R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

明日を止めないために

 
昨日の夜、娘を寝かしたあと妻とテレビで「ガイアの夜明け」を見ていたら、砂漠を走る日野レンジャーが出てきてびっくり
 
少し前にじ~じから
 
「ナイショだけどもうじきオレがでるCMやるから」
 
と言われていたが、いつもなら
「○月○日の○○という番組中にCMが流れます」
とJRMから連絡があるはずが今回はなにもなかった。
 
ほんの15秒ほどのCMでダカールラリーの過酷さが、お茶の間の視聴者にどれほど伝わるか疑問だが、ラリーに何の興味もない妻が興奮していたので、それなりに伝わるのかもしれない。
 
娘がチームスガワラのTシャツを着て保育園に行くと
「トントントントン・ヒノノニトン」
と男の子たちがはやしたてる。
子供でもTシャツの胸に書かれた、「HINO」の文字でわかるらしい。
 
語感がいいので子供にも覚えやすいがただそれだけで、なにを売りたいのか意味が分からない。
有名俳優を使っていかにも今はやりのCMだが、女子供がターゲットの軽やミニバンと違ってトラックはオトコが買うものと、文太アニキとやもめのジョナサンの昔から決まっている
 
AMラジオを聞いているといすず自動車のCMが流れるが、こっちのほうがよほど心に残るし、トラック乗りならこっちを買いたくなるんじゃないか。
 
火曜日の昼間、2階の自宅で昼食を食べていたら、単気筒のバイクの音が聞こえた。
「まさか知り合いじゃないだろうナ」
と食事を済ませ1階の事務所に下りると、玄関になにかある。
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おや?
じ~じが来たのか?
 
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これはストラットバー?
 
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あとでじ~じがやってきた。
商店街に用があったらしいがバイクは駐輪禁止、
なのでウチの前に停めて行ったらしい(都内はバイクも駐禁で9000円取られる)。
 
このストラットバーはレンジャー用にじ~じが、レースで有名な富樫エンジニアリングで加工してもらうという。
 
来年のダカールに向けてテルちゃん以下JRMスタッフが、試行錯誤しながらレンジャーを作っているが、ラリーで壊れないように安全マージンを取った(取りすぎた?)改造が、じ~じには不満だらけでもっと極限まで軽量かつ強化したいらしい。
 
今年のルマンはアウディの連覇を阻み、ポルシェがワンツーフィニッシュ
トヨタも日産もいいところはなかった。
 
じ~じに言わせれば
「レースに対する{想い}の差だよ」って。
 
「絶対に勝つ」
 
そんなポルシェの想いがアウディより強かったのだろうし、
トヨタや日産にはそれが足りなかっただけだという。
 
50年近くただ勝つことにこだわって、幾多のレースを戦ってきたじ~じ。
 
そんな熱い思いがチームスガワラの若いスタッフたちに届いているのか。
 
20数年前のパリダカ全盛期のころ、毎年多くの日本人選手がこの世界一過酷なラリーに挑んだ(らしい........なにしろ私はこのころパリダカを知らなかった)
 
かなりの選手が「チームスガワラ」や「チーム子連れ狼」の世話になったはず。
じ~じの会社「日本レーシングマネジメント」にも、そんな「バイクバカ」「クルマバカ」「ラリーバカ」が社員でたくさんいて、そこからみんなラリーの世界にのめり込んでいった。
それから30年、今ではだれ一人ダカールラリーに参戦している日本人はいない。
 
「歳をとったから」
「カネが無いから」
「結婚して子供ができたから」
 
みな理由はそれぞれあるだろうが、74歳の老人が現役で参戦していては、年齢は理由にならないし、金が無いならじ~じのように何百社もスポンサー回りをすればいい。
要は
「続ける情熱がなくなったから」
が一番の理由だと思う。
 
会長に退いてなお勝つことへの情熱は、チームの誰にも負けていない。
 
じ~じを見ていると石原元都知事とダブることが多い。
自分のやりたいようにやるので周りは振り回されて大変だが、ちゃんと「スジ」は通っているし結果も残しているので、誰も文句は言えない。
敵も多いがそれ以上に後押ししてくれる仲間が多いのも、よく似ている。
 
うるさいくらいのおじいちゃんだが、この暴走老人の熱い想いはまだしばらくは、だれにも止められないだろう。