最後に会ったのはちょうど東日本大震災のとき、
私の事務所に彼が遊びに来ていたとき、地震が起きた。
以来会っていないがフーテンの寅さんのような人なので、どこかで元気に暮らしているのだろう。
たまに彼の友人から
「Kと連絡が取れない」
と連絡があると、
「また(刑務所に)入っちゃったかな?」
なんて思ってしまう(でもこちらから連絡しないけど)
彼が逮捕されたときは力士が野球賭博で捕まったが、どんなに世の中が変わってもこの手のギャンブルは無くならない。
子供のころから野球に興味が無く(父は大洋ファンだったが)、20数年前バブルのころ。接待で巨人戦をドームで見ただけ。
以後ドームといえばストーンズとX・japanの大晦日コンサートに行ったが(メンバーの自宅を世話したお礼でもらったチケットだが、前から3番目のVIP席なのに曲を知らないうえに、好きなジャンルでないのでひたすら居心地が悪かった....)
長野の義兄は熱烈な巨人ファン。
定年退職した今は年に1,2度、姉と二人で高速バスに乗って、日帰りで巨人戦に見に来るらしい。
義兄に電話してチケットがあると伝えると、
「いくよ!」
と即答。
2日後だったのでチケットを速達で送り、私も付き合うことに。
「まぁ9回まであるんだから」と、6時開始のところ6時過ぎにドームに着くと、すでにたくさんの人でごった返していた。
座席は前から18番目で、目が悪い私でもちゃんと見える。
ジャイアンツのタオルを首に巻いて、すっかり盛り上がっている姉夫婦。
酒好きの義兄は焼酎のお茶割りをペットボトルに入れて、ちびちび呑んでいる。
野球に興味のなかった姉も結婚して30年、
シーズン中は毎晩ナイターに付き合わされているので、すっかりジャイアンツファンで野球も詳しい。
巨人も阪神も私が知っている選手といえば、清原、松井、バースくらいだが、当然もういない。
3塁にバントの職人 川相がコーチでいるのを、義兄に教えてもらって知った。
他人がやる野球やサッカーを見て、何が面白いのかと思っていたが、ここに来て応援している人を見ているほうが面白いことに気付く。
レフト側は阪神応援団。
満員で5万人?のところ、多く見ても1万人いないだろうが、圧倒的多数を占める巨人応援団に勝るとも劣らない熱烈ぶり。
次期監督と騒がれている高橋由伸が代打で出場、
やっと知っている選手が出たと喜んだら、ヒットを打って勝ち越し。
9回表、阪神に同点にされて「延長か」と思ったが、寺内がヒットを打ちサヨナラ。
周りの巨人ファンが総立ちして、思わず私も立ってしまった。
帰りぎわに姉が
「私たちがドームに来るとほとんど負けるのよね
このあいだも家に着くまでバスの中で口きいてくれないから、今日勝ってホッとした」って。ファンも大変である。
どうせ選手は知らないので、巨人戦でなくてもたまには見に来てもいいなと思った。
夜の六本木や銀座の高級クラブに行けば、2回に一度は野球選手に会える。
といっても会いたくて会うわけではなく、カラダがデカく声も大きい彼らはいやでも目立つ。
取り巻きも多くいつもチヤホヤされているので、同じ金を払って飲みに来ている客からすれば、おもしろくないだろう。
一番人気のジャイアンツ選手ならなおのこと。
今回も20代の2人が賭博に関わったというが、高校生からいきなりプロでは社会経験もないし、学生時代も野球漬けだったら、社会常識はない。
なにより特殊で閉鎖的なプロの世界
言葉巧みな甘い誘いも多いだろうし、飲み屋でも見るからに怪しそうな輩とつるむスポーツ選手や芸能人もいる。
お上が胴元の公営ギャンブルも還元率が低いが、非合法のギャンブルもシロートが必ず損をするのは、時代劇を見ていてもわかること。
まだまだ芋づる式に捕まるのだろうが、大相撲と同じく徹底的に「膿」を絞り出して、きらきら目を輝かせながら応援している子供たちを、これ以上ガッカリさせないでほしい。