最近は関東圏に限らず、長野や山梨、群馬あたりでも、「マウンテンバイク走行禁止」の看板が増えているらしい。
ハイカーやトレイルランナーとのトラブルも多いが、城跡などの遺跡や動植物の保護が目的で、行政の指示で禁止になっているところも多い。
山のなかでハイカーやトレランの人を見つけたら、必ず手前で停まってあいさつをして、道を譲るようにしているが、なかには止まらずに走り抜けるヤカラもいるらしいので(会ったことないけど)、行政に苦情がいくらしい。
オフロードバイクと勘違いしている人もいるらしいが、高齢者が多いハイカーにすれば、バイクもMTBも同じに見えても仕方ない。
トレランの人もハイカーの横を猛スピードで追い抜いたりして(ほんとに速い人はヘタなMTBより速いので(*_*))、高齢のハイカーさんから
「ガケに落ちそうになってほんとにこわかったのよ」
なんて言われるけど、トレランの大会はすぐ人が集まるし、おカネも落とすので町おこしには欠かせないイベントなので、マイノリティなMTBやオフ車が「ワリ」を食うんだろうなぁ。
スキーと同じでそのうちMTBも、専用コースや夏のスキー場でしか走れない日が来るかもしれない(いい歳して怒られるのが本当にイヤなので、そうなったらもうやめてしまうだろうが)
自分にできることはできるだけ、ハイカーさんや地元の人を「威圧」しないように、コースでない限りフルフェイスのヘルメットはかぶらずに(一般の人からすればかなりコワいらしい)、ウェアも派手なジャージはやめて、アースカラーなど地味な服装を心がけるくらいだろう。
MTB愛好者のフェイスブックで、モンベルのサイクルパンツが紹介されていた。
ふだんはタイツのうえにMTB用のハーフパンツを履いているが、もっと普通のカッコで乗りたいと思っていたので、これはいいなと。
モンベルのサイクルタイツは持っているが、サイズがMなのかLなのか、オンラインショップでは分からない。
なので自転車でいつもの恵比寿のモンベルへ行ってみた。
お尻にパッドが付いているパンツを履いた上から、MとLを試着。
Mがちょうどいいので購入した。
よく転ぶ私なので、自分で継ぎ当てできるハギレは無いか、スタッフさんに聞いたけど無いらしい。
パタゴニアは有償で直してくれるけど、7700円のパンツで2000円も払うのはもったいないので、先日やぶれた穴を繕うときに使った、100均ショップのジャージの補修シートを使おう。
SDG‘sの世の中だし、山のなかで使うボトルも使い捨てのペットボトルはやめて、1Lの軽量ボトルを購入。
飲み口をペットボトルタイプに換えれば、すこしづつ飲めていい。
350mlのステンレス水筒は、自宅でコーヒーを淹れて、クルマでお山へ行くとき飲みたい。
土曜は去年、私のロッキーを買ってくれたアライさんが、友人のフジタさんとオザトレを走りたいと連絡をいただいていた。
午前中いっぱい登って下ってロングコースを走る予定だが、先々週痛めたアバラがまだ治っていないので、今回は辞退した。
舗装路を外れて山奥に入るので、もし転倒やガケ落ちでさらにアバラを痛めても、すぐエスケープできないし、せっかく遠方から走りに来た人たちに申し訳ない。
なので土曜は先日出会った69歳のヒラノさんを誘って、今回もスガワラじ~じのバイクをお借りして、海までツーリングすることに。
朝8時半にじ~じの自宅に集合
「船舶免許の更新で朝からいないから、勝手に乗っていいよ」
と言われていたが、ちょうど出かけるところでお会いできた。
左が79歳のじ~じ、
右のヒラノさんは「まだ69歳」なのに、じ~じよりヨボヨボして見える。
前回は京浜島までのショートツーリングだったが、今回は第三京浜と横横道路を使って、湘南まで行くことに。
たぶんETCは付いているだろうけど、よそ様のバイクなので現金で払うヒラノさん
すっかりETCに馴れてしまった今は、料金所でいちいち停まって財布を出して.....
