグループレッスンを受けていたが、もともとダンスの素養が無いので一向に上手くならない。
毎日
「いつやめようか」
そればかり考えていたが、1階がタンゴ教室、2階が自宅では絶対に「逃げられない」
タンゴも社交ダンスも「ペアダンス」なのだが、とにかく「オトコ」が足りない世界。
なので自宅にいるとアルゼンチン人の先生が
「なんで来ないんだ」
と迎えに来る。
生徒の女性陣も、一人でもオトコがいてくれたほうがいいので、
「立ってるだけでいいから」
「私がリードしてあげるから」
と、踊れなくても毎晩レッスンに通う羽目に。
初級クラスのグループレッスンが6時に始まり、7時から中級レッスン、8時からの上級レッスンにも「オトコがいないから」という理由で付き合わされ、踊れないのに毎日3時間、ほんとうに地獄の日々だった。
そんなあるとき、上手な人はみな「マンツーマンのプライベートレッスン」を受けていることを知って、「30分5000円」のレッスンを受けてみた。
グループレッスンの100倍以上、いちいち細かいところを注意されて、今まで踊れなくてモヤモヤしていたのがウソのように、自分でも上達したことを実感した。
以来グループレッスンの前後に、プライベートレッスンを毎日30分受け続けたら、先生から
「タンゴの本場ブエノスアイレスに行っても大丈夫」
とお墨付きをいただいた。
タンゴがわからない人はこちらを「セントオブウーマン」
真剣にやればこのくらいは踊れるようになる。
もっとうまくなりたい」と欲を出して、「1時間1万円」のレッスンも受けてみたが、「一寸たりとも」気を抜けないので、集中力が続かず後半はもうグダグダ。
1時間コースを受ける人は、芸能人やプロのダンサーが多く、自分には30分が限界だった。
タンゴとゴルフとバイク、
カラダは一つしかないのでどれか一つ、あきらめなければ身が持たない。
けっきょくその日を境にゴルフをやめてしまったが、要は
「何事も上手くなりたきゃプロに習え」
ってこと。
ゴルフ練習場でやみくもに1000球打つよりも、レッスンで100球打つほうが、はるかに上達できる
「ふじてん」とは山梨県にあるスキー場。
夏場はMTBコースになっていて、プロのMTB選手がスクールをやっている。
グループレッスンとプライベートレッスンがあるが、大人数のグループレッスンより、レッスン料は高くても、マンツーマンのプライベートのほうが100倍、身につくのはゴルフやタンゴで実証済み。
私と同い年のサクマさんもMTB歴は30年だが、一度もまともにレッスンを受けたことが無いそうで、私が帰りの車中でこの話をしたら
「オレも参加したい」
って。
彼も「走って覚えろ」と言われた昭和世代だが、最近は走る時間はないし体力も衰える一方。
「大工」という仕事柄、ぜったいにケガはできないので、ちゃんとした走り方を身につけたいそう。
と思ってプライベートレッスンの空き状況を検索したけど、意外にも(失礼)7月はいっぱいらしい。
「ひょっとしてケガでもして休んでいるのかも?」
と思い電話したところ、奥様が出られて
「申し込みが多くてすぐいっぱいになってしまう」
とのことで、8月もすでに予約が入っているらしい。
とりあえず入れそうなところがあれば、連絡をいただけるとのこと。
ロードよりMTBが大ブームの欧米に比べて、日本ではマイナーなイメージしかなく、つぶれそうなショップもあるけど、反対にスクールは盛況らしい。
とはいえスキーやゴルフのインストラクターなら、試験に合格したプロがたくさんいるが、MTBのインストラクターは私が調べた限り、日本に数人しかいない。
ふじてんも先生はひとりしかおらず、午前2時間午後2時間のプライベートレッスンは、原則「1日ひと組」しか受けられないので、予約がいっぱいになるのも仕方ない。
スキー場に行ってレッスンを受けたければ、予約が無くてもスクールに行けば、かならず誰か先生が付いてくれる。
レッスン料も4時間1万円と、内容を考えればリーズナブルだが、MTBは4時間2万円とちょっと高いので、自転車を買うだけで精一杯の若者には、習いたくても無理。
定期的に走行会をやっているショップもあるが、ひとりひとり教えるのは大変。
これもインストラクターが多く育てば、もっと安く気軽に申し込めるだろうが、MTBでメシを食うのは並々ならぬ覚悟が必要だろう。
私の地元「志賀高原スキー場」でも、冬はヒマな農家の同級生がインストラクターを、アルバイトでやっていたが、いまは冬はスキー場、それ以外の時期はバイトしている人が多いらしい。
「冬はスキーかスノボ、夏はMTBのインストラクター」
なんて人がもっと増えれば、「日本では」下火のMTB業界が、もっと盛り上がるような気もするが。
富士見パノラマにもスクールがあるようなので、どんな様子かチェックしてきたい。
MTBはとにかく体に負担がかかるので、正直あと何年、元気に走れるかわからない。
近くに山があるなら毎日でも走れるが、東京にいる限りそれもむずかしい。
なので多少おカネがかかっても、「近道」して走れるようになりたいと、切に願っている。
それにしても雨がひどい。
遊んでいたこの日も九州ではとんでもない豪雨被害になっていた。
長崎の大村にいる専門学校時代の同級生T君。
いくらでもコネで自衛隊関係に再就職できたらしいが、彼はそれを良しとせず、民間企業から請われて再就職。
ひとりで立ち上げた部署が3年後の今は、30人の部下を抱えるほどに成長し、今も忙しい日々を送っている。
雨は大丈夫なのか電話しようと思ったが、自衛隊予備官のはずなので、ひょっとして災害現場に救助中かも?
と思いメールしたらすぐ電話がかかってきて、無事を確認できた。
福岡にも同級生のK君がいて、彼も元自衛官(その専門学校は「自衛隊予備校」と呼ばれていた)
メールすると電話があり、無事だけど親戚の家は床上浸水したらしい。
この日の山も前日の雨で、倒木や崩落現場が数か所あった。
「ひょっとしたら土砂崩れに巻き込まれていたかも?」
と思うと、家族にもどこに行くか言っていないので、ぞっとする。
とはいえ自分がどこを走っているのかわからないので、連絡のしようもないのだが......