R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

北国漫遊記その壱

歳をとると日が経つにつれ、記憶があいまいになる。
なので忘れないうちに北海道4デイズの続きを。
 
初日はスタート後15kmからダートが始まった。
林道を走るのは数年ぶり。
と言うか北海道をバイクで走るのも、初めての経験。
 
セローの空気圧、東京で借りたときから見ていないが、たぶん2kgくらいか。
昔のTBIで選手たちがSS毎に、空気圧を落としているのを見たじ~じ。
「そんなことしてるからリム打ちしたり、パンクするんだよ」って。
以来どこでも空気圧は2.5kg
パンパンで走っている。
じ~じの後ろについて走るが、非力なセローでもダートは80km/h以上出てしまうほど、フラットで気持ちがいい。
 
当時のじ~じは重いXR250に苦労して、林道ではヨロヨロ、ミスコースもよくしていた。
 
それが13年後、いくらマシンが最新型のKTM250EXCとはいえ、かなりハイスピードで走るのに正直驚いた。
250cc18馬力のセローは、直線であっというまに置いていかれるほど
(ホントに73歳?)
 
今回セローのタイヤは新品ではなく、交換用タイヤもじ~じが用意してくれている。
でも私はレースでなくツーリングなので、できれば4日間同じタイヤで走りきりたい。
セローがどのくらい燃費がいいのかも試したいので、タイヤとエンジンに負担をかけないエコランを心がける。
 
10km以上の林道が続き、なかなか走り応えがあるが、快晴だった天候は山に入ると雷雨になった。
スタートが快晴だったので、まさか雨は降らないだろうと、数年前に買ったまま着ていない、ファーストレーシングのEDジャケット&モトパンを着てきた(防水ではない)
 
じ~じにとってTBIや北海道をバイクで走ることは、ダカールのトレーニングの一環。
なので他のエントラントがコンビニで休憩しているのを尻目に、給油と食事、CP以外はずっと走って止まらない。
当然少しくらいの雨が降っても、レインウェアを着るためにわざわざ止まらない。
雨が浸みてパンツもゴアブーツも濡れているが、じ~じのペースを乱さないよう、ガマンして走り続ける。
 
初めてTBIに出たとき、観光名所やコンビニ、みんなが休んでいるところは、わけもなくダラダラと休んでいた。
 
その横をじ~じがひとり、「淡々と」走り去っていく。
ガソリンスタンドで一緒になったとき、「休憩しないんですか」と聞いたことがある。
 (このときはまだ全然親しくない)
「いつなにが起きるか分からないので、少しでも早く行くんですよ」
と丁寧な答えが返ってきた。
 
その意味が分かったのは、2002年のモンゴルだった。
初日に景色が良いところで写真を撮ったり、暑いので何度も休憩していたら、ミスコースやマシントラブルで、ゴール前50kmで夜になってしまった。
初日は草原のなかを走るルートだったが、月はあっても本当に真っ暗なダートを、おっかなびっくり、ペースを上げられないまま走った。
それからは給油とCP以外は休まずに、がんばって日が暮れる前にゴールを心がけた。
 
「砂漠にコンビニはない」 
「とにかく前へ」
この言葉を胸に刻んでファラオも走ったことを、北海道で思い出した。
 
最初のSSはガレてクレバスだらけの登りがある。
後ろからすごい勢いで私を抜いた大型バイクが、目の前のクレバスにハマって転倒。
よけようとして別なクレバスにハマり、よろけたら脇の木にヘルメットがぶつかり、バイザーとシールドを留める、プラスチックのネジが折れてしまった。
 
ダラ~ンと垂れ下がったバイザーとシールドに視界を半分ふさがれたまま、
遅いバイクを何台かパスして、なんとかSSを走りきった。
30秒前にSSに入ったじ~じは、もうどこにもいない。
だいぶ前に行ってしまったようだ。
「これじゃ風車の弥七じゃなくて、うっかり八兵衛になっちゃうなァ」
 
仕方ないので見づらいシールドのまま、ペースを上げてなんとかじ~じに追いついた。
GSで給油したときガムテープをもらい、バイザーとシールドを留めた。
 
そのまま2台で次のSSを目指す。
5時半からSSスタートの予定が、5時半過ぎに着いてもまだ始まっておらず、20台ほどが待っていた。
SSを行う林道に誰かが入っているのか、完全に退去するまでSSは始められない。
このSSの先が今日のゴールだが、だんだん暗くなる。
夜目が効きづらくなったじ~じは、ナイトランが苦手。
待っても始まらないSSをキャンセルし、エマージェンシー封筒を開け、今夜のキャンプ地を確認。
2台でUターンして山を降り、一般道でゴールを目指した。
 
15kmほど走り、まだ明るいうちに今日のビバーク地、名寄のホテルサンピラーに到着した。
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当然だがわれわれが1番乗り。
さっそく2日目のマップに交換し、ガソリン補給とチェーンにオイルを差していたら、SSを終えた選手が続々とかえってきた。
 
かなり深い砂利の林道で、ビッグオフは大変だったらしい。
川に落ちた人もいるようで、スタッフが慌ただしく引き揚げに向かった。
 
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明日の準備が終わり、じ~じ差し入れのビールで、はやばやと宴会中
今回のメンバーは04ファラオでご一緒した、地元北見のGS乗り、Yさん、
Yさんの友人で去年はサポートだったU野さんが、今年は選手として参加、
そしてUさんの友人で北海道の自衛官、顔はいかついが心は優しい、Oさんがサポートをしてくれることに。
 
Uさんは元国際B級のMX選手で、トランポにコースターバスを持っている。
本来なら主催者のトラックで重い20kgバッグを運んでもらうのを、コースターが運んでくれてありがたい。
 
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ホテルの食堂で夕食
バイキングなので食べ放題
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一日バイクに乗ってたいして動いてもいないのに、こんなに取ってしまった.....
普段はこんなに食べないが、ラリーなどの非日常空間では、
「明日は食事にありつけないかも.....」とカラダが反応するようで、
バクバク食べられるのが不思議。
 
 
私の部屋は誰かと二人部屋だったが、じ~じから
「オレの部屋ベッドが二つあるけどオレ一人だから、こっちにくれば」と誘われ、
そちらにお邪魔した。
 
またビールを飲みながら、いろんなことを話していたらすでに10時。
明日は6時起きなので、早々に眠ることに。
と、ベッドに入って1分も経たないうちに、寝息をたてるじ~じ。
あっというまに寝てしまった。
そして朝までオシッコにも起きず。
 
元気な人はよく眠る
これが鉄人の元気の秘訣なのだろう。
 
2日目に続く。