R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

地球何周分?

火曜日の夜、チームスガワラの日野レンジャーが、モンゴルラリー参戦中止を発表した。


日野チームスガワラの日野レンジャー2号車(ドライバー菅原照仁氏)は、78日~24日にロシア~カザフスタン~中国で開催されたシルクウェイラリー2016に参戦した後、87日~14日にモンゴルで開催されるラリーモンゴリア2016への参戦を予定しておりましたが、諸般の事情により参戦を中止することになりましたので、ここにお知らせいたします。



不参加の公式発表の前日の月曜日、テルちゃんに会っていた。

イメージ 1
2階事務所にはテルちゃん1人で他には誰もおらず。
パソコンとにらめっこをしているので、どうしたのか聞いてみたら、
「明日カザフスタンに行くので、飛行機を探している」
とのこと。

シルクウェイラリーから帰って来たばかりなのに、なんでまた?

北京にゴールしたあと、モンゴルに向けて出発しようとしたら、中国当局からモンゴルへは出せないと言われたとか。
こんなことは海外ラリーをしているチームスガワラにすれば、日常茶飯事。
今回も事前に何度も、ラリーのあとモンゴルに行くことを、当局に確認して了解を得ていたというが、それでもこんなことは起こるのだから、仕方ない。

シルクウェイラリー参加車両のうち、ヨーロッパ勢はコンボイで帰るらしい。
それに混ざっていけばまたロシア経由になるが、ウランバートルへは行けるという。
いったん帰って来たテルちゃん以外の、スーさんやタカハシ君、スギウラ君らスタッフは、数日前からカザフスタンに向けて走って、今日到着したらしい。

それを追いかけてテルちゃんがカザフスタンのアスタナで合流し、ウランバートルに行くのだが、モンゴルラリーのスタートに間に合わないのが、今回の中止の理由だろう。
ならわざわざモンゴルに行かなくても、そのままウラジオストックから船で日本に送ればいいのでは?
と思うが、手続き上は北京からウランバートルに行って、ウラジオストックに行かなくてはならないのだ。

日本からシルクウェイラリーのためにウラジオストックに船で送り、
ウラジオからスタートのモスクワまでが9000km
モスクワから北京までのシルクウェイラリーが1万キロ
北京からカザフスタンまでが5000km
カザフスタンからウランバートルが5000km
ウランバートルからウラジオがまた1万キロ.....

ってわずかひと月足らずのあいだに、何万キロを走るのか...........
(モンゴルラリーも走っていれば、プラス4000km!)

そもそもカザフスタンって、シルクウェイラリーで通過してきたルートを、また走るのか。
(グーグルアースで地図を見れば、その途方もない距離が理解できる)
北京からウランバートルなら2000kmくらいで行けたのに、
ってそれでも2000kmとは,,,,


一日バイクでツーリングして800km走ったなんて自慢しても、彼らの距離感の「壊れっぷり」からしたら、まるで子供のお散歩。
TBIや北海道4デイズはどんなに迷っても必ず一般道に出られるし、なによりどこでも言葉が通じるが、世界の辺境の地では「ワンツースリー」の英語さえ通じない国がほとんど。
テロも怖いが山賊のほうがもっと怖いし、貧しい彼らにとってヒトの命の値段は、パンより軽いかもしれない。
そんな危険もかえりみず走る彼らに、あらためてプロの凄さを感じた。

地球一周が約4万キロというから、ちょうど1周してくる感じか。
もっと排気量の大きいカマズやタトラなら、同じ距離を走るのももっとラクだろう。

カザフスタンのアスタナと聞いて、ツールドフランスなどのチーム名にもアスタナがあったなぁと思ったら、テルちゃんが
「そのアスタナですよ」
って。
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地下資源が豊富で資源バブルになり、世界中に投資しているらしい。

そのアスタナの市街地がこれ
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イラストかと思ったら写真だった。
テルちゃん曰く、なにもない荒野を数百キロ走っていたら、突然こんな未来都市が現れてびっくりしたらしい。
設計は黒川記章とか。

カザフスタンなんてトルコみたいに民族衣装を着た人ばかりかと思ったが、実は超近代的な国になっていたのか。

なにはともあれチームスガワラの無事の帰国を、遠い日本からお祈りしています。