バブル時代の元上司Kさんから、
「茨城で20万坪の山を相続した知り合いが売りたいって。
おまえ自転車で走れる山、探してたよな」
と電話があった。
今まで見た山はせいぜい1万坪がいいところ。
20万坪なんてとても買えないと断ったら、
「いや、俺に100万もくれたらハナシつけてやるよ」
とのことなので、資料をメールで送ってもらい日曜、見に行ってきた。
20万坪といわれてもどれくらいの大きさがピンとこない。
よく比較される東京ドームなら13個分
東京ディズニーランドより3万坪大きい
ってよけいにわからないが、とにかく広いことは確か。
つい1か月前の猛暑がウソのよう。
朝7時に首都高に乗ったら、ナビに表示された気温は20度、
パーカ1枚では寒いくらいで、途中のPAでカッパを着込む。
守谷SAでトイレ休憩
寒いのでとにかく冷える。
まわりのライダーが革ジャンなのに納得した。
Kさんからもらった資料はこの程度。
税務署か法務局の公図らしいが、グーグルマップと突き合わせて、場所の目星を付ける。
国土地理院のHPから25000分の1の地図をコピー。
右側の川(青線)から黄色マーカーで囲ったところが目的地だが、現地まで行く「道」がない!
たぶんあの山の向こうくらいだろうと見当をつけて、バイクで走ること1時間
現地から最短距離の舗装路にバイクを停めて、そこから山道を歩くつもりが、切り立ったガケでどこからも降りられない。
舗装路を行ったり来たり、わき道に入ってみたり。
携帯が圏外になるようなところにも人が住んでいたので、地図を見せて道を尋ねてみたが、山が広すぎてみんなわからない。
「かご岩」という展望台の近くまでは、クルマで行けるそう。
そこから登山道を登って、直線距離で2キロくらい。
偶然、作業をしていた地元消防団の人がヒントをくれた。
かご岩展望台の駐車場にバイクを停めて、登山道を登る
いい感じのトレイルが続いていて、このくらいなら自転車を持ってくればよかったかも?
でもやっぱり激坂登りはあった。
見慣れた倒木
だれも入っていないのか、とにかくクモの巣だらけ。
崩れて危ない場所もある。
そういえば消防団の人が
「このあいだも遭難した人がいたので、気を付けて」
とか
「クマも出るから気を付けて」
と言われたが、どう気を付ければいいの?
とりあえず携帯電話のラジオを一番大きな音で流しながら、進むこと20分。
ひらけたところに出た。
下を見ると数十メートルはありそうな、断崖絶壁
このあたりはずっと「圏外」なので、万が一滑落してケガしても、助けも呼べない。
ここから現地まで直線で1キロくらいだが、降りる「道」が無い。
登山道らしきトレイルを100㎡くらい下ってみたが、
「クマ」「遭難」「圏外」が頭をよぎる。
迷いに迷ってここまで来たので、時間は午後1時。
空模様も怪しくなってきたし、暗くなったら本当に遭難するかも。
なんとなく場所はわかったので、引き返すことに。
トラロープがある激くだりを、転びそうになりながら下りる。
場所によっては自転車で走れるトレイルもあるが、Yさんと行く山は苦労して登ったあと、ゴキゲンなロングトレイルが待っているが、ここは下ったら川で行き止まり。
もう一度登り返さないとならないので、ライドには不向き(というか自転車で下れる斜度ではない)
なんとかバイクまでたどり着き、コンビニで買っておいたパンを食べて一休み。
バイクで来た道を戻りながら、次回は川をさかのぼってみようかとも思ったが、川もジャングルに近い。
(草むらの下にほとんど水の流れていない、枯れた川がある)
せっかく来たのだから、竜神大つり橋を見に行った。
真ん中あたりでバンジージャンプをやっていた。
ジェットコースターもそうだが、カネを払ってまで怖い思いをして、なにがたのしいのか?
GO TOのせいなのか駐車場は満車で、観光客もたくさん来ていた。
バイクを停めたところで、爆音を響かせて旧車軍団がやってきた。
ほかを見るとCBナナハンのグループだったりで、あたらしいGSは完全にアウェー状態。
このあとも茨城を走っているバイクは、みんな旧車ばかり。
ひょっとして1980年以降、茨城はバイクの販売をやめてしまったのでは?
と思うくらい旧車が多い。
しかもほとんどが旧車會の「族車仕様」
直管マフラーにロケットカウル、鬼ハンなどなど、とにかくうるさい。
さっきの駐車場でも
「ゼッツーの改造に200万かけた」
とか
「火の玉カラーリングに50万かけた」
など改造自慢をしていたが、ファッションも独特だし、まわりの観光客もドン引きしていることが、かれらにはわからないのが不思議。
最近は静かな電動バイクがほしいと思っているので、うるさくて遅いのは大きらい。
帰りの高速は渋滞。
気を付けながらすり抜けをしたら、帰宅したときはグッタリ。
と、勉強していた娘が
「宿題終わったらバイク乗っていいって、ママが言ってたよ」
とのことで、疲れたカラダにムチをうち、娘を乗せて走り出す。
「高速乗りたい」
とのリクエストにお応えして、また第三京浜を往復。今回は都築PAで休憩。
そのうち誘っても乗ってくれなくなるんだから、どんなに疲れても乗せてあげたい。
バイクの事故も多いので、すり抜けしたときよりさらに気を配って走ったら、今度こそグッタリ。
でもツーリングにちょうどいい季節になったので、次回は海でも連れて行ってやりたいナ
。