先週土曜は待ちに待った「山サイ」
八ヶ岳のふもとの駐車場に朝3時集合!?
って自宅から150KMあるので、余裕を見たら12時に出る必要が....
前回ふじてんも朝6時集合で、3時に起きて4時に出発したら、帰りの高速は睡魔との闘いだった。
なので前泊しようと東京の自宅を8時に出発。
金曜夜なので首都高の渋滞につかまったが、10時半に指定の駐車場に到着。
ってここが山のなかで、周りには一軒の家もなく、外に出ると真っ暗。
車中泊しようとリアシートを倒して横になったが、あまりの静けさと暗さで、こわくて眠れない。
すこし蒸し暑かったので窓を開けて寝たいところだが、もしオバケかゾンビでも来たら困るので、持参した2Lのお茶のペットボトルを「枕」代わりにして、なんとか寝た。
3時少し前にヘッドライトの明かりで目を覚ますと、埼玉のОさんが到着。
周りを見ると千葉のYさん、富山のFさん、福島のIさんも到着して、仮眠中。
さっそく真っ暗ななか準備開始。
私のスーキャリはノーマルのカーボンホイールよりさらに軽い、1本320gの中華製に換装、スポークもチタン、カーボンクランクもさらに軽いカーボンに換えて、FOX34SC(130mm)のFフォークと、29×2.3の重たいダウンヒルタイヤを履いても、車重は10.8kgと前回よりさらに軽く仕上がった。
4時に登山道から「登攀」開始。
まず2キロくらい階段の登山道を押し上げるが、とにかく自転車が軽いことを実感できる
100m押し上げるごとに10分休憩を繰り返す。
この時点で5時だが、まだ真っ暗。
6時を過ぎてやっと明るくなってきた。
登り始めて2時間。まだ3分の1しか登っていない
漕げるところは乗って漕いで。
でも夜露で木の根が濡れていて、滑って危ないので、ひたすら押して押して
よいしょよいしょ
押せない難所は担ぎ上げる。
ここでも軽いスーキャリは、押しても担いでもほんとうにラク。
クソ重いモンキーでさんざん苦労したおかげ。
ゴミみたいなショップだったけど、「大リーグボール養成ギプス」だったかも。
担いで担いで
とにかく担いで
ひたすら担いで
8時を過ぎたあたりでハイカーも上がってきた。
「??....!!」
自転車を担ぐ集団を見て、目が点になって驚いている。
最後の難所を押し上げて
開始から6時間、2000mの山頂に到着~
持ち寄ったパンやおにぎりを食べて、休憩中
そしていよいよ12km超の長~い下り。
脊椎パットがついたプロテクターと、ヒジヒザのプロテクターを付けて、いざ!
写真だと斜度が伝わらないけど、たった3年のMTB人生のなかで、ダントツ1位の急傾斜。
サドルを一番下まで下げて、腰を引いてもまだ前転しそうなくらいの激坂で、おしりをタイヤに何度もこすりながら、ソロソロゆっくりでないと下れない。
スキーの初心者がいきなり上級者ゲレンデに、連れてこられたようなもの。
急なうえに木の根っこの段差(ドロップオフ)が、笹薮に隠れているので、下りも担ぐ場面が多い。
登山客が使うロープをもって担ぎ下ろすので、登るより疲れる。
しばらく下ると斜度が緩やかになってきて、ゴキゲンなトレイルが現れる。
ジェットコースターのようなつづら折れが延々と続き、
「まだ(下に)着かないのかな~」
なんて思うほど。
下りも10分走って休憩を繰り返すが、ずっと中腰のスクワット状態なので、ヒザがカクカク笑っている。
終点まであと2~3キロの右コーナーを曲がったところで、突然、目の前に「木の枝」が現れた。
「??!!」
あっという間もなく激突。
倒れこそしなかったが、あっというまにサングラスのなかが、血で真っ赤になり、ボタボタとしたたり落ちる。
ちょうどこんな感じ。おでこを切ったらしい。
5人のなかで私は3番目に走っていた。
