R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

北国漫遊記フィナーレ

3日目のコマ図に
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「蕗(フキ)の道になる」って、ナニ?
 
と思って走るうち、葉っぱが50cmくらいの巨大なフキが、林道を覆い隠すように生い茂る林道に突入(相変わらずじ~じは止まらないので、写真はナシ)。
 
スタンディングしないと前が見えないくらい、いかにも北海道らしいダートに感激したが、かなり山奥まで入っているのは明らか
こんなところでトラブって、クマでも出てきたら大変なので慎重に走って抜ける。
 
そして今度は
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「道、険しくなる」って△の登り坂マークが......

普段は誰も通らないであろう草が生い茂った林道、というか「ケモノミチ」
せまいつづら折れで石もゴロゴロしているうえに、雨が降ったあと草が濡れて、滑りやすい登り道がずっと続いている。

前を走るじ~じもタイヤがチュルチュル滑り、右に左にバイクが振られて走りづらそう。
「今度こそ転ぶかナ?❤」
なんて期待したが「おっとと、おっと」と上手にバランスを取って、これがなかなか転ばない。
よろめきながらやっと登り終わったところで、じ~じが路肩にバイクを停めた。
 
「暑い~」って急いでカッパを脱ぐじ~じ
「いや~走りづらかった」って。

今まで長い付き合いで、ビビるじ~じを初めて見た(ちょっとかわいかった)
 
でもこのあと更に
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「どんどん険しくなる」って......
 
さらにこう配が急になり、さっきより大きく右へ左へ振られながらも、必死に走るじ~じ。
後ろから来た選手たちも「世界のスガワラ」を抜くのに遠慮して、プチ渋滞発生中。
(左右に振られるので、「抜かれないようブロックしている」と思ったんだろうナ)

後ろで見ていてハラハラするので、早く抜けてくれないかと思っていたら、
広いところに出てやっと終わった!と思ったのもつかの間、
今度は「注意して進め」って。
 
カーブを曲がると数十台のバイクが止まっていて、先には左右にバックリと深いクレバスの林道が。
どうやら先頭でビッグオフがクレバスに落ちて、スタックしているらしい。
 
朝のブリーフィングでH木さんが
「今日は大型バイクで自信の無い人は、後ろを走ると助けてくれる人がいないので、なるべく前を走ってください」
と話していたが、これだったのね。
 
みんな落ちないようにノロノロと走っていく。
こんなときセローはどこでも走れるので、ラクでいい。
 
3日間走ってやっと難所らしいのが現れたが、こんなルートは大歓迎。
高速リエゾンはビッグオフにかなわないので、大型車が「もがく」横を、笑いながらすり抜けられるこんな難所は、ラリーの公平を期すために、もっと増やしていいと思う。
 
それにしても1200GSとか250万もするバイクを、よくも惜しげもなくバタバタ倒すものだ。
ロードバイクならちょっとこすっただけでまっ青になるものだが、壊したり泥だらけになることを、「オトコの勲章」と勘違いしている御仁が、なんと多いことに驚く(ミンナオカネモチナノネ)。
 
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「今日はCAP走行があるから、コンパスを忘れずに」

じ~じから言われてファラオ以来使ったことのない、シルバコンパスを持参した。
でもわれわれが通るころには、きっとワダチもたくさん出来ているはずなので、たぶん使わないだろうが......。
 
434.96kmでCAP100の方角に進めと指示があるが、
実際に立ち止ってコンパスを使っている人はごくわずかで、
ワダチのついているほうにみんな走っていく。
 
そのあとを追っていくと435.14kmで、緑の丘、というか山が現れた。
ピストはなくシートの高さまで伸びた雑草のなかを、ソロソロと登っていく。
 
「ほんとにこの道でいいのかな??」
ちょっと不安になり途中で止まって耳を澄ますと、山の上の方でエンジン音が。
 
「あっちだ」と登っていくと、そこが最後のCPだった。
 
山の上や砂丘のてっぺんにCPを置くのは、ラリーの定番。
こんな心配りがラリーっぽくていい。
 
4日目最終日、
3日間ひさびさのダートを走ったし、4日目も同じようなルートらしいので、もういいかと。
じ~じもママと12時に芦別で待ち合わせているので(昨日の「険しい道」で疲れたのか)、今日のルートをキャンセルして、国道で芦別を目指す。
 
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もうダートはないので、i-phoneで写真を撮りながら走る。
 
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富良野」の市内を抜けるあいだ、ずっと「北の国から」を口づさんでいた。
(といっても「ル~ルル~ル~」だけだが)

テレビで放映された頃はバブル全盛期、
毎晩遊び歩いていて一度も見たことが無かった。
初めて見たのは純君が結婚する、最終回スペシャル(それも再放送)

それにしてもさだまさしのあの歌は、終わりが無いので富良野を抜ける1時間、ずっとくちづさんだまま。
ラベンダーは時期ではないのか、見られなかった。
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本当に快晴で気持ちがいい
 
