週末は 「DOA」(ドアオブアドベンチャー)のお手伝いで、マザー牧場へ。
去年はスタッフで参加予定だったが、娘が保育園の仲良し女子たちと行くキッザニア東京と日程がかぶり、
「そりゃホコリっぽいキャンプよりキッザニアだよね~」
妻のひとことで却下されたが、今年はなんとか大丈夫。
土曜早朝に家族で行く予定だったが、小学校は土曜半ドン授業だった。
「休ませちゃおうか」
なんて思ったが、保育園と違い小学校は義務教育。
子供を預かる先生たちも本当に真剣にやってくれているので、ズル休みは申し訳ない。
なので私は朝イチでバイク、妻と娘は午後クルマで来てもらうことにした。
なので私は朝イチでバイク、妻と娘は午後クルマで来てもらうことにした。
私はタービュランスIさんとCP3らしいが、ひょっとして林道のなかのCPだと、バイクでダートを走らなければならないかも?
林道を走るなんて2年前の北海道4デイズ以来なので、ちょっと(かなり)自信が無い。
とりあえずブーツだけでも買おうと、2年ぶりに川崎のヤシの木のお店へ向かった。
輸入元のジャペックスのサイトを見ても、私のサイズ26cmから27cmは品切れ状態。
ここに無ければ他を回って探すつもりだったが、なんとすべてのサイズで在庫があった(ここが買い占めていたのか?)。
オフっぽい作りのツーリングブーツだが、とにかく軽い。
頑丈だけど見た目ゴツくて高速のSAで浮いてしまう、本格派オフブーツはもう要らないだろう。
ゴアじゃないのもあるらしいが、アウトドア好きにとって「ゴアテックス」は、魔法の言葉。
S師匠からも
「ゴアのほうが蒸れないよ」
と言われていたので、値段はちょっと高いがこちらにした。
北海道4デイズでもスガワラじ~じからブーツを借りたが、あちらはアルパインスターのゴアだったような。
昨今のビッグオフブームの影響なのか、一番売れているとか。
それも圧倒的に中高年が多いという。
普段のサイズは26cmだが、典型的な日本人の足型ゆえちょっとキツイ。
とはいえ27cmだとカカトが浮いてしまうので、26.5cmを購入した。
(もしここでサイズが無かったらと思うと、ゾッとする)
ありがとう!パームスプリング
DOAの受付は朝5時(!)
去年は6時だったらしいが、140台以上のスタートはかなりの時間を要し、行方不明者やトラブルでゴールも遅くなったので、1時間早めたとか。
自転車レースやマラソンも朝は早いが、まさか5時とは.....
スタッフなら1時間前には着かないとならないから、自宅を出るのは3時か??
日曜は11時から娘はバレエ教室、私も用事があって12時までに戻らなければならないが、私がバイクだと帰りも妻が車を、運転しないとならない。
津田山ブラザースのK君が息子とスタッフで来るというので、お願いして金曜夜、トランポに同乗させてもらった。
10時に出発してアクアライン経由で11時には現地に到着。
マザー牧場から歩いて数分のところが実家という、スタッフSさんの家に泊めてもらうことに。
主催者のY原さんはじめ、いわきのSさん、千葉のSさんら、いわきツーリング以来の懐かしい面々と、ひさびさに再会。
菅原爺のスポンサーさんで、日本一のチタンボルト屋さん「ベータチタニウム」代表Kさんとも、初めてお会いできた(このイベントにも協賛されているとか)
じ~じの友達というから、勝手におじいちゃんかと思っていたが、私と同年代だった(スミマセン.....)。
翌朝は4時起きなのに、昔ばなしに花が咲き、おやぢたちの濃ゆ~いハナシは尽きず、やっと1時半過ぎに就寝。
おととしの北海道4デイズ以来の寝袋だったが、風邪気味だったので10秒で深い眠りに落ちた.....
翌朝、Y原さんから
「sinaさんのいびきがものすごくて、ほとんど眠れなかった」
って(カゼデハナガツマッテイタノデ、モウシワケナイ..............)