なんてのが本当に面倒に感じてしまう。
そして保土谷のパーキングエリアに到着して、ホッとしているヒラノさん
前回の「一般道を最高時速50km/h」よりは、70キロ出して速くなったけど、一番左側の走行車線でバックミラーを見ると、バイクの後ろが渋滞していた(*_*)
「せめて80キロは出さないと、そのうちあおられるよ」
とお願いしたけど、
「風圧がすごくて」
「ハンドルの振動で手がしびれて」
って
調べたら1965年には全線開通しているので、ヒラノさんが高校生だった50年前はもう走れたはずだが、
「覚えていない」
そう。
そしてこの日はなぜか「スズキの旧車祭り」状態。
RGガンマ500や初期型GSXR750,、GT380などに交じって、一番手前はタンクに「テンプター」と書かれた、見たことのないバイクが。
直立した単気筒なので、英国車かな?とも思ったが、
「これどこのメーカーですか?」
とオーナーに聞くと、
「スズキのテンプターっていうんです」
との答えが。
1997年発売だったが、オーナー曰く
「ほんとに不人気車でたぶん500台くらいしか、売れなかったみたいです」
とも。
「ブレーキレバーのスペアが無いので、転んで折れたら廃車かも....」
「前後ドラムでブレーキ効かないし、キックが無いのでバッテリー上がったら押しがけです」
社外のブレーキレバーが使えないかと思ったが、
「ダブルリーディングドラムなので、ワイヤー二本引きのレバーが無い」
などデメリットは尽きないようだが、それでも乗り続けるの?の問いには
「愛着があるので廃車まで乗ります」
とのこと。
私のような門外漢からすれば
「永久にパーツが出てきそうなSRのほうがいいのでは?」
なんて思ってしまうが、ネットで見ても「蓼食う虫も好き好き」じゃないが、オーナーたちの愛着ぶりがうかがえる
私のなかでテンプターといえば、往年のGS「テンプターズ」の、ドラムのオオグチさん。
テンプターズ解散のあと、俳優やったりアパレルのデザイナーや、バンド組んで音楽活動したり。
知り合いがオオグチさんがやっていたアパレルメーカーの番頭で、会社に遊びに行ったときオオグチさんを紹介された。
社長室ではストーンズが大音量で流れていて、
「あっLET IT BREED」
と言ったらオオグチさんから
「キミ、ストーンズ好きなの?」
と言われ、そのあとはず~っとストーンズバナシで盛り上がった。
夜中にベロベロに酔ったオオグチさんから電話が
「西麻布のレッドシューズにいるから来い」
って。
お店のドアを開けると、タバコじゃないケムリと匂いが漂っていて、去年コロナで亡くなったアランメリルや、なんかカッコいいおじさんたちが「泥酔」、というかハイになっていた。
そんなおじさんたちを当時乗っていたポルシェに乗せて(たしか6人(*_*))、それぞれの自宅に送り届け、最後にオオグチさんの家に着くと、奥さんのキミエさんから
「いつもごめんね」
と謝られた(奥様は{揺れるまなざし}の真行寺君江さん)
オオグチさんもアランも萩原健一さんもムッシュかまやつさんも、みんな死んじゃったけど、きっと「あちらの世界」でセッションやりながら、みんなでハイになってるんだろうなぁ.......
そして横横道路~逗葉新道を経由して、葉山の森戸海岸に到着
横横道路はがんばって80キロまで出したけど、高速ではやっぱり後ろが渋滞していた(*_*)
「もう緊張でノドがカラカラです」
って。
「緊急事態宣言中なのに江の島は観光客で混雑中」なんてニュースを見たが、ここまでくると人出もまばら。
東京から約60km、ソロツーリングなら1時間で来るところ、2時間以上かけてなんとか到着。
かなりグッタリだけど、達成感あふれる表情のヒラノさん
コーヒー好きなヒラノさんのために、コーヒーセット一式持ってきたけど、肝心のガスコンロ忘れてしまった(*_*)
しかたなく缶コーヒー買って乾杯。
そして帰り。
今の時代にETCが使えず現金払いの逗葉新道。
案の定、海から料金所まで長い渋滞が発生。路肩をすり抜けて走るバイクを横目に、すり抜けできないヒラノさんと私は、炎天下の下ひたすら待つ。
渋滞と暑さでXL230がエンジンストップ。
オーバーヒートしたらしい。
しかたないので広い路肩でエンジンを冷やすこと、数回。
なんとか料金所にたどり着いた。
この時点で12時。1時間以上渋滞にハマっていた。
あとは高速で帰るだけ
と思ったら、横横道路に乗って1キロで、またエンジンストップ。
側道でまたエンジンが冷えるのを待つこと20分、
「これでダメならJAF呼ぶか」
と思ったら無事かかった。
なんか吹っ切れたのか、90km/hまで出すヒラノさん。
50年ぶりにバイクに乗って、しかも高速走行もして、エンジン止まってドキドキハラハラ。
もうぐったりのヒラノさんだけど、一日でいろんな経験したせいか、なんかスッキリしている。
ふたりでコーヒー飲んでると、トイレのほうから見知った顔が歩いてくる
「パ、パパイヤ先生?!」
なんと世田谷で接骨院をやっていた、パパイヤ先生だった。
学生時代の先輩がやっているロシアンクラブの二号店を、歌舞伎町にオープンしたのが3年前だったか。
こちらも盛況だったみたいだけどコロナの影響か、風の便りで「閉店した」と聞いたきり、はや1年。
まさかこんなところで会えるとは?!
