R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

試練

毎朝、自宅の中庭、というか軒下からアドベンチャーを出すのが日課になっている。

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100GSはカバーもかけず外に出しっぱなしでも、盗難の心配はなかった。
ディーラーの原さんも
「イモビが付いてからアドベの盗難被害は聞いてません」
とおっしゃるが、たまたま今月のノルマが足りない窃盗団に見つかったら、持って行かれるかもしれない。
なので夜は出し入れしづらい中庭に置いて、ハンドルロック、ディスクロック、BMW純正アラームに車体カバーをかけている。

アラームの音は強烈で、もし夜中に窃盗団が鳴らしたら、彼らは逃げてしまうからいいが、静かな住宅地に鳴り響くブザー音は、近所迷惑この上ない。

念には念を入れて、地球ロックにキタコロボットアームも考えて、地球ロック用にコンクリート40kgと長シャックルも購入したが、ロボットアームは10kg以上ある。
「ホイールにキズがつく」
と言われ近所の「にりん館」へ見に行ったが、チェーンで10万はなかなか売れるものではないのか、在庫はなかった。
かわりに8kgのチェーンを持ってみたら、これがとてつもなく重い。
盗難は心配だがこれ以上重いキタコを買おうか思案中....。

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中庭から道路に出すのに、まずこの小さな「坂」を「押して」越えなければならない。

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高低差20cm、幅1mほどの「登り」だが、都会の悲しさか家が密集しているので、エンジンはかけられない。
ハンドル幅しかないので、道路から入れるときもひと苦労。
一度100GSに乗ったまま入れようとしたら、バランスを崩して花壇の角でタンクを凹ませた......

助走距離が無いので人力で押し上げるのは、100GSでもひと苦労。
なので盗まれないのをいいことに、外に停めるようになった。

100でさえ大変なのに、さらに重いアドベンチャーが上がるはずもない。
なので「上り坂」に前輪がかかった一瞬だけ、エンジンをかけて押し上げるが、アドベのマフラーはノーマルでもかなり大きな音がするので、すぐエンジンを切って自宅入口まで10mほど、ヨロヨロしながら押していた。

先日の富士山ツーリングの出発は朝5時。
さすがにエンジンをかけられないので、意を決して人力で押し上げることに。
日当たりが悪い坂にはコケが生えて滑るので、ビブラムソールのダナーを履いて、腕と言わず腹筋背筋すべてを使い、一気に押す!......
「んふぉっ!!!!」
と意味不明の掛け声をかけ、なんとか上げられた。

そして今日まで5日間、バランスを取りながらバイクを押すのは、体幹も鍛えられるし、これも一つの筋トレだと思い人力で動かしているが、日ごろの運動不足を思い知らされる。

自宅入口に作ったバイク置き場に入れるのも、またひと苦労。
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前から入れれば?という意見もあるが、もし階段側にグラッときたら、あとは「悲劇」が待っているので、恐ろしくてできない.........。

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「バックギアがあれば簡単なのに」
といつも思うが、階段タイルと道路のあいだの20cmの段差が、また厄介。
鉄板のグレーチングと木で簡易スロープにはなっているが、いっきにバックしないと段差が上がらず、勢いあまると後ろの壁に激突する。

今朝も左手はブレーキに手をかけて、道路からいっきにバックしたが、もう少しで前輪が上がるところで左にバランスを崩した。
毎日なんとか置けていたので慢心して、今日は「グリップしない」サンダルの、クロックスだったのがいけなかった。

必死にこらえたが階段は置き場より低く、なかなか持ち上がらず
アドベが少しずつ左に傾いていく.......
クロックスも踏ん張ったが力が入らない。
家の前は通勤通学路なので大勢の人が通るが、ここで助けを求めてはオトコがすたる。
と言うわけではないが、さすがに知らない人に声はかけられないので、平気そうな顔を装い必死にこらえる...........。
が、いくら上げようとしても起こせない。

ちょうど人通りが途切れたとき、こちらの緊張の糸も「プツッ」と切れた。
アクション映画で撃たれた人を抱き起したが、すでに絶命しているのであきらめて、「そっと」地面に寝かせるように、アドベがキズつかないように「そっと」置いた。
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こんなとき水平対向エンジンは45度の角度で止まって、真横に倒れないのがいいが、息はゼエゼエ荒く、ふくれ上がった血管と筋肉が、悲鳴をあげている。

「昨日満タンにしなきゃよかった」
なんて思ってもあとのまつり。
30L=30kgは増えているはず。

なにより15cm低いところから起こすぶん、感覚的にはほぼ真横に倒れた状態。

高重心のアフリカツインに乗っているときは、真横に倒れればまだいいほうで、林道や山のなかで谷側に倒れると、ハンドルよりタイヤが上になることもしょっちゅう。
カウルがガリガリ傷付くのも目をつぶって、ハンドルを支点にバイクをグルッと回して起こすが、無理な姿勢で起こすので何度も腰を痛めた。

そんなことが脳裏をよぎり、どこを持てば力が入るか、腰を痛めず済むか、気分はウェイトリフティング。
クロックスからスニーカーに履き替えて、腰を落として左手はハンドルの「遠いところ」を持って、右手はなるべくバイクの下側を持って、いっきに持ち上げる。

「んふぐッ!!!!」
脳梗塞になるのでは?」
と思うくらい全身に力を込めると、なんとか持ち上がった。

しばらくバイクにもたれかかって息を整えてから、「慎重に」バックさせて定位置に停めた。

鉄板のグレーチングをもっと長くのばせば、スロープの傾斜がゆるくなって、バックしやすくなるかもしれない。
中庭入口の狭い花壇をつぶして、間口も広くしようか。

一番いいのはガレージ付の一軒家に引っ越すことだが、まだまだミニバブルの都内では、土地の価格も高止まりしていて、なかなか手が出ない。

それでも駅から遠いところはそろそろ売れなくなっているし(といっても徒歩10分)、大きな土地も売れなくなってきたので(と言っても50坪くらい)、そろそろバブル崩壊も近いかもしれない。

そろそろ腰が痛くなってきた。
ひさしぶりにパパイヤ先生のお世話にならないと、いけないかもしれない....
日曜は町内会の餅つき大会なのに。

調教して「手なずけた」はずの猛獣に、おもいきり噛みつかれた感じ。
こんななにげない日常にも、危険が潜んでいたことを、思い知った朝だった。