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じ~じもうれしいのか?スタンディング
(サーカスのクマではない)
 
「ちょっと寄り道していいかな」って向かった先は
 
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北日本自動車大学校(初めて来た)
 
勝手に正門から入って、外周コースとダートコースを数周。
誰か出てくるかと思ったが、夏休みらしく生徒も先生も不在だった。
 (防犯カメラには2台の不審なバイクが写っていたはず)
 
ひとしきりコースを走り終わってから
「ハイ、これで全SS完了」って。
 
亡くなった斉木校長にお別れを言いに来たんだ......。
 
芦別に入り
「バイク洗って行こう」と立ち寄った先は
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地元のガソリンスタンド
 
社長さんがじ~じの知人で、若い息子さんが洗車してくれた。
 
息子さんに「バイクは乗るの?」と聞くと
「ハーレー乗ってます」って。
 
こんな山に囲まれているのに、オフロードには乗らないのか聞くと、
「山とか走って楽しいんですか?」って。
 
たしかに私も山に囲まれた長野に住んでいながら、オフの「オ」の字も興味が無かった。
 
そして11時前にゴールのスターライトホテルに戻り(当然、誰も戻っていない)
昔は選手として参加していた、オフィシャルのK主さん
われわれがもう帰っているのでビックリ。
 
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キャンパーにバイクを積んで、着替えて向かった先は
ここもオーナー夫妻がじ~じの知り合いの、「レストラン ポロ」
 
スガワラママとママの友人のマダム達と、ランチの約束に私もお邪魔した。
 
 地元産メロンの冷製スープや、生ハムを食べたあと
 
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 花咲ガニのパスタをいただく。
こんなことができるのも、順位に関係ないツーリングクラスだけのおたのしみだろう。
 
ママの友人のマダムから、芦別大林宣彦監督の映画の舞台になったことを伺った。
主人公の品川徹はドラマ「白い巨塔」で、大河内教授を演じた渋い俳優さん。
 
そして会場に戻ると、続々と選手が帰ってきた。
3時から表彰式
 
チーム優勝はOさん率いる、チームミサイルファクトリーZ(ってなんでZ)
Oさんの奥さんの活躍が大きかったのでは?
それにしてもIフジくん、ひさびさに会ったけどますます太ったような。

相撲と柔道以外、デブでもやれるスポーツを、私はスポーツと認めていないので、アクセル開けるだけのバイクもスポーツではない。。
 
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そして総合優勝はO島さん
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お会いするのは2001年のTBI以来か。
電撃ネットワークみたいな髪型は変わっていないけど(失礼)、
かわいい顔と相まってパンダちゃんみたい(でも本当に速い)
 
表彰式終了後、じ~じに芦別駅まで送ってもらい、
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無人駅なので本当に電車が来るのか不安になる
 
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と思ったらやってきたのが、期間限定で富良野から札幌まで行く「ラベンダーエクスプレス」
さすがに1両編成ではなかった。
 
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札幌駅に着いてデパートでお土産を買う
妻に電話すると
六花亭の百歳(ももとせ)と、北菓楼の開拓おかき」のリクエスト。

私がいないあいだ娘の面倒をみてもらった、妻の実家と妻と娘のために大量購入。
 
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両手に重い土産を下げて、大通り公園をそぞろ歩く。
 
今夜もまたススキノのビジネスホテルだが、明日の朝は7時半発なので、朝5時半の高速バスに乗らなければ(千歳空港がこんなに遠いとは思わなかった....)

朝の保育園の送りがあったので、本当は今日中に帰りたかったが、3連休最終日で飛行機代が2万円高いらしい。

妻から「もったいないから翌日帰れば」と言われたので、帰京を一日延ばした。

旅行代理店のNモチさんが、私が早く東京に帰りたいのだろうと気をきかせてくれたのだが、7時半ではちょっと早すぎた(またホテルの朝食が食べられない.....)
 
なのでせっかくレースが終わってススキノなのに、北海道最後の夜もまたラーメン。
 
ホテル裏にある五右衛門ラーメンが美味そうだったので、
 
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しょうゆ味のチャーシューメン
これが美味かった。
 
実は好きな「探偵はバーにいる」のポスターと、主演の大泉洋松田龍平のサインも。
 
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翌日は4時半に起き、5時半のバスに乗って、空港に着いたのは7時。
意外に時間がかかって焦る。
これが今回の北海道4デイズで一番つかれた.......
そして千歳空港は雨だった。
 
やっぱり「晴れ男」を確信。
 
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自宅のある戸越銀座に着いたのは10時
あまりの暑さにクラクラする。
 
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4デイズの参加賞は「うしのう○こ」って......
 
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娘に見せたら「うしのうんこたべた~い」って
意外にお気に入りで、毎日一個食べている。
 
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まさかツーリングクラスで完走メダルがもらえると思わなかった(完走してないし...)
 
