R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

落とし物

土日は菅平でポールレッスンの予定だったけど、「雪が無い」とのことで中止に。

このところ「毎週スキー三昧」だったので、急にヒマな土曜日だけど、奥さんも娘も出かけてしまい、自宅4階の事務所で片付け仕事。

と、そんなとき専門学校時代の同級生で、長崎のタナカ君から電話が。

仕事で東京に来たけど予定がキャンセルになり、時間があるので会いたいとのこと。

こちらとしても願ってもないことなので、自宅近くの商店街でランチ

先日ニュースで高校バレー強豪校の監督が、生徒を平手打ちする動画が出て、監督は辞任したらしいが、私とタナカ君はここの専門学校「日本航空学園」の出身。

飛行機の整備士を養成する2年制の学校で、日本中から飛行機好きの学生が集まっていた。

普通高校出身の私は飛行機になんの興味もなかったけど、4年制の大学は時間の無駄と思っていたので、幼なじみに誘われて一緒に入学した。

当時の教官はほぼ全員が自衛隊あがり。

40年以上前なので戦争生き残りの「鬼教官」もたくさんいて、毎日1回は殴られていた。

女生徒は一人か二人で、生徒のほとんどが工業高校出身者のなか、男女共学の普通校で過ごした私だったけど、楽しかったことのほうが多かったかもしれない。

タナカ君は長崎出身で、卒業後は地元の海上自衛隊に就職し、長年現場でヘリの整備士をしていた。

2010年にヘリ空母「いせ」が竣工したとき、3年間単身赴任で建造に関わったタナカ君から、横須賀港での竣工式に誘われた。

 

まだ3歳の娘を連れて乗艦させてもらったが、当然娘は覚えておらず。

当時は「民主党政権

昔からかなり「社交的な」彼は、自衛隊でも異色な存在。

「このあと野田総理を乗せて相模湾クルーズの、オレ司会なんだよ」

と映画に出てくるみたいなまっさらな制服を着て、ボヤいていたのを思い出す。

 

当時は55歳定年の自衛隊、そのまま関連企業へ天下りもたくさん声がかかったらしいが、もう関わる気が無いので、あえて未経験の地元の建材会社に就職。

大工仕事や営業、現場監督など、文字通り寝る間を惜しんで仕事して6年。

今では県内でも指折りの企業に育てたのは、タナカ君の力が大きい(たぶん)

61歳の今も日本中を飛び回っているらしく、この日は都の依頼で新島へ、建築現場の下見だったが、波が荒くて欠航になったらしい。

 

60になりどんどん仕事を減らしている私と、対照的な彼。

だれもやらなければ自分でやってしまう性格なので、今では社内や取引先も

「タナカに任せれば安心」

と思われているようで、本当は管理職の年齢ながら、全国を飛び回っているらしい。

せっかく仕事を覚えた若手が、つぎつぎと他の会社に転職(引き抜かれて)してしまうので、タナカ君のあとが育っていないけど、社長にいくら言っても分かってもらえないのが悩みとか。

いっそ一週間有休を取って、会社がどうなるか見てみたら?

と言ってみたけど、

「タナカがいるから取引するけど、あんたが辞めたらウチも手を切るって取引先が多いから、オレが休んだら会社が回らない」

そう。

世の中には仕事が無くて困っている人がいくらでもいるので、まわりから頼られるのはいいことだけど、もし彼が倒れたらどうなるか....

 

大阪の同級生が「出張」と称して東京に来るとき、かならず1泊して同級生たちと飲んでいる話をしたら、いつも日帰りなので次回は泊りで来るよって。

 

そして夜、「こわい映画が観たい」という娘のリクエストで、まずは古典の「シャイニング」をアマプラで

部屋も暗くしてビビりまくり

こんなかわいいダニー坊やが、40年後にこんなおじさんになっていることに、妻も娘もショックを受けていた。

つぎは「エルム街の悪夢」を見せたいけど、たぶんお風呂に入れなくなるような。

そして日曜日、自宅上の賃貸マンションの借主さんから、「通路に知らない荷物が置かれている」と連絡が。

開けてみると大量のビールと午後の紅茶

だれかが「配達」したらしいけど、連絡先が書いていない

となりに小さい公園があり、桜の木が1本だけ咲いているので、

「ひょっとして2階に住む若い女性が、友達を呼んで花見しようと思ったのかも?」

と彼女にメールしたら、

「知りません」

って。

ほかの住人に聞いてもだれも知らないというので、いったん預かったけど、

注文した人も配達した人も、普通なら困って取りに来ると思うけど、だれも来ず。

なんとなく気持ち悪いので近所の警察署へ「落とし物」として届けた。

ここに来るのは3年前、今は家族のネコが迷子で来たとき、「落とし物」として来て以来。

SNSに載せたら知り合いから

「飲まないならもらいに行くよ」

って問い合わせがたくさんあったけど、じつは20年以上前、長野の実家の近くで「毒入りウーロン茶殺人事件」があったのが、トラウマになっている。

mikaiketsux.web.fc2.com

地元のスーパーで買ったウーロン茶を飲んだ人が死亡。

缶の底に小さい穴をふさいだあとがあり、調べたら青酸カリで未解決事件になっている。

ほかにも自販機の上に置かれた飲み物を飲んだ人が、毒物で亡くなったりしているので、うかつに手は出せない。

警察で「3か月後に{落とし主}が現れないとき、どうしますか」

と聞かれたので、

「放棄します」

と答えたけど、近所の警察署でなく飯田橋の遺失物センターまで、わざわざ引き取りに行かなければならないのも、正直面倒くさいし。

 

放置自転車を引き取りに来ない人が多いと、以前センターの人に言われたけど、不便な保管所まで行って数千円の罰金を払うより、新しい自転車を買う人が多いことに、モノを大事にしろと言われた育った昭和のオヤジは、強い違和感を覚えるけど、今回のビール事件も同じことなのかな。

いまは「落とし主」が早く名乗り出てくれることを祈ります。