コロナで雲行きが怪しくなったとき、お店の常連さんに店を売却。
いまは別事業を始めて、こんな時期だけど盛況らしい。
街で会ったら50mは遠回りするほど、いかつい顔と体形だけど、オリンピック選手を何人も輩出した、某有名高校の柔道部出身で、ガンズ&ローゼズとコルベットをこよなく愛するパパイヤ先生(ダンサーのパパイヤ鈴木にそっくりなので(^-^;)
「コルベットは?」
と聞くと
「ありますよ」
って。
あとで送ってもらった写真がこれ
「フォードVSフェラーリ」で有名になったシェルビーが作った、ACコブラのレース連勝を阻むため、GMが生み出したモンスターマシンがこのコルベットC2、別名「マングース」(やっぱりコブラにはマングースでしょ(^-^;)
汎用のエンジンを載せて見かけだけ真似した「レプリカ」ではなく、アメリカのファクトリーが廃車になったまま現存するC2のフレームから、フレームナンバーを再登録し、イチから作り直した正真正銘のモンスター。
1年以上かかってできたマシンをやっと輸入して、乗ろうと思ったらとても街なかを走れるシロモノじゃなかった話は、以前書いた。
ヤフーブログが終了したので、細かいところは見られないけど、youtubeで迫力は感じられるかと。
この日はお嬢さんと鎌倉にドライブした帰りらしいが、ここに来るのが1分早くても遅くても、今日の再会はなかったはず。
オーバーヒートの休憩があったからこそ、会えたことを神様に感謝したい。
ほんとうは朝イチで海に行って、お昼には帰るつもりだったけど、パパイヤ先生にも会えたし、急ぐ用事もない。
あいかわらず時間があれば、都内のバイク屋巡りをしているヒラノさん(でも見るだけで試乗は絶対しないそう)
せっかくなので私と30数年の付き合いの、大森のバイク屋さん「オートサロン オギヤマ」にお連れした。
70年前、先々代が大森で自転車屋さんを開業した。
先代の社長はバイクにも自転車にも興味がない、バリバリのビジネスマンで、40数年前のバイクブームのとき
「これからはバイクの時代だ」
と環七面にビルを建て、当時流行った原付スクーターや、ホンダヤマハなどのスポーツバイクを、大量仕入れ大量販売で一気に売り上げを伸ばした。
その後バイクブームが去ったあと、今度は電動ママチャリが大ブームに。
私も娘が生まれたとき、電動ママチャリをここで買ったが、大量仕入れ大量販売のスタイルは変わらず、地元のイトーヨーカドーやイオンより売りまくっている。
30年前のバブルのころ、ゴルフが大好きな先代社長に誘われて、何度もバリ島へ行ってゴルフをやった。
先代社長が友だちに連れられて行ったバリのゴルフ場で、たまたま一緒の組で回った、バリ島でホテルを経営するオーストラリア人が、カラダが小さいのにボールがよく飛んで、ゴルフの上手い社長を気に入って、
「オレのホテルは日本人は泊めないけど、オギヤマとそのフレンドは大歓迎だ」
と私も言われた。
奥さんや地元の仲間と何度もバリ島へ旅行するうちに、ゴルフを通じて政府高官と知り合い、インドネシアでは税金がバカ高い、ハヤブサやニンジャ、ランクルなどを安く輸出してあげているうちに、いつのまにかバイク屋ではなく、「総合商社」になっていた。
今は三代目の息子が社長になって、先代は多店舗化した電動ママチャリのほうで、70代の今も店頭に立っている。
そんなことでここには、他では売っていないバイクがたくさんある。
インドネシアのペインターに特注した、世界に一台の「ケニーロバーツ」カラー
こちらもなつかしのRZ250カラー
驚きなのはこの価格
最近はリターンライダーが増えたせいか、ヒラノさん曰く
「国産車は中古でも50万でも買えない」
らしいが、これは新車で45万8000円。