参加賞などたくさんの景品をクルマに積んで、いざ出発
と、ホントに数十秒で到着。
快晴だが風が冷たくて寒い(自走じゃなくてよかった)
テントは前泊の参加者たち
左の一団はスタッフ
私もスタッフ用としてブルーのパーカをいただいた。
車検を済ませた140台が並ぶ姿は、壮観のひとこと。
芝生に並ぶバイクを見て、スウェーデン4デイズエンデューロを思い出した。
地方のディーラーではまだ試乗車もないらしいが、アフリカは合計6台も参加していた。
DOAのコンセプトはあくまで「コマ図を使ったツーリング」
ラリーなら車検を済ませてパルクフェルメにバイクを入れたら、スタートまで出すことはおろか触ることも出来ないが、自分のテントにバイクを持ち帰ってコマ図をセットしたり、ゼッケン順に並んでいなかったりと、かなりユルくて戸惑う。
みんなラリーをしに来ているんじゃなくて、コマ図ツーリングをしたいのだから、ヨソのラリーイベントのような厳しいレギュレーションやペナルティは、野暮というもの。
平均年齢50歳以上とオトナのイベントなので、これはこれでいいのかもしれない。
7時になってゼッケン順にスタート。
Y原さんのカウントダウンが、エントラントを「その気」にさせる。
「よくぞこれだけ高級車が集まったものだ」
というくらい、BMWやKTMの最新型が多い。
と思ったら、仙台のワコーさんだった。
まぁ好きで来てるヘンタイだから、フツーのオフ車では満足できないのだろう。
仙台まで450km帰らなきゃならないんだから、せいぜいお気をつけて。
(「バイク買うより嫁もらえ」って、気のせいか親御さんの悲痛な叫びが聞こえてきた)
145台の参加者リストを見ても、知っている名前はGS一筋のM田さんと、往年のカジバエレファント使いのTさんだけ。
Y原さんも
「半分以上が初参加」
とか。
スタートして2時間ほどで1200GSが帰って来た。
50kmくらいのところでエンジンがかからなくなり、一般道を下ったところのGSでジャンプスタートしてもらい、なんとか帰って来た。
バッテリーか発電機がダメらしいが、ここでリタイア。
まだダートも走っていないという。
それでも懲りずに「秋も参加します」って。
CP3の開設時間は午後1時半からだが、ラリーのようにCP早着のペナルティは無いので、みんな早く来るという。
すでにCP2を通過した人もいるようなので、11時半にあわてて出発。
「去年は行方不明者が出て、5時過ぎまでCPから離れられなかった」
というので、コンビニを探して海の近くまで下りて、飲み物やお昼ごはんなどを買い込む。
そしてCP3開設。
おなじみの野犬2頭と、年中ツナギのタービュランスIさん
こんな風体だが実は2輪でパリダカを完走した超エキスパートなことを、知る人は少ない。
こんなラリー慣れした少数精鋭のスタッフが、しっかり脇を固めている。
12時半を過ぎたころから、エントラントがバラバラやってきた
手前の林道で1200GSがクラッシュしていたと、エントラントが話していた。
ライダーは無事らしいがガードレールにぶつかって、Fフォークが折れリムも割れてしまい、自走は出来ないとか。
イベントの性格上、スタッフは一切手助けせず、各自でJAFなどレッカーを呼ぶ。
当の本人もレッカーでキャンプに到着していた。
2時に妻から無事到着したと連絡があった。
これから娘とマザー牧場へ遊びに行くという。
タンデムで参加の親子も。
タンデムベルト無しで息子さんが、お父さんにしがみついていた。
うらやましい光景だが、娘を乗せてダートを走る勇気が、私には無い。
ここからあと50km、ちょっとだけ難所もあるらしいが、気を付けて。
「パリダカ男」三橋選手のアテンドによる、レイドツアーの人たちもやってきた。
子供のころからやっていればなんでも上達するだろうが、バイクやゴルフなど大人になって始めるスポーツは、自己流ではなかなか上手くならないもの。
若いころ毎週のように走りに行けた人はいいが、家庭や仕事がある中高年はなかなか走りに行けないし、給料すべてをバイクにつぎ込むことは許されない。
速い人たちと走りに行って、無理して怪我したりバイクを壊すその前に、プロのアドバイスを受けながら走れるツアーは、おカネを払ってでもぜったいにおススメだと、BOGTで、プロライダーのヨシトモさんのスクールを体験してみて思う。
3時を過ぎて最後尾を走るスイーパーの、ナメネコSさんがやってきた。
彼も元トライアルライダーで、相棒の18万kmのDR-Z400と一緒に、道なき道も走ってしまうツワモノ。
さっき壊れたGSの人と一緒に走っていた人が、CP3にやってこない。
どうも一人で走るのが不安になったのか、ゴールに戻ってしまったらしい。
マップホルダーもオドメーターも無いバイクで来たり、林道がイヤだから勝手に帰ってしまったり....
