3週続けて埼玉のお山へ
いつもはオザワさんちの裏山の「ほぼ」プライベートコース、略して「オザトレ」を5km登って、5km下るショートトリップだけど、今日は「ロングトレイル大好き男」ヤマザキさんが一緒。
なので、山を三つつなげて15kmのロングトレイルの予定。
今回は自前のスーキャリを持参するので、GSでなくレヴォーグでお山を目指す。
ヤマザキさんは朝5時からチェーンソー背負って山に入り、倒木でふさがれたトレイルを「ルート開拓」するとのこと。
2時間半で「仕事」を終えて、7時半に町営公園駐車場で待ち合わせの予定だったが、オザワさんからメールが。
ルート開拓が「楽しすぎて」、予定外のところも「道」を開拓しているので、待ち合わせを11時にしてほしいと、ヤマザキさんからメールがあったそう。
それまではいつものルートを走ることになり、オザワさんの家に到着
今日はスーキャリ
オザトレを走って楽しいかどうか?
オザワさんは中華製の「コルベット号」
「オザトレ」はほとんどだれも通らない(らしい)ので、倒木が埋まっていたり、ガレ場があったりと、なかなかエグい。
「朝の散歩」と称して、ほぼ毎朝ここを走っているオザワさん。
毎回走るラインを変えるだけで、ジャンプやドロップオフなど、コースバリエーションは無限大。
さらに雨が降ったあとは超スリッピーで難易度があがるので、いくらでも「わき道」がありそうだが、
「オレはこのルートだけで満足」
で開拓する気が無い。
真ん中を走るだけでなく、右の林のあいだを通ったり、左の斜面を登ったり、木の根や岩でジャンプしたり。
放置された倒木がいい感じに道をふさいでいる。
倒木一本ぶん「数センチ」ラインをずらして走るだけで、まるで違うトレイルを楽しめる。
と、途中まで下りたところでチェーンが絡んで回らない。
ついにリンクから破断。
コマをもっていなかったので、チェーン無しで下る。
里に下りたところでまだ10時前。
待ち合わせの11時半には時間がある。
スーキャリはあきらめてまたコルベットちゃんを借りて、もう一本登って下りることに。
時間がタイトなので休憩しないで一気に登って下りたが、これがなかなかきつかった。
そしてヤマザキさんと合流し、前々回来た「山のお蕎麦屋さん」で、早めの昼食。
ヤマザキさんのポリシーは
「せっかく山を走らせてもらうのだから、その地元でおカネを使おう」
ロード乗りもMTB乗りも、コンビニおにぎりや持ち込みのカップラーメンで、簡単にお昼を済ます人は多いが、それでは地元が潤わない。
3人で食事しても3000円ちょっとだけど、お土産に柿を買ったりして少しでも貢献できればいい。
これから何時間も押したり担いだりするのに、こんなに食べて大丈夫?と不安になるが、なにもない山のなかで、空腹でハンガーノックになるよりはマシ。
そして今日も「お山の自転車屋さん」開業~。
スプロケ外してリアハブのメンテ。
グリスアップして組み上げて、ここまで10分ほど。
「ハイお待たせ!」
午後はヤマザキさんのチタンフレーム+ファットタイヤ29erをお借りすることに。
フロントのストロークは170mm
タイヤの太さはほぼモトクロッサー並なので、乗っていて安心感がある。
こんな太いんじゃ重たいかも?
