モンゴルやファラオを一緒に走った、ラリー仲間のヤヒロサン。
彼が年末に「衝動買いした」、ドカティのデザートX でやってきた。
家業を継いだけど忙しすぎて、バイクに乗る時間がなかなか取れず。
そのストレスからロータスエリーゼを買ったり、ハーレーを買ったりゴールドウィングを買って、休日に峠を攻めたりしていたけど、やっぱり物足りない。
無理やり時間を作ってKTMの250EXC(2st!)で、MⅩコースや林道を走るのが、一番ストレス発散になるそう。
そんなヤヒロさんから12月にメールが
「デザートⅩってどうなんですかね?」
最新のアフリカツインやKTMなどは、ガンダムのようなデザインばかりで、おじさんの「心の琴線」に1ミリも響かないけど、これは往年のパリダカマシン、「カジバエレファント」を彷彿とさせるデザインが気になっていたので、
「買ったら乗らせて」
と冗談交じりに返信したら、試乗してあっというまに契約~(@_@)
彼が試乗したのは本国仕様の、足長タイプ。
試乗した日は土砂降りだったらしいけど(フツーは試乗しないよね(^-^;)、
カッパを着込んで乗るところに、ヤヒロサンの「本気度」がうかがえる。
雨にもかかわらずそのグリップとパワーに、ひとめぼれ。
これから入荷するモデルはチビッコ日本人向けの、25mm低い「ローダウン仕様」で、彼のように本気でダートを攻めると、たぶんサスが底付きする。
「足長モデルの国内在庫はこれが最後の1台」
と言われ、その場で即決したそう。
これは90年パリダカで優勝した「92」オリオリ、3位の「91」ペトリ、「93」アルカロンスが、ゴールのダカールの海岸で撮ったもの(たぶん)
このころはバブル全盛期で、パリダカを生中継していたらしいが、私は毎晩六本木やギンザの「夜の東京砂漠」で、朝までスタックしていた。
おかげでパリダカの「パ」の字も知らなかったけど、このマシンに憧れてカジバエレファントを買った人も多かった。
私のなかでは「カジバ=オリオール」なんだけど、
87年のパリダカ
ホンダのヌブーとカジバのオリオールによる優勝争いは、ダカール手前のサンルイまで決着がつかず、オリオールが木に激突して「両足骨折リタイア」という、衝撃的な結末だった。
98年のパリダカにカメラマンのシューセイさんとプレスで参加したとき、当時オーガナイザーだったオリオールとの出会いは、以前書いた。
パリダカにプレスで行ったのに、オリオールも知らなかった私。
足を骨折して松葉づえの私を見て
「オレも両足骨折したんだぞ」
って言われたけど、当時はなんのことか分からなかった。
片足折れてもかなり痛かったのに、両足骨折しながら走るって想像できない。
この丸目のライトもいい感じ
アウディカラーのブラックもあるらしいけど、こっちの白のほうがラリーっぽくて好き。
さっそく試乗。
ディーラーでちょこっと走ったぐらいでは、なにも分からない。
私はドカを借りて、ヤヒロサンは私のGSで、向かった先は中目黒のイタリアン「バッチョーネ」
GSを手放してからずっとバイクを欲しがっていた、オーナーのコジマさんに「見せびらかし」
シートが高いので172cmの私は、信号待ちで両足ツンツン
発進するときエンストしたら、間違いなく立ちゴケするので、慎重かつアクセル開け気味で発進。
日本の予約はローダウン仕様がほとんどというのを納得した。
GSよりはるかにスリムだし、単気筒でなく2気筒なので、ちょっとアクセル開けるだけで、グイグイ加速して楽し、もとい、危ない。
コロナ前からお店の半分を「生ハム屋」にしているので、ランチはやっていないと思ったら、
「ランチやってますよ」
って。
本当に久しぶりにバッチョーネでランチを食べられた
コジマさん、ムルチストラーダをディーラーで試乗したらしいけど、長年立ち仕事をしていたせいかヒザが痛くて、ムルチも重くてあきらめたそう。
こっちのほうが軽いけど、納車1カ月ながらもう林道で何度も倒して、タンクを凹ませているヤヒロさん曰く
「倒すとGSより起こすのが大変」
らしいので、残念ながらコジマさんには無理だろう。
そしてつぎはマックスフリッツへ。
下道でもよかったけど、夕方から雨の予報なので渋谷から首都高に乗ったら、これが大正解。
車高は高いのにロードバイクのような接地感があり、アクセルを開けるとグイグイ加速するし、ハンドリングもヒラヒラと軽快で、気持ちよくてずっと乗りたい感じ。
ヤヒロさん曰く
「スポーツモードだと軽くフロントが浮く」
のもうなづける。
本当に久しぶりに
「これ欲しい!」
とマジ感動した。
そしてあっというまに葛飾のマックスに到着
女性店長さんと女性スタッフに
「デザートⅩだよ」
って言ったら、
「ちょうどさっき話題にしていたんです~」
と、お店を飛び出してきた。
オーナーのサトウさんも
「鳥栖店の店長がこれ買って、毎日SNSに写真をアップしているんだよ」
って。
オフローダーでもなんでもなかった人が、突然デザートⅩを買って、ラッキーストライクカラーにして乗りまくっているそう。
ライディングモードもレインやラリーなど6種類もあるのに、こんな小さいディスプレイに収まっている。
速度はデジタル表示、回転計は「針」なところもレーサーっぽくて、おやじゴコロをくすぐる。
直線的なデザインのバイクが多いなか、タンクもリアフェンダーも丸っこいのが、おじさんたちのハートに突き刺さる。
ノーマルタイヤは「なんちゃってブロック」なので、マディなダートは走れないとか。
ミシュランかピレリのブロックタイヤに履き替えたいけど、サイズが無いらしい。
林道でコケてクラッチレバーが折れているけど、純正は3万円!!
オフロードバイクなんだからレバーは消耗品なのに、いくらガイシャでも高すぎるだろ。
指2本はかかるのでなんとか乗れるけど、安い社外品で合うのを探しているそう。
「サトウさん、買っちゃうんじゃないの?」
ってくらい興味津々のサトウさん、
こんなに食いつくサトウさんを、店長さん含めみんな驚いていた。
(「60肩が痛くて乗れない」って言うけど、ロードの100RSで、林道をGSあおりながら走っちゃイケマセン)
そして雨も降り始めたので、なにも買わずに退散(すみませんm(__)m)。
身長180cmのヤヒロサンなので、足つきも余裕。
エンデューロのケガで何度もひざを痛めているので、「シートが低い」GSはひざが曲がってつらいらしい(私には全然低くないけど(*_*))
女性客の予約も多いらしいが、来月以降の入荷は未定とか。
ウチは置き場も無いし、バイクは「営業車」なのでビーエムじゃなきゃダメ。
(ドカティなんて日本の高齢者は誰も知らないけど、ビーエムのマークはだれでも知っている(@_@))
なので買わないけど、KTMのLC8とかアフリカツインより(GSより)、オフを走るならこっちのほうが絶対「買い!」の一台です。