「スウェーデンのハマちゃん」ことミッケが、仕事で来日した。
おととしと同じく仙台に2週間滞在し、帰国前日やっと会えた。
品川プリンスホテルに泊まる彼を迎えに行き、自宅で妻と娘と再会
娘はおみやげにムーミンをもらい大喜び。
それにしても妻や娘と比べても、あいかわらずデカい。
娘の最近のお気に入りはミュージカルの「Cats(キャッツ」
それも劇団四季ではなくブロードウェイの、元祖キャッツが好き。
なかでも一番のお気に入りは「ラムタムタガー」という猫役の男性。
誰かに似ているなと思ったら、どうやらミック・ジャガーがモデルらしい。
もちろん娘は英語が分からないが、それでもスピードラーニングのように、
なんとなく「聞いて覚えて」、テレビのなかの彼と一緒に歌っている。
国際化を目指すため、小学生から授業で英語を習わせるというが、
自宅で両親が日本語で話したりテレビが日本語では、英語なんて絶対覚えないだろう。
なのでドラマはすべて英語圏の国から輸入し、日本のアニメの字幕は英語で流している。
英語の子供番組を毎日見ている子供は、自然と英語が身に付くので、国民のほとんどが母国語と英語を話せるという。
そのかわりスペルはかなりいい加減で「hello」を「hallo」と書くが、
なんとなくでも通じればいいらしい。
ドイツやフランスなどに囲まれているので、そこに暮らしているだけでいろいろな言葉が耳に入る。
ファラオラリーの毎日のブリーフィングで、
オーガナイザーのジャッキーがまずイタリア語で、その日の予定や結果を報告する(ファラオはイタリア人の団体が運営しているので)。
そのまま次はフランス語、英語と続き、ドイツ語を披露することも(日本語は無い)
昨日のニュースで日本の高校3年生の英語は、中卒レベル以下という。
中学と高校の6年間、毎日英語を勉強しても、いざ町でガイジンに道を聞かれたら、まともに答えられない人がほとんどだろう。
中学1年の最初に習う「this is a pen」なんて、大人になって英語を使う機会があっても、なんの役にもならない(仕事で役に立ったのは、ドリフの荒井注くらいだろう)
私も社会人になるまで英語は苦手(というか嫌い)だったが、勤めた会社の最初の仕事が初来日した外人さんのお世話で、最初はお互いが和英辞書と英和辞書を見せ合いながら話していたのが、3か月のあいだ朝から晩まで一緒にいたら、私はラジオのFENが普通に聞けるようになり、彼は毎晩一緒に行ったスナックで、「3年目の浮気」を暗記してママとデュエットしていた。
娘もひさびさに会うミッケに最初はモジモジしていたが、私や妻が忘れかけた英語でなんとか話しているのを見て、日本語で一生懸命ミッケに話しかけていた。
ミッケもなんとなく通じるらしく、日本語と英語で漫才のような会話を楽しんでいた。
娘は翌日も保育園なので早く寝なければならない。
なので私とミッケの二人で、前回と同じ五反田のぽるこへ食事に出かけた。
アナゴという単語が分からなかったので、「EEL(うなぎ)」と言ったら分かったらしい。
(アナゴはSea eel うなぎはfresh water eel というらしい)
ふきのとうはなんというのかわからなかったが、スウェーデンにもあるらしく
ミッケは3月11日は仙台にいたので、
「どうだった?」と聞くと、
「各地でセレモニーをやっていた」らしい。
2週間のあいだ何度か余震があり驚いたという。
周りの日本人がまるで驚かないので、
「こいつらは鈍感なのか?」と不思議に思ったらしい。
あとで
「少しくらいの揺れは驚かない」と聞いて、
「日本人はすごい」と改めて驚いたという。
日本語が話せないガイジンとまともに話したのは、おととしミッケと会って以来。
なので単語もほとんど忘れていて、2時間の食事のあいだ
「アタマの中で汗をかいた」
それでも思い出せる限りの単語を駆使して、政治や経済、家族や子育てのことを、いろいろ話し合った。
60歳までバカみたいに高い税金を、国に「貯金」した人たちは、
定年後はみな悠々と暮らしている。
ミッケの両親も定年したとき、夫婦で1年間ヨットで世界旅行をしたという。
国を信頼しているからできることで、日本のように将来、年金がもらえるのか分からない国では、スウェーデンの老後はおとぎ話にしか聞こえない。
彼が日本人と働いて感じたこと
「みんな夜遅くまで働いて、家族と一緒にいる時間が無い」
スウェーデンは遅くとも6時に仕事を終え、7時には家族と食事をするという。
私も6時に娘を保育園に迎えに行き、7時には家族3人で食事をしていると話すと、
親指を立て「good」って。
スウェーデンでは夫婦共働きが当たり前だが、ミッケは保育園には行かず毎日、祖父母の家に行っていたという。
祖父母の家は森の中にあり、畑を耕したり馬に乗ったり、虫を捕まえたり釣りをしたり、童話のような幼少期を過ごしたらしい。
彼の娘も祖父母の家で、同じように過ごしたという。
テレビもゲームもi-padもないが、そこには本当の贅沢な時間があるのだろう。
スウェーデンにも花粉症はあるらしい。
国土のほとんどが森林の国で、花粉症はつらいと思うのだが、ミッケもすこし敏感とかで、「森の中でバイクに乗るときは、ヘルメットの中が鼻水まみれだよ」って.....。
むかし、フィリピンパブが大好きな友人に誘われて、歌舞伎町のフィリピンパブに行った。
ホステスの女の子の全員が、ティッシュボックスを持って店内を歩いている。
聞くと花粉症だという。
これは日本だけで、フィリピンに帰国するとすぐ直るらしい(杉が無いからか)
ミッケの真っ赤な鼻を見ながら、ふと思い出した。
ミッケに見せられた写真
娘に聞くと
「いきた~い」って。
いつになるかわからないが、
きっと素晴らしい体験がたくさんできることだろう。