ゴールデンウィーク後半の3,4、5日、長野の実家に帰省した。
「冬は寒いから来なくていいよ」
という姉の言葉を聞いて、両親には申し訳ないが帰省しなかったので、
妻と娘が来るのは去年の夏休み以来。
3年前亡くなった父親とご先祖様に、小学生になったことを報告するため、ランドセルを持って来た。
墓参りのあと、墓地のとなりのお寺に登ってみる。
小学生のころはよくこの山で遊んだが、40数年ぶりに来てみると何も変わっていなかった。
むかしはこんな山だらけの田舎がいやだったが、今はほっとする。
地元のフルーツ街道を走り、墓参りの次に向かった先は
施設に入院中の母親のお見舞い。
ここでもランドセルを背負ってみせると、動かない不自由な手で娘の手を握りしめ、ずっと離さない。
脳梗塞でしゃべれないが、目を見開いてじっと娘のことを見つめている。
あとで毎日世話に来ている姉に話すと、
「私が行ってもほとんど反応が無いのに、やっぱり孫の力はすごいわね」
とか。
寝たきりになって3年、
毎日、孫を連れて来ていたら、ひょっとして回復したんじゃないか?
なんて思うと長男なのに遠く離れて何もできない自分が、本当に情けなくなる。
やさしかったおばあちゃんが、今はしゃべらず動かないのを気味悪がっていた娘も、今日はずっと話しかけてくれていた。
孫を見せられたのがせめてもの親孝行か.....
そう自分に言い聞かせて、今回も病院をあとにした。
帰り道、また小布施の淨光寺のスラックラインに立ち寄った。
スラックラインを使ったブランコに興じる母娘
「せっかく周りに自然があるのに、家でゲームばかりしている子供たちに、遊びの場を提供したい」
そんな住職の善意で無料開放している。
本当はここでスラックラインを買って帰りたいが、悲しいかな東京に遊べる場所は無い。
せっかくなので長野の茶臼山動物園にも、足を延ばした。
広い敷地でキリンやシマウマを眺め
「レッサーパンダの森」
実はここは日本でも有数のレッサーパンダの楽園らしく、十数匹のレッサーがすぐ手の届きそうなところで、暮らしている。
先日行った上野動物園は、山羊のエサやりを中止していたが、ここではやり放題。
人だかりができていたので、なにかと近づいたら、1mくらいのヘビの肩かけ体験。
本人はホンモノと思っていなかったようだが.....
人の多い都会の動物園では考えられないような、のんびりしたところがいい。
夜は姉から
「先日結婚した甥っ子夫婦が帰ってくるから、ごはん食べにおいで」
と招待されたので、お邪魔した。
こしあぶらにワラビ、ゼンマイなどなど、近所の人が採ってきたという山菜を姉がてんぷらにしてくれた。
甥っ子が奥さんを連れて帰ったので、姉夫婦もうれしそう。
本当は長男の彼が家を継いでくれるのが、一番いいのだが、
「それはもうあきらめたよ」
って、義兄がポツリ。
まだ独身の次男に期待しよう。
翌日は去年行った「戸隠忍者村」に行こうと思ったが、朝6時に起きると外はザーザーぶりの雨。
長野は晴れていれば遊ぶところはたくさんあるが、雨が降ると行くところがない。
「今日はなにをして過ごそうか.....」
とちょっと憂鬱になったが、8時ごろ雨も上がり晴れ間も出てきた。
が、今から戸隠に行っても大渋滞は必至。
ならばと家から30分の菅平高原に向かう。
快晴
実家から持って行ったプラスチックのそりで、スキー場の斜面を滑る。
かなりの斜度があるが、プラスチックはあまり滑らない。
段ボールのほうがよかったか?
それでも50mくらいから滑ったら、けっこうスピードが出て
「こわい~~」
と絶叫して喜んでいた(たぶん)
山の上の牧場へ行ってみる。
「動物とふれあえる」と書いてあったが、来週からとのこと。
な~んだ」とガッカリしたが、標高が高いので風が冷たく、じっとしていると震えるほど。
こんなところにヤギやヒツジを放しても、まだ寒くてかわいそう。
下界に下りると初夏の暑さ
そして地元の須坂動物園に行くと、羊の毛刈り体験をやっていた。
こんなこと上野でやったら2時間待ちだろうが、ここは数人の子供だけ。
田舎ではこんなこと、めずらしくないのだろう。
バリカンかと思ったら大きなハサミでジョキジョキ、一人5分くらいやらせてくれる。
刈った羊毛はもらえるので、フェルトの人形でも作ってやろうと思ったが、帰京して洗剤で洗っても強烈なにおいは取れず.....
脱脂するのも面倒なので、娘には悪いが捨ててしまった。
ここに来ると必ず乗る消防車
「日野レンジャー」とはわかっていない娘だが、次の順番を待つ子がいてもおかまいなしに、ずっと乗っている。
そして動物園のとなりの臥龍公園でボートに乗る。
妻と娘で漕ぐが、グルグル回るだけでほとんど進まない。
動物園の裏手の駐車場に車を停めたが、5時で動物園は閉園してしまい、中を抜けることはできない。
ならばと私が子供のころホームグランドだった、後ろに見える臥龍山を歩いて超えることに。
標高200mくらいの小さな山だが、娘は嬉々として狭くて急な山道を登っていく。
子供のころここで自作のそり遊びをしたり、小学校の体育の授業でスキーもやった。
カーブを曲がり切れずガケ落ちする子供がたくさんいたが、不思議と大ケガはしなかった。
ヘビや昆虫もたくさんいたが、東京の公園のように立ち入り禁止にはなっておらず、子供の楽園だった。
ここも数十年ぶりに登ってみたが
「こんな小さかったのか」
と思うほど、すぐ山の上に出た。
夏に来られるなら、もうすこしゆっくり虫取りや冒険ごっこをしてやろう。
夜は娘の一番のお楽しみ。
市営の温泉施設「湯っくらんど」へ
「小学生になったんだから、もう男湯はダメ」
妻にそう言われ、娘も私もしぶしぶ別々の風呂へ。
「温泉天国」長野に生まれながら、実は温泉は好きではない。
ダラダラと長湯するのも嫌だし、出たあともダラダラと汗をかくのが大嫌いだったが、娘と一緒に入る風呂は別で楽しかった。
なのでひとりボーっと入っても「つまらない」ので、10分もしないで出てしまった。
そして娘と妻が出てくるのを、汗をダラダラかきながら待つこと30分以上。
娘のアタマのなかは
「温泉=ラーメン」
と思っているらしい。
ほとんど一人で食べてしまった......。
翌日5日は朝7時半に実家を出発し、東京へ向かう。
数年前なら午後2時までに藤岡まで来れば渋滞しなかったが、今は12時に藤岡で渋滞している。
それでも休憩した横川SAはほぼ満車で、関越も流れてはいるがクルマはたくさん走っていた。
10時半に無事到着、
「あたしもおてつだいする~」
とゴシゴシ。
でも同じところばかり洗っていて、キレイにならないんだよね.....
連休明けに小学校へ。
4月は正門まで送っていたが、この日は
「ここからじぶんでいくからパパはかえって」
って.............
こんな日が来るのは分かってはいたが、心配なのでついて行こうとすると
「ついてこないで!」
って......
妻にメールすると
「友達も一人で来てるから恥ずかしいんでしょ」
そうなのか.....
まだ6時のお迎えはさせてくれているが、これもそのうち一人で帰ってくるのだろう。
友達もたくさんできて習い事も増えると、休みに親と出かけてくれなくなるという。
あと何度、母親に娘を会わせてやれるのか.......