じ~じ夫妻は翌日に小樽の地元に立ち寄り、23時30分発のフェリー「小樽→新潟」に乗るはずが、いつのまにかダイヤが変わっていて、「小樽→舞鶴」に.....
 
21時に京都の舞鶴に着いてから600km、
夜通しキャンパーを運転し、翌朝5時に帰宅したらしい。
 
キャンパーからバイクを下ろして、整備と片づけを手伝おうと思い自宅待機していたら、朝10時にじ~じから電話。
舞鶴に着いちゃって、夜中ずっと運転して5時に着いた」って。
 
舞鶴ってシベリア抑留の帰国船の港で有名だが、せめて「真鶴」だったらよかったのに。
最後の最後で大変な思いをしたが、無事帰宅できてナニヨリ、おつかれさまでした。
 
TBIやモンゴル、ファラオでラリーが終わったあと、じ~じやヤマダさんがいつも言っていた
「自宅に帰るまでラリーは終わらない」
 
この言葉を実感した北海道4デイズだった。
 
それにしてもセローはいい。
今までKTMとかで目を三角にして走っていたのがウソみたいに、力を抜いて走れる。
あとでセローの空気圧を見たら、1kgしか入っていなかった(ずっと2.5kgだと思ってた)
どうりで「このタイヤはスズキのバンバンか」と思うほど接地感があり、ダートを走るのが久しぶりのヘボおやぢでも、まったく転ぶ気がしない。

前後サスが柔らかい女性仕様になっていたので、底付きするのは仕方ないが、もう少し固くしたらもっと楽しいのだろう。
 
「なんでGSで行かないの?」
とみんなに言われたが、3日目の「フキの道」でY口さんのポンコツGSは、ドライブシャフトが壊れた。

地元の彼はルートが分かるので、ここから30km下った温泉まで、GSを「だましだまし」乗って(途中は押して)、温泉にバイクを置いて、オフィシャルのクルマでキャンプに帰ってきた。
もし私がGSで参加して同じことが起きたら、スイーパーのトラックも入れない山の中で、どうなったていたか???

北海道を走っているとそこらじゅうに、「ヒグマに注意」の看板を見かける。
子供のころ山でクマに追いかけられた経験があるが、ヒグマはその何倍も大きく、携行品の「クマよけの鈴」なんて、なんの役にも立たないだろう。
 
北海道の人以外、たぶん誰も気にしていないのだろうが、万が一のことを考えるだけで恐ろしい。
 
Y口さんに
「GS、もう捨てますか」
と聞くと、
「まだまだ治して乗るよ」
って。
 
「もう新車一台分以上、修理代かかってるよ」
と言いながら、来年還暦のご本人と同じく 、空冷GSのヤレた感じがたまらないのだろう。
 
じ~じも御歳73歳にしてあの走りは、立派のひとこと。
自分も20年後に同じことができるだけの、体力と気力は持っていたいものだ。
  
それにしてもこのイベントに参加できる人は、恵まれた人たちだと思った。
昔はみんな若くてアルバイトをしながら、ラリーに出ていた人が多かった。
(半年働いて半年遊ぶ人も多かった)
それが結婚して子供ができたり、景気の影響で収入が不安定になったりで、ベテランバイク乗りはこんな豪華ツーリングに、参加する余裕がない。

何百万もするバイクを放り投げたり、夏休み前に一週間も休みが取れる人種は、よほどしっかりした会社か、立派な仕事をしている人なんだろう
(若者が参加できないわけだ)
 
正直ほとんどの参加者と話をしなかった。
参加者がショップやグループで固まっている印象があり、よそ者を寄せ付けないカベが感じられた。

4日間「今日はどんな難所があるのかナ?」と、ドキドキワクワクしながら走っていたが、結局最後までトキメクような場面はなかった。

昔のTBIのようにグチャグチャマディのMXコースや、ガレガレのダート、急坂が登れず「ビッグオフの墓場」と化すコースがないと、軽量セローで行った意味が無い。

リタイアした悔しさで「来年こそ」と燃える人も、今は少ないとか。

すぐブログやツイッターで、「北海道4デイズ最悪」なんて書かれてしまうので、こんな温泉極楽ツーリングになってしまうのだろう。
 
みんな分別のある大人なのだろうが、もう少しはじけたほうが絶対楽しいと思うのは、私だけか。
 
ヤマダさん、H木さん、SSERスタッフの皆さん、
Y口さん、U野さん、Oさんもありがとうございました。
そしてじ~じとママ、本当にお世話になりました。
 
夕方、保育園に娘を迎えに行ったら、一瞬キョトンとしていたが、
すぐ「パパ~~~!!!!」と抱きついてきた(忘れられなくてて本当によかった)。

やっぱりバイクより娘のほうが、1万倍かわいいのだ