カフェしなの

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スウェーデンのハマちゃん

娘の遠足が中止になった翌土曜日。
スウェーデン4デイズエンデューロで毎回世話になった、ミカエルがやってきた。
 
彼は「sandvic」というスウェーデン有数の、工作機械メーカーの社員。
今回は東北の日本のメーカーへ、工作機械の搬入とオペレーションのため、2週間の予定で1週間前から来日中。
その合間にはるばる新幹線に乗って、会いに来てくれた。
 
彼と会うのは2008年の4デイズに行って以来。
「日本に来ることがあったら連絡して」の約束が、5年越しで実現した。
  
銀座のホテルに泊まっている彼と同僚のヨハンを迎えに行き、5年ぶりの再会。
ホテルのロビーで彼と「熱い?」抱擁をしたとき、なつかしくて思わず目頭が熱くなった。
 
台風一過の東京の夜はかなり寒く感じたが、やっぱりミッケは半袖Tシャツ。
寒くないのか?と聞いたら、
「日本は暑いね、スウェーデンはもうマイナス15℃だよ」って............
 
新橋から山手線に乗る。
日本が初めての二人は、次から次にやってくる電車を見て、目を丸くしていた。
 
日本の電車路線は複雑なので、私もよくわからない。
なので日本語の分からない彼らが、酔っぱらってもホテルまで辿り着けるよう、山手線一本で行ける五反田の「ぽるこ」へ。
 
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右が「スウェーデンのハマちゃん」と私が呼んでいる、ミカエル、通称ミッケ。
老けて見えるけどまだ43歳のはず。
左はミッケの同僚ヨハン、
ミッケが大きすぎてヨハンが小さく見えるが、ヨハンも身長185cmはある。
 
あいかわらず太っていて、映画「釣りバカ日誌」のハマちゃんにソックリだが、
さいころスウェーデンのモトクロスジュニアチャンピオンだったとか。
 
フサベルを心から愛し、彼らのバイククラブのボス、オールソンも舌を巻くほど、デブだけどチョー速い
 
とにかく面倒見のいい男で、一人ではるか極東から来た、バイクのヘタなジャパニーズを、いつも励まし助けてくれた。
 
滞在中の一週間、日本人は私だけでひたすら英語の毎日
スウェーデン語が母国語だが、私がいるとみんな英語で話してくれた)
 
通算4回参加したスウェーデン4デイズは、レースだけでなく彼らの自宅に招待されたりと、本当に濃密な時間だった。
 
ヨハンはバイクは乗らず、趣味はフットボール(サッカー)とスキー。
スウェーデンの英雄と言えば、インゲマール・ステンマルク
札幌オリンピックで日本の笠谷とステンマルクの活躍は、子供ごころにワクワクしたが、やはり本国でも英雄らしい。
 
途中から合流した妻と娘。
妻は以前スウェーデンでミッケに会っているが、娘は初対面。
娘にとってのガイジンは、自宅の上に住んでいるビリー隊長似のジョーさんだが、日本生まれの彼は我々よりきれいな日本語を話すので、彼らのように「コンニチハ」くらいしかしゃべれないガイジンは、初めての経験。
 
いちおう会う前に、スウェーデンの挨拶「こんにちは=ヘイ」を教えていたが、ミッケの早口弾丸トークに圧倒されっぱなし。
普段は大声で騒ぐ娘も小声で「・・・・・ハイ」としか言えなかった(かわいいね)。
 
それでも英語もわからない子供にも彼の人柄は伝わるのか、しまいには「ミッケ~」って呼び捨て......
ムーミンスウェーデンかと思ったら、フィンランドとのこと(mouminで通じた)。
ちゃんとテーマパークがあって(本当にムーミン・バレイ(ムーミン谷)って言うらしい)、ミーやスナフキンもいるとか。
ムーミンが大好きな娘とミッケで、言葉も通じないのに盛り上がっていた。
 
ミッケは今年、両親のために自宅のとなりに土地を買った。
写真を見せてもらったが、家の横に馬小屋がありまるで牧場だった。
実際、犬のような動物が写っていたが、「それは娘の馬だよ」って.....。
 
4人家族全員が馬を持っているのは、馬の保有数世界一のスウェーデンならではだが、来月には1m近い雪が降るので、近所の移動はもっぱらスノーモービルとか。
「雪の夜、近所をモービルで走ってたら、エルクにぶつかりそうになった」って。
 
通勤の足はKTM950アドベンチャーらしいが、リアにライフルをセットして近所に出没する、ワイルドピッグ(イノシシ)を撃ちに行くとか、日本では考えられない楽しい世界。
 