試乗させてもらったが、1250とは比較の対象にならないけど、街乗りならこれで十分のパワーと走りだった。
こちらはむかしなつかしのイタリアのベネリの、250cc単気筒ツアラー。
40年前のベネリは、ドカやモトグッチと同じくらい高級スポーツ車だったが、ドカやグッチのようにうまく方向転換できず、いつの間にか忘れられていた。
10年ほど前に中国企業に買収されて復活。
往年のベネリを知る人には、「ベネリと言えば4気筒」かもしれないが、開発コストを考えるとシングルかツインがちょうどいいんだろう。
やはり驚きは新車で50万を切る安さ。
こちらは250ccの2気筒ネイキッド
こちらは589000円だけど、それでも新車でこの価格はおどろき。
こちらもベネリ250cc単気筒のスクランブラー
フロントマスクはハスクバーナっぽい?
ツインとシングルを試乗させてもらったが(私が乗っても仕方ないのでヒラノさんにすすめたけど、路上教習のCB400で立ちゴケしたのがトラウマで、遠慮して乗らないって(*_*))、ツインに比べてシングルは30kgも軽く、先に乗ったヤマハの155ccより明らかにパワーもあるので、私がもし買うならこのスクランブラーだろう。
カラーリングもシックな黒が、シニアライダーにはいい
ヒラノさんが最初に欲しかったやつ
このブルーのカラーはインドネシア製だけとか。
インドネシア仕様は5psアップらしいので、オギヤマでもマニアなお客さんに頼まれて4台入荷。価格は100万くらいするらしいが完売しているそう。
こんなのもある。
プジョーのスクーター
プジョーってバイクも作っていたんだ。
パチモンかと思いきや、ちゃんとライオンマークが
プジョージャンゴ 中国製だけど35万は安い。
むかしは中国製というとあやしいイメージだったけど、私のMTBはヤマザキさんが中国から個人輸入した、パーツがふんだんに使われていて、壊れないし価格も安い。
50年前の日本製品が欧米から、「安かろう悪かろう」と言われたのに、あっというまに追い越したことを思えば、もう日本製は追い越されたと思わざるを得ない。
アフリカツインカラーのホンダADVも(となりはロッシカラー?)。
シャレでインドネシアに特注して、塗装させたそう。
現社長のカズくん曰く(子供のころから知っているので(^-^;)
「ウチの強みを生かして他では扱えないバイクを売っているので、地元の人よりネットを見て買いに来る、遠方のお客さんが増えました」
とのこと。
北海道や九州の場合、契約から納車まで一度も、お客さんの顔を見ないことも多いとか。
顔はつないだので、次回はぜひヒラノさんに試乗して欲しい。
そして菅原邸に到着
ここが最後の難所(左のシートのなかはBMW650)
乗っていけばラクなのに、律儀に押して抜けるヒラノさん
一日バイクに乗ってほんとうに、精も根も尽きた様子
このXL230,キャブをXRのレーシングキャブに換装、エアクリーナーでなくファンネルにしているので、アクセルを開けて走らないと機嫌が悪くなるので、ビギナーにはそもそも乗りづらかったかも(^-^;
でも一度つらい思いをしておけば、次同じことをやっても、苦も無く乗り越えられるはず。
あとで聞いたらヒラノさん、69じゃなくてまだ68歳だって(たいして変わらねーよ^-^;)
いずれにしても79歳のじ~じがあれだけ元気なのを見て、かなりショックを受けていた。
定年後にやることがなくなって、コロナも追い打ちして、引きこもりの高齢者(特に男性)が増えているらしい。
ヒラノさんもその予備軍だったのが、なぜかバイクに目覚めてしまい、今は少年のように目をキラキラさせている。
今日でバイクがイヤになるかと思ったら、
「ぜったい買います!」
って。
体力的に250ccなんだろうけど、なにを買ってもいいので、また海を見に行きましょう\(^o^)/