予期せぬトラブルが起きるのが、このイベントの醍醐味か。
この日は快晴で気温もぐんぐん上昇。
ワンコたちも日陰でのびていた。
CPを閉める3時半を過ぎても、行方不明者は来ない。
仕方ないので4時まで待って、ナメネコSさんはスイーパーとしてオンコースへ戻り、
われわれはキャンプに戻ることに。
キャンプまでの道で思うのは
「このルートを作るために、Y原さんは重たいGSで毎週、走れそうなダートを探していたんだなぁ....」
そこらじゅうに林道がありそうな千葉県だが、それは何十年も前の話し。
今はほとんどが舗装か行き止まりか、歩いて抜けるのも困難なケモノミチだという。
(ゲロリストたちが聖地と呼ぶほど、「千葉はゲロ道ばかり」と思い込んでいたので、さわやかツーリング好きな私は、実は千葉の林道を一度も走ったことが無い)
数台なら行き止まりの林道も走れるが、100台以上がピストンの林道を走ると、往く人と返る人が衝突する可能性もあるので、どんなに狭くても抜けられる林道でないと使えない。
Y原さんがケモノミチを入っては行き止まりを何百回も繰り返し、今日のルートが出来ている。
今日の行程200kmのうち林道(というかダート)は、わずか数キロかもしれないが、
誰もが最後のCP3にたどり着き、ヘルメットを脱いだその顔は砂漠を何百キロも走ったような、大汗かいて疲労困ぱいの様子。
それでも仲間とあーでもない、こーでもないと、楽しそうに話している様子を見て、
「自分も昔はこんなだったかなぁ」
なんて懐かしく思うとともに、Y原さんの苦労も報われたんじゃないか。
ゴールのマザー牧場に到着すると、ほとんどのエントラントが帰っていた(行方不明者も)
これがラリーならどんなに疲れていても、翌日走るために整備をしなければならないが、イベントは今日でおしまい。
各自ビールを飲みながら仲間と話したり、シャワーを浴びたり他の人のバイクを眺めたりと、思い思いのことをして余韻を楽しんでいるようだ。
しばらくすると妻と娘が帰って来た。
「あのね、こひつじがうまれたんだよ」
とか
「カピバラがみずにはいっていたよ」
などなど、数年前に来た時のことは覚えていないらしいが、いろいろ楽しめたらしい。
今日のお宿はこちら
協賛しているコールマンさんの大型テントを貸してもらった。
大人5人が眠れるくらい大きい。
テントといえばファラオラリーで使った1人用しか持っていないし、10年たった今でもひっくり返すと、砂漠の砂がポロポロ出てくる。
家族でキャンプに行ってみたいが、大型テントもダッジオーブンもタープも、なにも持っていないし、気の利いた料理も作れない。
キャンプ道具一式買おうかとも思ったが、子育てを経験した先輩方から
「子供が大きくなったら誰も一緒に行ってくれなくて、キャンプ道具が物置で泣いている」
なんて話を聞くと、たぶん我が家もそうなることは目に見えていて、踏ん切りがつかない.....
娘にとって今日が人生初キャンプ
いい思い出になるかならないかは、私のウデにかかっているが、テントは100点満点だろう。
6時になったのでマザー牧場の食堂へ、夕食のBBQを食べに行く。
ラリーのスタッフといえば行方不明者の捜索や、食事の手配、翌日の準備などなど、本当にやることがたくさんあるので、食事なんて食べられないかも?と覚悟していたが、この時点で私にできることは無いらしい。
キャンプ場から食堂まで、K君父子と一緒に行く。
すでに閉園しているので今日は貸し切り。
そしてジンギスカンも食べ放題。
昼はヒツジ見て{カワイイ}って言って、夜はヒツジ食べて{おいしい}って
人間はなんて身勝手な生き物なのか......
(でも何度もおかわりしてしまった)
むかしJRMで働いていたS君がエントラントで来ていて、10年ぶりくらいに再会。
S君は髪を赤く染めていたので、娘が
「パパ~ あのひと おに?」
と真顔で聞いてきた(絵本の鬼は髪が赤いのだ)。
「そうだよ、おこらせると食べられちゃうよ」
というと
「きゃーこわい~」
と言いながら、S君の脇腹を指でつんつんしている。
S君もそのたびに
「がお~~!」
と相手をしてくれて、娘も大喜びだった(食事中お騒がせしてスミマセン....)
