R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

砂漠のホタル

土曜は娘が通う保育園のパパ会を、私の事務所で開催した。
 
女の子のママたちはLINEを通じて不定期にママ会をやっていて、なぜか私もメンバーのひとり。
 
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5歳の年長組になり来春は小学生。
なので週1回午前中だけ、近所の小学校へスクールステイに行っている。
 
このとき私の事務所の前を通るので、「第1CP無事通過」した旨を写真付きでLINEで通知している。
 
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これは保育園に帰っていくところ。
 
子供の足で片道10分ほどだが、最近はこどもが巻き込まれる事件や事故が多いので、親御さんはみな心配。
これがパパで唯一LINEメンバーの理由。
無事通過の報告をすると喜ばれるが、今ではこれがデューティーに。
週1回スクールステイのある午前中は外出できない....。
 
でも子供たちが私の事務所の前で「パパ~!!!」と大声で呼んでくれるのが、実はうれしい。
用事で出かけて会えなかった日はあとで保育園にお迎えに行くと、子供たちから
「きょうはなんでいなかったの?」と詰問され返答に困る(おぢさんもたまには仕事するんよ.....)。
 
自宅と事務所が一緒かつ自営業者の特権だが、さすがに小学校まで護衛で付いていこうかと妻に話したら、
「あなたが一番あやしい人だからおやめなさい」って.........。
女性は冷静である。
 
女子のママたちは不定期に、食事会やキッザニアなどへ子供と出かけているが、
男の子のママたちは意外に集まる機会がないらしい。
男の子が数人集まると本当にうるさいので、集まれる場所が無いというのが理由とか。
 
私は毎日のお迎えで全員のお父さんの顔は分かるが、あわただしいお迎えではゆっくり話す機会もなかった。
他の父親同士は保育園の行事で会うくらいで、誰が誰のパパか知らない人も多い。
それでパパ同志の交流会をやろうということになった。
 
とはいえ居酒屋で子連れは店にもほかのお客さんに迷惑だし、仕事で遅れる人もいる。
 
田舎なら町の公民館を借りて宴会もできるが、こういうとき都会は本当に不便。
 
ならば子供が自由に遊べて時間も気にしなくていい、私の事務所でやることになったが、子供と大人合わせて30人以上がはたして入れるのか.....
 バイク仲間の飲み会で10人くらい集まることはあるが、今回はその3倍以上)
 
パパ会とはいえママも飲みたい人はいる。
シングルマザーだってたまにはハメを外したい。
 
そんなこんなで参加者募集を募ったら、
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大人19人、子供17人、総勢36人が集まった。
 
家にあるありったけのテーブルに椅子やソファを総動員したが、元気な子供たちは1階の事務所と2階の自宅を走り回って、じっとしていない。
 
おもちゃの取り合いやケンカで絶えず誰かが泣いていたが、階段から落ちたり家具にぶつかって怪我しないよう、交代でパパママたちが監視してくれた。
 

女の子たちは各々持ち寄ったドレスでコスプレに夢中。
 
ほとんどの家族がマンション住まいで、ふだんは「静かに歩きなさい」と怒られている子たちも、ここはなにをやっても許される「無法地帯」。
みんな大声で叫びながら走り回っている。
さすがにうるさくてゆっくり話もできないので、今回の幹事 Kくんのパパら数人が子供たちを近所の公園まで、「冒険」に連れ出してくれた。
 
今までの喧騒がウソのように静かになり、つかの間の会話を楽しむ。
来年3月の卒業まであと8か月。
BBQやキャンプなど今後の予定を話し合った。
 
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冒険に行くのにKくんのパパが全員に持たせてくれたサイリウム
作業で使うので大量に買い置きがあるらしい。
 
暗いなか蛍光色のサイリウムの明るさに、気分はインディジョーンズか(って5歳児では分からないか)。
子供たちみんなで公園に行って、夜空を見ながら宇宙人の話しで盛り上がったらあしいが、
「おとなにはないしょなんだよ」と教えてくれない。
冒険した者だけの秘密らしい。
 
サイリウムにはほろ苦い思い出が。
 
初出場の2004年ファラオラリー2日目でクラッシュ、
あばらにヒビが入ってしまい、転倒したバイクが痛みでなかなか起こせない。
砂に埋まったバイクを掘り起こそうにも力が入らないのに、痛みにこらえきれずその後、何十回も転倒した。
 
転んでは走りまた転倒を繰り返しているうちに、あたりは暗くなってきた。
ファラオは1日の走行距離が400km以下で、明るいうちにゴールできると聞いていたのでマップホルダーに照明は無い。
バイクのヘッドライトもどノーマルで「ちょうちん」程度の明るさ。
モンゴルのゴビ砂漠でも思ったが、「月の砂漠」の月明かり程度では十メートル先も見えない。
 
とりあえずコマ図が見えないと走れないので、緊急用に積んでいたサイリウムを折り、マップホルダーにテープでとめて、少しでも明るくなるようにヘルメットにペツルのLEDライトを付けて走り出した(って気やすめだが)。
 
真っ暗な砂漠を走っていると、数キロ先がぼんやり明るい。
 
近づくとリタイヤした人が後方から来るスイーパーに自分の位置を知らせるため、バイクやクルマにサイリウムを差していたが、蛍光色がまるで「砂漠のホタル」。
 
リタイア者には通りがかった4輪の選手たちが、水や食料を落として行ってくれるので、度重なる転倒でラジエーターの水がこぼれて、ガラガラ音がするバイクと自分の飲み水を、リタイア者から少しずつもらいながら走った。
 
そんな「砂漠のホタル」を何度も見ながら、やっとゴール地点のキャンプに着いたときの感動は、今もありありと思い出す.......
 
夜9時になりこれからはパパたちの時間。
ママは子供たちを連れて帰っていただくことに。
 
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10人ほどいたパパも時間が経つにつれ、ひとりまたひとりと帰っていく。
最後に残った6人で1時まで話し込んだ。
53歳の私が最高齢で他は全員40代。
仕事も皆さまざまでこんな集まりでもない限り、話す機会は無い。
 
次はバーベキューかプール、秋になったらキャンプも行きたいねと相談した。
 
小学生のお兄ちゃんを持つパパは、ファミリーキャンプやバーベキューも馴れているらしく心強い。
私といえばキャンプはラリー以外ですることはなく、主催者が用意してくれたので料理もしないしバーベキューもしたことがなかった。
 
じつは「なんちゃてアウトドアおやぢ」だった。