なんて思ったがそこは「ヤマザキマジック」
超軽量のカーボンリムとスポークで、スーキャリの軽量ホイールとさほど変わらない仕上がり。
そしてまた展望台まで漕ぎ上げて
オザワさんはいつものRSD(Rubber side down=ゴム(タイヤ)の側が下=コケるなよ)
重たいはずのクロモリフレームだけど、カーボンハンドルやカーボンリムの恩恵で、意外に軽い仕上がり。
轢き足が使えるビンディングでなく、フラットペダルでもスイスイと、荒れた激坂を漕ぎ上げるのは、オザワさんのウデだけではなく軽量化も寄与しているはず。
今日のヤマザキさんは日本の自転車パーツ代理店が、台湾のカーボン工場にオーダーして作っている、「GONZO PERFORMANCE(ゴンゾーパフォーマンス)」
私のスーキャリと同じ構造で、短いリアサスが付いたクロカン、というかトレイルバイク
「ハードテイル以上フルサス未満」
ハードテイル好きなヤマザキさんなので、フロントは短めの120mm、リアは80mmだけど、体重があるのでかなり硬めのセッティング。
途中乗らせてもらったが、スーキャリとサイズ的にも似ていて扱いやすい。
でも「跳び系」のセッティングなので、私のようにギャップをなめて走るより、バンバン跳んだほうがいいらしいが、飛んだらどこに行くのか分からないので、こわくて飛べない。
ヤマザキさんが「ほんとうの{奥武蔵}を教えてあげますよ」って、どこかのイベントで聞いた「生まれたことを後悔させてやる」に似ているような,,,,,
いつもなら展望台を下るところ、さらに上に登っていく。
そしてやっと下り。
って、とても乗ったままだと降りられないような、木の根と岩が突き出した激坂が現れた。
通称「ためらい坂」
その名のとおり少しでもビビッてブレーキを握ると、簡単に前転するそう。
「まあなんとかなるだろう」
なんて、いつもならチャレンジして痛い目に合う私だが、さすがに無防備のマウンテンバイクの怖さは、この3年でいやというほど体験済み。
というよりこんな山のなかでケガしたら、救急車はおろかドクターヘリも降りられない。
なのでおとなしく担いで下りることに。
難所を過ぎてしばらくゴキゲンな下りが続き、また押し上げ。
「sinaさん、ここ先週走ってるよ」
オザワさんにそう言われても、走ったり押し上げたりで、景色を覚える余裕のない私は言われても分からない。
午前中の強硬トレイルがジワジワ効いて、ヒザの裏がつってきたが、まだルートは半分も残っている。
午後3時くらいになると森のなかは薄暗くて、うっかりすると隠れた岩や木の枝に、はじかれそうになる。
そんなこんなで舗装路に出てひと休み。
ここから最後のひと山を登れば、クルマを停めた駐車場に出られる。
徹夜の仕事を終えて直行、一睡もせず開拓したヤマザキさん。
朝イチのおかわりトレイルでヘロヘロのオザワさん。
写真を撮ろうとしたら、汗でスマホのカメラも曇ってしまった。
なんとか頂上に登り、ヤマザキさんが開通させた2キロほどのゴキゲンなウッズを下る。
ところどころ倒木をチェーンソーで切った痕跡が残っている。
ハンドル幅より狭いウッズでは、ハイスピードで突っ込むとハンドルがぶつかって吹っ飛びそうになるが、スピードを殺すシケインの役目として、
「そこはあえて残しました」
って。
大きな転倒もなく無事、駐車場にたどり着けた。
たぶん15キロくらいと言われていたが、気分的に50kmは走ったような。
これを毎週繰り返したら、ためらい坂もためらわず、80代でエベレスト登頂する三浦雄一郎並みの、バケモノの体力とライディングスキルが身につくだろうが、オザワさんも
「こんなつらいの年に1回でいいよ」
というし、ヤマザキさんは他にも上りたい山がいろいろあるので、毎週は走れないし、
私ひとりでは危なくて走れない(見えない分岐がやたら多いので、道も覚えられない(*_*))
この時点で午後4時。
急ぎ撤収して高速に乗って、ちょっと渋滞したけど6時半には帰宅できた。
今回は朝4時とか5時スタートでないので、渋滞する高速で睡魔との闘いもなかった。
40代でファラオラリーに行ってた頃より、間違いなく58歳の今のほうが、体力がある(はず)
それでもこれだけヘロヘロなのは、まだまだ下りのライドでビビッて、全身に余計なチカラが入ってしまうのが原因だろう。
整備されたMTBパークと違い、お山は転がる石や木の枝、倒木などで、同じコンディションが無い。
もっと余裕のあるライディングができるよう、しばらくは「オザトレ」に通って、ウデを磨きたい。