R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

芸術は爆発だ

Sさんから川崎の生田緑地にある、「岡本太郎美術館 展覧会」のチケットをいただいていたが、なかなか時間が合わず行けなかった。
チケットを見ると4月9日(日)が最終日。
妻は用事があったので娘とバイクで行こうと思ったが、あいにくの雨。
なのでクルマで出かけた。

環七からR246→府中街道を走ること40分ほどで、生田緑地に到着。
近くを通ることはあったし名前は知っていたが、生田緑地に何があるかまでは知らなかった。
入口の駐車場に車を停めて公園に入ると、「川崎市立 日本民家園」があった。
ここは日本中の古民家が移築されているらしい。
娘が見たいというので、入場券500円を買って中へ入ってみる。
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白川郷もある。
土日はボランティアガイドの人たちが、いろりで火を焚いていろいろ話をしてくれる。
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かまどを見るのも初めてだが、毎日風呂でyou-tubeの「まんが日本むかしばなし」を見ているので、いろりもかまども違和感がないらしい。
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商家の古民家にはこんなものもある。
これも日本むかしばなしや時代劇の、「長七郎江戸日記」などで娘にはおなじみ。
5の段が2個あるそろばんをパチパチやりながら、気分は番頭さんだろうか。

こんな古民家が10以上建っていて、とにかく広い。
おやつも持ってこなかったので、なにか売っていないか探していると




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だんご屋さんを発見して大興奮の娘
古民家の軒先で食べていたら、そこはおそば屋さんだった。

というわけで温かいそばをいただく。
お店の人曰く
「晴れていればお花見客で並ばないと食べられない」
らしいが、今日は雨なのですんなり入れた。
2時を過ぎたので、そろそろ岡本太郎美術館に行きたかったが、娘はここが気に入ったらしい。
ちょうどガイドツアーが始まったので、ついて行くと
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ここは岩手から移築された築300年の古民家で、学芸員の方がいろいろ説明してくれる。
岩手の遠野と聞いて娘のアタマに浮かんだのは「ざしきわらし
ガイドさんに「ざしきわらしはいたの?」と聞くと、
ざしきわらしなんて、よくしってるね~」と驚かれた。

この家は昭和40年代ここに移築されるまで、岩手で実際に人が住んでいたらしい。
学芸員さんが聞いたところでは、「納戸にざしきわらしが住んでいた」とか。
その話を聞いて納戸に走って行った娘だが、あいにくもういなかった。
ざしきわらしがいなくなると、そのいえはほろんじゃうんだよ。ここは大丈夫かなぁ?」と心配していた。

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その後もボランティアガイドさんが火の番をしている、いろりに陣取って動かない。
右のスカーフの女性はトルコから留学中の学生さんで、建築保存を専攻しているそう。
カムイ外伝のカムイは、いろりの灰を敵にかけて逃げたんだよ」

「サスケの家の水がめに毒を入れられたけど、石がいっぱい入っていて水をきれいにしてくれたから、サスケは助かったんだよ」

「長七郎の本名はさとみこうたろうっていうんだよ」

「山で道に迷ったたびびとが、親切なおばあさんの家に泊めてもらえたけど、よなかに起きたら{やまんば}が、庖丁を研いでいたんだよ」
などなど。

学校で同級生に話してもなかなか話題の合わない娘だが、ここにいるおじ(い)さんたちにはジャストミート。
伊賀忍法帳って知ってるか?」とか
鞍馬天狗は知ってるか?」などなど、おじいちゃんと孫くらい世代が違うのに、なぜか話がかみ合っているのがおもしろい。

母親の実家が志賀高原のふもとの村にあり、子供のころ車掌さんがいるボンネットバスに乗って、山を登って行くのが好きだった。
築100年以上の藁ぶき屋根の古民家で、囲炉裏はもう無かったが、玄関には牛やヤギがいて、吹き抜けの天井も高かった。
トイレ(というか便所)は外で、夜に一人で行くのが怖かったのを、今でも覚えている。
ここにはそんな雰囲気が漂っていて、日本人のソウル(魂)に響くものがあるのだろう。
むすめは
「今日はここに泊まっていく~」とまで言い出す始末。
もう岡本太郎は無理かとあきらめかけたが、民家園もそろそろ閉館らしく、おじさんたちに「またこいよ~」と見送られて、やっと出られた。
そして歩くこと5分

やっと到着
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大阪万博は小学校低学年のころだったか。
大混雑のカナダ館で入場するとき、父と手をつないでたはずが、出口では見知らぬガイジンさんと手をつないでいて、ビックリ。
そのまま迷子センターに連れて行かれ、たくさんの子供たちと心細い気持ちで親が来るのを待っていたのが、万博の唯一の思い出(でもセンターのおねえさんたちが、みんなきれいだったのは、なぜか覚えている)。

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これが岡本太郎賞を受賞した作品

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3万個の角砂糖を使って、好きなものを作れる。
受賞した山本氏は美大の准教授らしいが、
「ほんとうは子供じゃなくて大人向けの作品では?」
と聞くと
「いえいえ8割はお子さんですが、それでいいと思います」
と穏やかに答えられた。
「子供のほうが先入観がないぶん独創性に富んでいて、参考になることが多いんです」
とも。

ふだんは体験したい子供たちで行列ができるらしいが、雨と時間も遅いので空いていた。
「もう1回やりた~い」と2回もやらせてもらった。

岡本太郎の作品もたくさん展示されていたが、ピカソのような抽象画は見ているだけで不安になるし、なにより疲れる。
むすめも
「これ子供が書いたの?」って。
うんうん、フツーの子供でよかった。


そろそろこちらも閉館なので外へ出ると、慰霊碑が建っていた。
民家園のガイドの人が言っていた「関東ローム層の放水実験で犠牲になった人の慰霊碑」らしい。

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ほかに宙(そら)と緑の科学館というプラネタリウムもあるらしいが、これは次回のお楽しみ。
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「また来たい」というので500円追加して、1000円で年間パスポートをゲット

帰りのクルマは走り出したとたんに爆睡。

平成産まれながらちょっと(かなり)昭和レトロな娘に育ててしまったが、これはこれでいいのかもしれないと、幸せそうな寝顔を見て思った、春の一日だった。