R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

入院して思ったこと

さまざまな検査を経て、予断を許さない状況は過ぎたとの医師の判断により、昨日からトイレもシャワーもOkに。
重症患者の病棟から今日、一般病棟に移動が許された。
 
この病院は脳外科がメインなので、脳梗塞など脳に障害のある患者が多い。
ほとんどが自分の親のような高齢者だが、昨日まで隣に寝ていた人はまだ37歳で、脳梗塞になったという。
自分も今年50歳、もはや他人事ではないことを、今回の入院で実感した。
 
入院したのは15年前に足を骨折して以来だが、あのときは自力でトイレにも行けたし、回りの患者も同年代が多く、なぜか毎日楽しかった。
 
今回ここに入院した当初は、集中治療室の次のレベルの部屋だったので、6人部屋の寛恕のうち自力で食事ができる人は私だけだった。
人工呼吸器をつけた人、自力で「痰」が出せず定期的に吸引してもらう人.........
 
皆さん熱があり体温が高いので、設定された室温も25℃と低く、下界は熱帯夜らしいが半そで短パンでは布団をもう一枚かけないと、とても寒くて眠れない。
 
リハビリ室には車いすの高齢者があふれているが、歩行訓練できる人はまだよいほうで、ほとんどの人は手足を動かす練習か、なにもせずじっと座っているだけ....
 
3年前、父親が入院したとき、半年寝たきりでガリガリにやせた父のリハビリに立ち会ったが、おなじように歩行訓練の平行棒の前で最初の一歩が出せず、立ちすくんでいたのを思い出す。
 
一所懸命生きてきて最後にこれでは、もうがんばる気力も無い。
介護士に促されていやいや手の指を動かすリハビリをしていた、90歳のおじいさんのぼやきが聞こえてくる。
 
ベッドに寝たまま「しびん」で用を足すのも、初めての経験。
普段立ってすることが横になると、頭で命令してもなかなか出てこない。
 
ウンチも同じようにするらしいが、2日間食欲がなく、こちらはお世話にならずに済んだ。
 
今回のけがは「頭蓋骨骨折&急性硬膜外血腫」、
ネットで調べると頭蓋骨の骨折により骨と脳の間の硬膜に血がたまり、ひどいときは脳や神経が圧迫されて呼吸ができなくなったり、視神経やいろいろなところに障害が残るらしい。
 
不幸中の幸いで今回はそこまでにはいたらなかったが、ここにはフランケンシュタインのようにつぎはぎだらけのあたまの人や、こん睡状態の人が目の前に大勢いて、他人事とは思えない。
 
今日移ってきた一般病棟は、そんなリハビリを経て地獄から生還した人ばかりで、この時間でも穏やかな寝息を立てている。
 
私はといえば午前と午後リハビリ室でエアロバイクをこぎまくり、唯一の楽しみの食事の時間までに、腹をすかせることに腐心している大ばか者だが、生かされたこの命、もっと大事にしなければと、見舞いに来てくれた妻と娘をみてそう思った。