先週末は父の三回忌で帰省した。
妻が金曜午後から休みを取れたので、金曜午後から帰ろうと思ったが、
金曜は娘の保育園で子供たちが、おやつのホットケーキを焼く
「クッキング体験」の日。
娘に
「クッキングしたい?」と聞くと
「やりた~い」って。
親の都合でせっかくの機会を壊しては申し訳ないので、
クッキングが終わる4時出発に変更した。
3時半過ぎに迎えに行ったときは、ホットプレートで焼いて食べ終わるところだった。
こんなうれしそうな顔してるなんて。
親の都合でやめさせなくてよかった。
そして先日開通した首都高大井線で、妻が待つ大宮に向かう。
このトンネル、空いていれば五反田から1分で池尻大橋、3分で新宿に行けるが、
あいにく夕方は大渋滞。
運転中、前が見えるので助手席に置いたチャイルドシートがお気に入りの娘だが、
さすがにずっとトンネルはつまらない。
私も木曜日クルマで上尾に行った帰りこの渋滞にハマり、帰宅したら疲れもたまっていたのか、一気にカゼをひいてしまった。
「まだつかないの~?」と何度も聞く娘。
かわいそうなのでDVDで「もののけ姫」を見せたら、視線は画面にくぎ付けでいきなり無口に。
板橋まで渋滞は続いたが、中央環状線も混んでいるのだから、
ひたすら直線のこちらのほうが、少しは早いはず(と信じたい)。
妻の病院に1時間後に到着し、すぐまた長野に向けて出発した。
レヴォーグも乗り始めはハンドルがふらふらする、「接地感の無さ」を感じたが、
あれはなんだったのかと思うほど、今は乗りやすい。
しっかりメーターを見ていないと、いつのまにか150km/hオーバーで走っていて、あわててアクセルをゆるめるの繰り返し。
そんな感じで2時間半で実家に帰宅。
と、実家のカギを忘れたことに気付く(!)
あわてて姉に電話し、カギを借りに行く。
須坂から姉の住む中野市まで小布施の山側を抜けていくと、
20kmのあいだに信号が5個しかないワインディングが続き、30分ほどで到着。
カギを借りてとんぼ返りで実家に着いたときは、もう10時すぎ。
せっかく早く出たのにあわてて風呂を沸かして入り、親子3人バタンキューだった。
翌日は実家で3回忌
父母の兄弟もこの数年でほとんど亡くなってしまったので、
今回は姉夫婦とわれわれ親子だけで、ひっそり行うことにした。
菩提寺の住職が実家に来てくれて、読経が始まった。
住職のお父上は父親と同級生。
こちらも数年前に亡くなったが、私の名前を付けてくれたり、いろいろお世話になった。
1時間余りのお経のあいだ、娘もよく我慢して座っていた。
あとで住職に褒められたとき、
「だってもうたいようぐみ(年長組)だから」って。
だんだん自我も目覚め、すこしづつお姉さんになっていくのはうれしいが、
だんだん自分の手を離れていくのがさびしい気持ちもある。
三回忌のあと精進落としに、家からクルマで15分のそば屋、高山村の「高山亭」に行った。
長野出身というと蕎麦好きと思われるが、それは戸隠だけのこと。
意外に地元はうどん屋のほうが多かったりする。
両親も農家出身なので、蕎麦より「腹持ちのいい」うどんを食べていた。
(ざるそばなんて長野で食べたことがなく、上京して初めて食べた)
東京出身の妻は長野に来たら、さぞ美味しいそばが食べられると楽しみにしていたが、私があまり食べたがらないのが、驚きだったらしい。
姉夫婦と別れて動物園に行った。
動物たちの人気者総選挙中。
告示もよくできている。
キリンもゾウもライオンもいない田舎の動物園だが、
少ない動物と予算の中でいろいろと趣向を凝らしているのがいい。
娘もたくさんの動物がいる上野動物園より、いつも空いていて遊園地も遊び放題の、こちらのほうが好きらしい。
ちょうどトラのエサやりの時間。
バリバリと骨を砕く音が迫力満点。
土曜日でも空いているので、オリのすぐ近くで見られるのもいい。
帰宅して私が通った小学校の校庭で遊ぶ。
家から50mなので、昼食が嫌いなメニューだと、4時間目が終わったら家に帰ってしまい、先生がよく迎えに来てくれた(迷惑な子だね)。
都会の公園と違い、木登りをしても怒られないが、ブランコには柵が出来ていて、
