昨日は春一番が吹き荒れるなか、「こんな日はやっぱり自転車だろう」と、渋谷方面へ仕事で出かけた。
自転車でお山になかなか行けないので、せめて都内を走るときくらいは坂道を上るようにしているが、大崎郵便局から目黒駅まで200mの上りが、今日は春一番の強風が向かい風でなかなか前に進まず、いい感じ。
一瞬だが心拍数も上がった。
恵比寿で日本レーシングマネジメントに顔を出すと、ダカールから帰国したメカのスーさんと、テルちゃんのナビのS君が1階作業場で仕事をしていた。
今さらだがお互い「あけましておめでとうございます」と挨拶をかわす。
これもここでは毎年のことか。
2階の事務所にお邪魔すると、
おっじ~じ、おかえりなさい
テルちゃんもスタッフのT君もみんな勢ぞろい、
南米の陽に焼けて、元気そうだった。
30年前パリダカにホンダ250で初出場したじ~じも、感慨深いものがあったようだ。
3月9日(土)にはお台場ビッグサイトで、今年も報告会が開催される。
HRCからは二輪部門総合7位の、エルダー・ロドリゲスも来日予定。
ホンダが参戦するモトGPは、年間100億円以上かかるそうだが、世界的にバイクが売れない今、投資に見合う見返りは少ない。
ならばと新天地を巨大市場である南米に求め、ダカール再挑戦へ舵を切ったホンダの戦略は、正しい気もする。
ただじ~じ曰く、「アフリカに比べて何倍も難しいので、プライベーターが完走するのは大変ですヨ」。
たしかにSSER主催のラリーモンゴリアで常勝軍団のモンゴル勢が、ダカールでは完走もできないことを思えば、その難易度は容易に想像がつく。
それでも世界中から新しい人たちが大勢エントリーしているのだから、「われこそは!」という人は挑戦すればいい。
じ~じがドライブする1号車は、毎回ニューエンジンの「走る実験台」。
パワーやトルクがアップしていたり、インジェクションになったりと、データ上の性能は向上しているはずだが、
18日間8000キロの過酷なラリーで、テストコースでは現れなかった不具合が次々と発生。
今回もオーバーヒートやタイロッドの破損、インジェクションの不調など、毎日トラブルのオンパレードだった。
「インジェクションのデータを高地用に書き換えると、標高4900mからいっきに下ったら、全然走らなくて困ったヨ」
見渡す限りの大平原なのに、30km/hしかスピードが出せず、後ろから100km/h以上で抜いて行ったカミオンのドライバーが、先に到着していたテルちゃんに、「お前のオヤジは歳で疲れたらしく、トコトコ走ってたぞ」って言われたとか.....
フカフカの深いサンド路面で後続車とぶつかり、砂ぼこりが「もうもうと」舞い上がるなか修理をしたときは、「一生分のホコリ吸ったよ」......
今年は後半の砂漠のSSが続けてキャンセル。
後半で順位を上げる作戦だったテルちゃんには、10Lクラス4連覇といえ総合10位内の入賞ができず、不本意だったのでは?と聞くと、
「排気量2万CCクラスのカミオンが70台走るなかで、8000ccのレンジャーは30位くらいが妥当なところ。
それを毎年がんばって総合10位内にするのが、どれほど大変なことか。なので総合19位でも大健闘です」
昔はタトラやカマズ、マンなどヨーロッパのカミオンは、見た目もやたら巨大だったが、近年、排気量はレンジャーの倍はあるのに、ボディを小型軽量化して、トップスピードはレンジャー180km/hに対し、230km/hオーバーというモンスターばかり
2万ccのレンジャーはありえないので(あったらすごいが)、チームスガワラにできることは、事前にコースを予想して地形や路面を研究し、誰もが嫌がる難所であえて仕掛けて前に出る。
18日間その繰り返しをするしか、非力のレンジャーが順位を上げる方法はない。
それでも日野自動車は3年計画で新型を開発、投入するらしいので、3年目の来年はいやでも期待してしまう。
娘も画面のじ~じとテルちゃんを見て、
「あっパパ、じ~じだよ~」
「てるちゃ~ん」と興奮していた。
(でもテレビでどこかのおじいちゃんが映ると、「これ、すがわらのじ~じ?」って聞くので、ただの条件反射か?)
ミヤゲバナシは尽きないので、またゆっくり伺いたい。
とりあえずおかえりなさい。おつかれさまでした。