R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

Iさんという人

Vの1年点検が近づき、ダッシュボードのインジケーターに
「テンケンマデアト○ニチデス」と表示が出た。
 
普段は仕事でお客さんを乗せて(いちおう不動産屋なので)
週末バイクを載せるため買ったVだが、娘が産まれてからGS1台になり、バイクを載せる機会もない。
 
妻も大きいクルマは怖いとブレードばかり、
そういえばお客さんを乗せたことも、1年に1回あるかないか(って仕事してるのか??....)
 
なのでVは月一度の実家の帰省と、ホームセンターなどで大物を買うときしか乗らなくなり、先日ひさびさに乗ったら「テンケンカラ10ニチスギテマス」と表示が..........。
 
ディーラーから新車発表会の案内をもらったので、点検の予約とノベルティグッズ欲しさに行ったら、カレンダーをもらった。
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営業のIさん曰く
「ベンツも売れているのはAとかBクラスばかり」らしい
 
CLAは売り切れとか。
いかにもベンツのフロントマスクが手頃な価格で買えるなら、人気も出るのだろう
(手頃と言っても300万以上だが)。
今年のカレンダーはこのガルウィングに始まってAMGなどなど。
本来のベンツらしいモデルばかりで、買わないけど見ていて夢があっていい。
 
クルマが停め放題の田舎では想像もつかないだろうが、自宅に駐車場が無いので、2台で6万円払って駐車場を借りている。
なのでこれ以上の増車は無理(去年まで7万だったのをまけてもらった)
GSは駐車場の大家さんのご厚意で、奥に停めさせてもらっている。
 
妻のブレードはあと2年で買い換え予定なので(法人の減価償却は5年)、
2年後は1台にまとめたい。
あいかわらず自宅は探しているが、アベノミクスの影響か不動産も上がっているので、なかなかむずかしい。
またリーマンショックみたいな大暴落が来れば、ガレージ3台付の豪邸が買えて、もう一台増車も可能か(妄想だけど)
 
ディーラーのIさんは正月早々、空き巣に入られたらしい。
去年一軒家を買ったが、会社の駐車場がいっぱいだったり、翌日納車で直行のときなどで、ほぼ毎日ベンツで帰宅する。

数千万するAMGやガルウィングなど、毎日違うクルマで帰っていたので、
彼曰く「
泥棒が金持ちだと勘違いしたんでしょう」
とのこと。
 
近所でも
「あのご主人はなんの仕事をしているのかしら?」
と話題だったらしいが、警察が来てやっと誤解は解けたそう。
 
正月、奥さんは子供を連れて実家に帰省。
彼はお客さんに誘われてタイに旅行に行って、帰宅して空き巣に入られたことに気が付いた。
ドラマで見るように「本当に家中のトビラや引き出しが開けられてました」って。
 
奥さんに電話したら「盗られたものはないの?」と、タンスに隠した奥さんのヘソクリとか、意外な事実を知ることに(これは大丈夫だったらしい)
 
「なにか盗られたの?」
と聞くと、
「腕時計をいくつか」
って。

時計好きの彼はフランクミューラーなど、会うたび違う時計をしていたが、ほとんど持っていかれたらしい。
 
普通なら落ち込むところだが、Iさん曰く
「12月だけで3回、スピード違反で捕まっていたんです。そこにきてこの空き巣は、もうトドメでしょう」
って。
 
「だからボクの運ももう落ちるところまで落ちたんだから、今年は上がるだけですよ」と、笑いながら言うIさん。

このポジティブシンキングが、彼がトップセールスマンである所以なのだろう。
 
「ためしに宝くじ買ったら、100万当たりました」
って。
う~ん、喜んでいいのかどうなのか。
 
私も20代のころ時計にハマり、バブルも手伝ってロレックスやオメガ、バセロンやルクルトなどなど、毎日違う時計をしていた(イヤなヤツだネ~)

しょせん分不相応なものは身につかなかったのか、飲み屋のおねえさんにあげたり、酔って失くしたり、あげくに空き巣に入られて、ほとんど失くしてしまった。
 
以来、手元にあるのは生まれ年(1961年)のロレックスだけだが、時間は携帯電話で見られるので時計はせず、引出しにしまったまま(たぶんまだあると思う.........)
 
火事や盗難を思うともう持つ気になれないし、深夜にひとり時計を眺めて、ニヤニヤする趣味もない(キモチワルイネ)。
そんなものに大金をつぎ込むなら、美味いものを食うか旅行にでも行ったほうがいい
200万あればファラオやモンゴルにも出られるし、子供にアフリカで本物のゾウやキリンを見せられる。
 
 
Iさんの話には続きがある。
 
「先日、警察から電話があって、犯人が捕まったんですよ」
 
「その犯人がボクの時計をしてるらしくて、自分のものだと言っていて、なにか領収書とか保証書はないかと、警察が聞くんです」
 
「ボク、領収書とかもらわないし、保証書とかも1年過ぎたから捨てちゃったんですよね」
 
「警察は{なにか見つかりましたか?}と何度も電話してくるんです。
仕事も忙しかったので面倒くさくなって、刑事さんに言いました。
 
たとえその時計が戻ってきても、たぶんボクはもうしません
 
なのでそれは彼にあげてください。
 
そのかわり割られた自宅のサッシが10万円かかったので、その費用を払ってくださいと言ったんですが、未だに連絡ないんですよね」
 
私 「ならその時計売って、それをサッシ代にすればよかったのに」
 
Iさん「あっ!そーか~」って。
 
私も一度盗られたものが戻っても、もう使わないだろうが、せめて売って金に換えると思う。
 
彼のお客さんにはバブリーな御仁が多いが、こんな底抜けのキャラクターが、お客さんから愛される由縁なのだろう。
 
Iさんは宝くじの100万円で、「どうせアブクゼニですから」ってまた時計を買ったらしい。
 
2年後にベンツの選択肢はないのだが、こんな楽しいIさんとの付き合いは続けたいと思う。