R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

グラミス

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「サハラ自動車探検隊」でいっきにオフロードに目覚めた私だが、当時オフの知り合いは誰もいない...。
当然mixiもないしネットもない(いまだにmixi知らないし)。
当時は水曜休みだったのでオフ好きな人を紹介されて、

「週末走りに行こう」

と誘われても休めない...。
なので火曜夜、仕事が終わってバイクにキャンプ道具を積んで、一人で山に行っては真っ暗な林道をトコトコ走っていた。
適当な場所を見つけてテントを張って、お湯を沸かしてカップラーメンを食べて、星空を見ながら寝る。
これだけで気分はパリダカ。シアワセだった。
転んでちょっと血が出ても、

「お~血だ~」

となぜか感動したり....。


その後もいろいろな人と知り合い、

「一泊ツーリングに行こう」

とか

「日曜のレースに出てみない?」

等々誘いを受けつづけ我慢も限界に.....。
だったら自分で会社をやれば好きなときにバイクに乗れると、15年前に独立した。

それからは誘われるたびどこでも行くようになり、劇的に知り合いが増えた。
そんなときあの「屈辱のロシアンラリー」で知り合ったIさんから、

アメリカのグラミスの砂漠に行かない?」

と誘われた。
「砂漠=パリダカ」という甘い響きに、グラミスがなにかも知らず二つ返事でOK。


カメラマンの山田シューセイ氏が主催する「GNC」(グラミス・ナビゲーションチャレンジ)は、レースではないけど何のバックアップも無い中で、砂漠を走るスキルが身に付くと、「パリダカを目指す人の登竜門」として有名だったらしいけど、そんなこと知るよしもない。


アメリカとメキシコの国境にある「グラミス国立公園」は、日本人が想像する「公園」を遥かに凌ぐ半径100キロの広大な砂漠で、写真と違う大きさに言葉も出ない...。


毎日テント泊で食事はメキシコのスーパーで買い込んだ、豊富な食材をキャンパーで調理して、朝は砂漠を見下ろしながら、夜は星空の下で食う。

アメリカとメキシコの国境は、アメリカからメキシコはほとんどフリーパスなのに、メキシコからの入国は銃を持った国境警備員に

「ほんとうに日本人か?」

と問い詰められ、毎回ドキドキだった。


日中はとにかくデューン三昧、

延々と続く高さ数十メートルの砂丘や、何十キロも続く天然のウォッシュボードを走るうち、自分が上手くなったような錯覚に。


デューンの下りはアクセルを閉じると前転するので、ビビリながらもアクセルを開けていっきに落ちていく...。
登りは

「このまま後ろにひっくり返るのでは?」

と思うくらい垂直な「壁」を、青い空めがけて延々とアクセル全開....。


本当に贅沢でプライスレスな一週間。
この経験がモンゴルでミスコースして、ゴビの大砂丘群に迷い込んだときも、

「グラミスに比べればたいしたことない」

と迷わず走ってしまった由縁。

写真はデューンの頂上で。

はるか彼方までデューンが続いている。
一応「公園」なので、お気楽なアメリカンライダーが、Tシャツ短パン&パドルタイヤで走り回ってる(アメリカは決められたパーク以外で、オフロード車は乗れないとこの時知った)
キャメルバッグを背負って、くそ暑いなか「フル装備」の我々を「クレイジー」って。
砂丘を大ジャンプ&クラッシュして、全身血だらけで笑ってるおまいらこそ、よっぽどクレイジーでは?

シューセイさんもバイオディーゼルランクルに乗って、世界一周やアドベンチャーレースの取材で、相変わらず世界中飛び回ってるみたいなので、グラミスはなかなか開催されないようだけど、本当の砂漠のラリーを目指す人がいれば、

「ラリーよりもっと究極のフリーライド」

ぜひ開催&参加して欲しいと思う。


でも彼のような「ボーダーレスな地球人」は、日本にはなかなか現れない。
突然電話があって

「南極、歩きに行かない?」

とか。
フツーの人は行けませんてば、シューセイさん...。

http://biodieseladventure.com/japanese/
シューセイさんのHP↑ あいかわらず自由人