五反田の「ぽるこ」の周りは再開発地域で、高層マンションがいくつも建っている。
 
「このマンションはいくらするのか?」と聞かれて、とっさにクローネ換算が出来ず、「20ボルボ」って言ったら、「クレイジー!!」って。
ボルボ1台500万として、20ボルボで1億円)
 
日本より広い国土にわずか900万人しかいないので、当然土地も安い。
ミッケの家も1000坪以上あるらしいが、わずか「2フサベル(約200万円)」で買えるらしい(ガイジンと話すとき、通貨単位はこれがいいネ)。
 
一億出しても庭も無い日本と、広大な敷地に馬を放し飼いにしているスウェーデン
どちらが幸せなのかは個人の判断だが、田舎育ちの私は広い庭付きがいい。
 
こんな広い庭があるのに、最近のスウェーデンの子供たちは、自宅でピコピコとゲームばかりやって、外で遊ばないのが親の悩みらしい。
電車や街中で若者がみんな携帯をいじっているのは、洋の東西を問わず同じとか。
 
インベーダーゲームが流行った高校生のころ、
友達が喫茶店で「見返りの無い」ゲームに興じるのを横目に見ながら、
ちゃんと景品を取って「見返りのある」、パチンコに通っていた私からすれば、ゲームの何が面白いのか分からない(パチンコも昔ほど儲からないらしいが)。
 
始めてスウェーデンに行った10年ほど前、
かの地の親たちが頭を悩ませていたのは、アメリカのミュージックビデオ「MTV」による汚い英語とそのファッションだった。
 
スウェーデンは自国でテレビドラマやアニメをほとんど作らず、海外から輸入している。
母国語に翻訳せずそのまま放映するので、小さな子供でも自然と英語を覚えるので、日本もくだらない学校教育の英語はやめて、海外ドラマはすべて外国語で放送すればいいと思ったが、反面、黒人ラッパーの汚いスラングやファッションに、子供は影響を受けやすい。
 
それが今は世界中でゲームやアニメ全盛の時代。
子供相手の小銭稼ぎで「全世界総チャイルド化」をもくろむ、ゲーム会社やアニメの功罪は計り知れない。
 
手のひらほどの画面のなかで「ちっちゃな大冒険」をするよりも、現実の世界にはもっと素晴らしいモノがたくさんあることを、若者に知ってほしい。
 
 昔なら「書を捨て旅に出よう」だったが、今はさしずめ「携帯を捨て旅に出よう」か。
ゲームでは感じられない痛みや苦しみ、楽しさも生身で体験できるだろう。
 
今年タイで行われた「アシアクロスカントリーラリー」に参戦したオールソン
(2位入賞はさすがである)
ラリーと言ってもそこは東南アジア。
砂丘はもちろん無く、熱帯雨林とディープマディの続く、私の大嫌いなコース。
この大会にファラ友のM本さんも参加していて、現地でオールソンらと仲良くなったようだ。
スウェーデン4デイズは事情により、3年前から中止になってしまったようだが、M本さんはオールソン主催のスウェーデンオフロードツアーに、参加するそうだ。
 
私と違って現役バリバリのエンデューロライダーたちが走ってくれれば、「日本人=遅い」と思っている現地の連中も、驚くんじゃないかと期待している。
 
 
エルズベルグのようなゲロレースが、ストックホルムの沖にある「ゴッドランド」という島で開催される、エンデューロレース。
ミッケが自分のウエストを指さし、「マディがここまである」というハードなレースに、毎年2000人以上のクレイジーが集まるらしい(スウェーデン人は基本、マディ好き)。
 冬は五寸釘のようなスパイクを打ったタイヤを履いて、凍結した湖でレース。
 
オールソンと盟友オラ・エリクソンが、日高のエンデューロでぶっちぎり優勝したのも、こんな環境でバイクに乗れる由縁か。
 
このとき泊まった旅館で、毎朝出る「海苔」と「みそ汁」が大嫌いだったオールソン、帰りに札幌空港で見つけたマックに飛び込んだとか。
 
いくら話しても話題は尽きないが、そろそろお開きの時間。
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五反田駅に向かう途中で、すっかり仲良しの二人。
 
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来日前の4週間、中国の北京に出張していたミッケとヨハン。
「空が汚くて町が汚くて、人も汚い」中国と比べ、日本はサイコーと感激していた。
 
またいつか会うことを約束して、五反田駅でお別れ。
また熱い抱擁をしたら、ミッケも少し涙ぐんでいた(ような)
 
スウェーデン語でサヨウナラは「ヘイヘイ」
娘は彼らが見えなくなるまで、「ヘイヘイ~」と叫んでいた(お前は与作か)。
 
[golden slumbers]を聴くたび、ポールマッカートニーに似ている、オールソンを思い出す。