R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

ゴミおじさん

毎朝夕、保育園の送り迎えのとき、娘にゴミ拾いをさせている。
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「街をきれいにしよう」などという高尚な気持はサラサラなく、
来年は小学生なのに歩くのがキライな娘を、どうやったら保育園まで歩くか考えた結果が、ゴミ拾いだった。
 
とりあえずゴミ拾い用のハサミ(トング)を持たせたら、
思いのほか喜んでゴミを拾っている。
 
それにしても多いのはたばこの吸い殻。
徒歩5分の保育園までで毎朝20本は拾っている。
 
娘も
「タバコなんてすわなきゃいいのに」って(ごもっとも)
 
ペットボトルや空き缶も多い。
拾っていて一番困るのは
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こんな風にポツンと置かれた空き缶
たいがいは中にタバコの吸い殻が入っていて、
はさむとタバコとコーヒーがこぼれてベトベトになる。
 
思えば自分もタバコを吸っていた昔、
こうして空き缶を灰皿代わりにしていたが、たいがいはそのまま置いてきてしまった...........
 
昔のドラマや映画はみんなタバコを吸っていた。
主人公が吸い殻を指ではじいて飛ばす姿がかっこよく、
誰が片づけるなんて考えもせず、みんな真似ていた
(あの吸い殻は誰が片づけてくれたのか..........)。
 
そんな懺悔も兼ねて一緒にゴミ拾いをしているが、帰宅して空き缶から吸い殻を捨てて、缶を洗って資源ごみにするのはかなり面倒な作業。
 
タバコ屋の胴元がいくら偽善的なCMを流しても、携帯用灰皿を持っているのは全体のほんの数パーセントだろう。
 
叱って分かる子供と違い、中毒患者の大人は吸うのをやめられないので、
国内は路上喫煙全面禁止にしたほうがいい(子供のほうがよほどえらい)。
 

公園のベンチ下も吸い殻の山
 
たまにベンチで寝ている人がいるが、娘はおかまいなしに吸い殻を拾う。
驚いて起きた人も子供がゴミ拾いをしているのを見て、ビックリしながらも
「えらいね~」ととりあえず褒めてくれる
(これが大人ならケンカになるが子供は怒られないのがいい)。
 
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今日の収穫は空き缶5本と吸い殻40本に、パンの空き袋などなど
(みんな本当によく捨てるなぁ.....)
 
さすがに毎日拾っているといつものルートはゴミも少なくなり、娘は物足りない。
なので毎日ルートを変えて歩いているが、困るのは自宅のゴミ箱がすぐいっぱいになること。
昨日はゴミ捨て場に不法投棄されていた「食洗機」を
「これももってかえろ~」と言われ、さすがに断った(ママに怒られる......)。
 
自宅から保育園まで歩いても5分だが、毎朝夕20分以上かけてゴミを拾っている。
 
娘の同級生たちには最初
「なんでごみひろうの?」
と不思議がられた。
 
昔なら町内会のドブさらいやゴミ拾いは子供も強制参加だったが、都会はマンション暮らしの子が多く町内会にも入らないので、ドブさらいの機会はほぼ無い。
 
当然大人もゴミを拾う習慣は無く、道路に落ちているものを子供が拾おうとすれば
「汚いから触っちゃダメ!」
と母親に注意される。
子供ごころに「ゴミ=汚いもの」とアタマに刷り込まれるので、ゴミを拾うことが不思議に思っても仕方ない。
 
それでも保育園の隣りの公園で、「親の了解をもらって」子供たちにハサミを持たせると、みんな嬉々としてゴミを拾っている。
 
なかには葉っぱでも枝でもなんでも拾う子もいるが、
 
「自然にできたものは自然に還るから、拾わなくてもいいんだよ」
 
と教えている。
 
人間が作ったもの、
タバコのフィルターや空き缶、ペットボトルやビニールはけっして土には還らない。
 
よく道ばたの排水口にタバコが捨てられているが、フィルターは溶けてなくならないことを捨てる人間は考えたほうがいい。
 
それでもいいことはある
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毎朝ゴミ拾いする娘に
「ごほうびだよ」
とお菓子をくれる人も。
 
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道ばたの植え込みのゴミを拾っていたら、大きな青虫を発見
 
「アゲハチョウになるんだよ」
 
と娘に教えてあげたら目を輝かして
 
「つかまえてほいくえんのみんなにみせたい」って。
 
「保育園の狭い虫かごに入れるより、ここのほうがしあわせじゃないかな?」
 
と言ったらちょっと考えて
 
「そうだね」って
(少しずつ「命」というものを分かってきているらしい)。
 
 
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「そのサンダル、なんていうの?」
 
今の子供たちは下駄を知らないらしい。
 
「妖怪は本来怖いもの」なのに茶化してお友だちにしてしまう妖怪ウォッチ」ではなく、you-tubeで「ゲゲゲの鬼太郎」を見ている娘が
 
「ゲタっていうんだよ~」
 
と得意げに教えていた。
 
以来、保育園の子供たちからは
「ゲタのゴミおじさん」
と呼ばれている
 
保育園の先生や父兄にも、この珍しい親子のことは知られてきたが、
だれもあとには続かない。
これを園児全員でやったらたちまち町のゴミは無くなるだろうが、園長先生から
「みなさんお忙しいので」って............。
 
自宅と事務所が一緒で通勤が無い私と違い、世間一般の親御さんは朝は忙しく夕方のお迎えもギリギリで、とてものんびりゴミなど拾っているヒマはない。
 
小さいうちから英語を習わせたり、むずかしい漢字や計算を覚えさせる前に、
もっと子供のうちから知らなきゃならないことが、世の中にはたくさんあるはずなのに..........
 
それにしてもこんなにゴミの落ちていない、キレイな国は世界にない
(ガムを捨てると罰金のシンガポールくらいか)。
 
アフリカもエジプトもモンゴルも(インドもフィリピンも)、国全体がゴミ捨て場..........。
 最下層の人たちはゴミ捨て場で食べられるものを探している
行政にゴミ処理能力が無いのと、国民に街をきれいにしようという道徳が無いのだから仕方ないが、落とした財布が返ってくる不思議な国ニッポンの、もう一つ世界に誇れることだナと、ほんの少しのゴミを拾いながら思う。