後ろにいたОさんとIさんがその場に私を寝かせてくれて、先を走るYさんとFさんを大声で呼び止めてくれた。
富山のFさんは医療従事者。
水筒の水で傷口を洗って、止血の応急処置をしてくれた。
2センチほどバックリ割れているので、病院で縫ってもらったほうがいいとのこと。
まだ山のなかなのでクルマも入ってこれない。
アタマにタオルを巻いてもらい、自走でソロソロと下る。
痛みはもう治まったが、また血が出てきて目に入り、走りづらいことったら無い。
なんとか駐車場にたどり着いて、近くの病院を探してもらう。
今までオフロードバイクでケガはたくさんしてきたが、こんな派手に流血したことは無いので、
「オレ出血多量で死ぬかも??」
なんてほんとにビビったが、Fさんが
「おでこのあたりは血がたくさん出るので、このくらい大丈夫ですよ」
って。
ガストンライエと同じく、手首を切断&接続手術をしているYさんも
「骨折じゃなくてよかったですね~」
って。
みなさん修羅場はいろいろ経験しているので、このくらいはケガではないらしい。
20キロほど先の韮崎市立病院が、今日の救急当番で、外科の先生がいるとのことで、
Fさんにクルマで送ってもらった。
じつは40年前、18歳から20歳までこのあたりに住んでいた。
近くにあった専門学校に通っていて、ここには数回、ケガや病気で来た覚えがあった。
ベテラン看護師さんにその話をすると
「当時と同じ建物だから、もう古いじゃんね~」
ってひさびさに山梨弁を聞いた。
ヘルメットはかぶっていたが、ちょうど「目の高さ」に木がぶつかったので、サングラスでおでこを切ったらしく、サングラスもバラバラに.....。
度付きサングラスなので、買い替えるのも時間がかかる。
「壊れちゃったかな~」
と思ったが、レンズの枠が外れただけで、元通り。レンズもキズはなかった。
オフロードバイクで山を走っているときも、前を走る人が「しならせた」木の枝が、思い切り直撃して、ゴーグルが粉砕したことがあったが、このときも不思議と目の高さに「女王様のムチ」が当たった。
おでこを4針縫ってもらった。
むかし「逆さまつげ」で手術したとき、まぶたを縫ったが、ケガで縫うのは初めて。
外科の先生が最初に打つ麻酔が、一番痛かった。
おでこにゲジゲジが......
念のためと、かなり大判の絆創膏を貼られた。
ほんとうはこれから富士見パノラマスキー場でキャンプして、はじめてMTBコースを走る予定だったが、これではヘルメットもかぶれないし、夜は酒も飲めないので、私だけ戦線離脱することに。
中央高速が渋滞のなか、眠気覚ましに傷口を叩きながら、なんとか帰宅できた。
帰宅して奥さんに見せると、さすが医療従事者、
「ずいぶん大げさにされたわね~」
って、小さい絆創膏に張り替えられた
冷静に振り返ってみると、前を走っていた人の後輪が、倒れていた木の枝を「起こした」ような。
でもそれも前走者との距離をしっかり開けて、周りを注意して走っていれば防げたはず。
長い距離を走っているうちにペースが上がり、自分のレベルを超えてしまったところで、トラブルは起きるもの。
次回は「分相応」に走ることを心がけたい。
クロカン系の人たちと、登ったり下ったりを繰り返すのも楽しいけれど、ひたすら登ったあとに長い距離を下るのも、これはこれで楽しいし、スキー場の整備されたコースでは、味わえない開放感がある。
スキーやスノボを担いで登り、ゲレンデでないところを下るバックカントリーと同じ。
そのぶん自然に敬意を払わなければ、今回のように山の神様から痛い目にあわされるだろう。
注)MTBは本来楽しい乗り物ですが、自分のレベルを超えると痛い目にあいますので、くれぐれもご注意ください。