夜ライブをやる「ダニー坊やと油井ジョージ」の楽器で遊ぶ娘。
「メリーポピンズにでてきたよね~」
って。
そんな彼らのライブが始まった
まだまだ宴たけなわだが、9時になったので妻は娘を寝かせにテントへ。
私はスタッフのSさんや、国産マップホルダー制作のRC7さんらと、地元の日本酒で乾杯。
2杯飲んだところでもう酔っ払い、朝早かったので寝不足もあり、テントに引き上げた。
それにしてもこのテントは快適だ。
夜、雨が降って外は肌寒いが、テントのなかは汗ばむくらい。
寝袋に入って寝たが、暑くてファスナーを全開にしたほど。
妻も娘も私も、翌朝まで爆睡した。
翌朝も快晴。
5時くらいに目が覚めた。
悲しいかな習性で、起きてすぐ寝袋をたたみ撤収準備をしていた。
今日は走らなくていいんだと気づいたが、今さらもう眠れないのでキャンプサイトをウロウロ。
ふだんは起こすまでずっと寝ている妻と娘も、今日は起きてきた。
娘は散歩中の「銀河3号」と「太郎」に話しかけているが、こんな大きい犬は初めてなので、怖くてこれ以上近づけない。
なんともほのぼのとした光景
「キャンプたのしい?」
「とーってもたのしいよ~」
「またこようか?」
「つぎもこのテントがいいな~」
って.....
最近はゴージャスなキャンプが流行らしく、「グラマラス」と「キャンピング」を足した、「グランピング」なる言葉もあるらしい。
そういえばエントラントはみんな本当にいいテントを張っていて、古いのはワコーさんの水漏れする20年モノくらいか。
最新の大型テントとタープ、テーブルとチェア一式で、ウン十万以上するらしい。
置く場所も大変だが、これから何度、家族で行けるのか考えると、ちょっと手が出ない。
秋のDOAは福島らしいが、また家族が来てくれるなら、こんな一式レンタルがいいかもしれない。
LEDランタンを持っていなかったので、
「どうせ防災上必要だから」
と金曜日、あわててホームセンターで買ってきたが、レンタル一式のなかにランタンもあって、本当に「寝袋だけ」あれば大丈夫。
マザー牧場で開催する意味は
ファミリーにとって本当にいいイベントだと思うが、参加者の平均年齢が高いので、
「子供が大きくなって誘っても来てくれない」
という人が多いのはもったいない。
スタッフ含めて独身のおぢさんも多いようなので、いっそマザー牧場を巻き込んだ、「合コンDOA」なんてのも面白いんじゃないか(これ以上仕事を増やすなって、スタッフの苦情が聞こえてきそうだが....)。
でも奥さん子供を無理やりでも連れて来れば、きっと楽しいと思うのだが。
なにより厳しいルールでがんじがらめの、「管理されたツーリング」のようなラリーイベントより、ほどほどにユルユルのDOAが支持されるのが、わかる気がする。
「ドア・オブ・アドベンチャー」の意味は「冒険のトビラ」
「私が冒険のトビラの入り口まで導いてあげよう。あとは自分でガンバレ」
みたいな内容だったような.....
主宰者のY原さんも
「このイベントを経験して、さらに上のTBIや北海道、モンゴルや海外ラリーを目指す人が現れれば」
との想いで始めたらしいが、楽しい北海道4デイズはまだしも、TBIは朝から晩まで毎日500km、難行苦行の様相らしいので、DOAからステップアップする人は少ないそう。
今では
「DOAを完走するのが目標」
という人も多いらしいが、昔に比べればバイクも高価になり、クルマより高い車種も当たり前。
そんなバイクを惜しげもなく、倒したり投げたりするのは、本当にもったいないし、全然カッコよくない(と、今になって思う.....)
娘も
「らいねんは(ともだちの)みうちゃんと、かのんちゃん、あやねちゃんときていい?」
って。
とりあえず妻と娘は今回のキャンプに、大満足してくれたらしい。
でもスタッフが足りなければ、もちろんそっちでもいいですよ。
K君が息子用に持って来たミニバイクを借してもらい、娘を前に乗せてキャンプ場を走り回る。
タービュランスIさんが撮ってくれた。
54年生きてきて、こんな楽しそうな顔は初めてかも。
娘もよほど楽しいのか
「もっとのりたい~」
となかなか下りてくれず、30分アシを上げっぱなしで走っていたら、昨日の夜から筋肉痛。
と、楽しい時間はあっという間に過ぎる。
タービュランスも犬に運転させて帰って行った。
われわれも11時のバレエ教室に間に合わせるように、Y原さんやスタッフのみんなに別れを告げて、8時半にキャンプ場をあとにした(片付けせずにスミマセン)。
アクアラインも首都高もガラガラで、1時間かからず帰宅できた。
「ごしごし」
雨で汚れた車の洗車も、しっかりお手伝いしてくれた。
Y原さん、すばらしい体験をありがとう。
スタッフのみんなもひさびさに会えて、本当に楽しかった。
次は秋にお会いしましょう。