大好きだった飛び降りができない。
ケガをしたら困るという理由で公園の遊具が、どんどん撤去されているが、
子供ながらに小さなケガをすることで、大きなけがを防いでいたように思う。
子供にとって教訓になることに、なぜ大人は気が付かないのか。
周りを山に囲まれたすばらしい環境で育ったことを、誇りに思うとともに、
いまでは自由に帰れない自分が悲しい。
日曜は朝イチで墓参りに。
4月からは保育園も年長組。
しっかりお墓の掃除もしてくれて、すっかりお姉さんになった。
実家の庭、
ここには父の自慢の池があり、たくさんの鯉が泳いでいた。
庭の無い東京暮らしにはなんとも贅沢な空間。
娘も庭石に登ったりしてお気に入りの場所。
母が生きているあいだは実家は残しておこうと姉と決めたが、
いつまでこうして帰ってくることができるのか。
そして帰京する前に病院へ母の見舞いに行った。
正月は帰らなかったので、母に会うのは5カ月ぶり。
だいぶボーっとしているが、娘を見たら目の色が変わった。
娘がにぎった手も離さない。
あんなにかわいがってくれたおばあちゃんが、寝たきりでしゃべれないのが信じられないのか、前回までは母に近づかなかったが、お姉さんになったのかずっと枕元で話しかけてくれていた。
こんな調子で毎日来られれば、ひょっとして元気になったのかな?
と思うと、また申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
後ろ髪をひかれながら病院をあとにした。
東京に帰る前にもう少し、娘に自然を感じさせてやりたい。
クルマで小布施橋を渡ったところで、河原に下りてみた。
木と木のあいだに「ハンモック」らしきものを吊って、何かやっている。
これ、テレビで見たことがある。
近づいてみるとロープの上で飛んだり跳ねたりしていた。
話しを聞くと「スラックライン」というらしい。
彼らは近所の会社員で、まだ初めて半年と言うが、かなり上手に見える。
じつは小布施は日本でも有数のスラックラインのメッカらしく、
たくさんのプロも輩出しているらしい。
都心の公園で木と木をつないでスラックラインをやったら、苦情が出るだろう。
こんな自然豊かな環境が、本当にうらやましい。
知人のYさん夫婦の一人娘は今年4歳。
杉並の保育園に通っていたが、近所から子供の声がうるさいと苦情が出て、
園庭が使用禁止になり、うつ病になったという。
世田谷や都内の保育園でも、保育園の建設中止が相次いでいる。
反対する人たちは自分たちの老後をこの子たちが支えることを、理解していないのか。
あまりのんびりしていると帰りの高速が渋滞するので12時に高速に乗ったが、
案の定、藤岡あたりから流れが悪くなっていた。
それでもまた大井トンネルを走ったら、行きと違い帰りはガラガラ。
調子に乗ってスピード違反で捕まらないよう、ヒヤヒヤするほど。
夕方6時から大井の臨海斎場で、お客さんであるSさんの通夜があった。
先週、携帯に着信があり、出てみたら息子さんだった。
「父が亡くなりました」
1月にもあったばかりなのに。
ちょと痩せていたので
「働きすぎでは?」と言ったが、親の代から商店街で歯科医を開業していながら、
待合室が患者さんでにぎわうという光景を、20年以上見たことが無かったので、
「イヤミいうなよ」と笑っていた。
肺がんとのこと。
そういえばいつもタバコを吸っていたなァ。
S大学歯学部の出身とかで、通夜のあとの精進落としの席では、
まわりは大学病院の関係者ばかり。
だれひとり知らずかなり肩身が狭い。
と思い隣の人におそるおそる
「シーナ先生って知ってます?」
と聞いてみた。
「なんでタイゾー知ってるの?!」
他の先生や看護師さんもシーナ先生をみんな知っているらしい(有名人みたい)。
「オレはヤツと寮で同室だったが、クルマ禁止なのに近所に駐車場を借りて、こっそり通っていた」と、有力な証言を得た。
他にも事務局の女性やシーナ先生の後輩の先生から、
「あーんなこと」や「そーんなこと」、イロイロお聞きしました。
シーナ先生、若いときからハチャメチャな人生だったんですね。
また他人に思えなくなってきた。
」