「第一回 D・O・A RALLY CRANKING」から無事帰還しました。
結果は全行程140キロの折り返し、70キロの時点でタイムオーバーリタイア.....
いやぁ本当にマジきつかった。
「こんなつらいことが世の中にあっていいのか?」
と思った12時間だった。
主宰者のY原さんがスタート前に
「生まれてきたことを後悔させてあげますよ❤」
と言っていたのを、途中で何度も思い出した........。
でもそんなつらいなかでも、次第に楽しくなってヘラヘラ笑いながら、ペダルを漕ぐ自分が.....
ひさびさに眠っていたドMの血が、カラダの奥のほうから「ふつふつと」、目覚めていくのを感じていたりして......
前日土曜日の夕方に現地入り。
天気予報は土曜夜から日曜朝にかけて雨。
海ほたるで休憩した6時ころには、ポツポツ降り出した。
オートバイはカッパを着ればいいが、自転車はペダルを漕ぐのでカッパは暑いし、脱げば濡れるしで対応に困る。
お世話になったサイクルショップセキヤの実業団スタッフさんに、雨のときどうするのか聞くと、
「カッパなんて着ないで、気合で走る」
と言われ納得。
以前、
「どうしたら速くなれますか?」
と聞いたとき
「ゲロ吐くまで漕いで、そこからさらに漕ぐ!」
と言われたのを思い出す......
スタート地点に駐車場は無いので、指定された7キロ離れた公営駐車場に着くと
真っ暗で誰もいない....
バイク版の本家DOAだと早めに現地入りして、酒盛りしているおじさんが大勢いるが、ほんとうに私ひとり。
仕方ないので夕食を食べにクルマで国道へ出る。
寿司屋や磯料理の店が多いし、千葉の内房に来たらサカナ料理なんだろうが、海の無い長野県で育ったせいか、正直それほどサカナは食べない。
「山の上の下」という不思議な名前の食堂(というか居酒屋)も気になったが、土曜夜だからか店内は宴会客でいっぱい。
食事だけの自分は気が引けてしまう。
どこにしようか迷ったが、この外観が気になった。
「カレー工房 あさると」
店内が見えないのでおもいきり入りづらいが、意を決してドアを開けると
「!!??」
一瞬
「ヤバいところへ来てしまったか?!」
と思うほど、たくさんのライフルや銃器が、そこらじゅうに掛かっている。
BGMはコルトレーン、テレビはBS11で「寅さん」をやっている、不思議な空間。
カウンターには常連とおぼしき人たちが、寅さんを見ながらビールを飲んでいるが、マスターもいないし、だれもカレーを食べていない。
よそ者なのでカウンターの端に座りじっとしていると、奥から年配のマスターが出て来てホッとする。
と、注文を聞くわけでもなく、またどこかへ行ってしまう。
「ひょっとして一見さんお断りか?」
と思っていると、マスターが水を持ってきてくれて、
「そこじゃ狭いからこっちのテーブルのほうがいいんじゃない?」
と勧めてくれた。
「大丈夫です」と断ったが、次々に常連さんが入ってくるので、テーブルに移動した。
おもての看板に出ていた「おすすめバカのりカレー」を注文。
ノリは富津名物らしい。
むかし東京の土地の売主が富津の漁協の関係者で、契約に来た帰り、箱いっぱいに名産のアオヤギをもらった。
お礼を言って帰ったが、実はそのころは食わず嫌いでサカナや貝類が苦手。
全部だれかにあげてしまった(今は大好物なので惜しいことをした)
そんなことを思い出しながらカレーをいただく。
次回来たときはこれを食べよう
主宰者のY原さんにメールすると
「おもてにジムニーあったでしょ。地元で有名な店ですよ」
って。
数年前、ここの砂浜でバイクのイベントをやったあと、スタッフみんなで食べたそう。
マスターにその話をすると、
「またやるの?」
って。
「今回は自転車です」
というと
「へ~」
って、自転車には興味が無いのか、それ以上話は進まなかった。
たくさんの常連さんと大好きな銃器に囲まれて、マスターも幸せそう。
なんとなく居心地がよかったので、バイクツーリングでまた来たい。
そしてコンビニで明日の朝ご飯の、赤飯おにぎりとサンドイッチと、寝酒のハイボールを買って駐車場へ戻る。
やっぱり誰も来ていない。
「本当にここでいいのか?」
「おやじ狩りに遭ったらどうしよう??」
心配になりまたY原さんにメール(準備で忙しいだろうし)。
「大丈夫ですよ、おやすみなさい」
って、そっけない返事が.....。
この時点で8時。
明日は朝4時から車検で、スタート地点まで自転車で20分はかかる。
着替えや朝食もあるので、逆算すると3時に起きないと間に合わない。
12時ごろ走行中にチェーンが切れる夢で目が覚める。
雨が激しく振っているのが、クルマの屋根を叩く音で分かる。
2時にも同じ夢で目が覚め、三度目が無いことを願いながら、もう一度寝る。
3時のアラームで目が覚めると、雨はポツポツと小降りになっていた。
雨ガッパを着ることを覚悟していたが、これなら無しで行けそうだ。
クルマの外に出ると生暖かい空気。
今日は暖かくなるらしい。
いつのまにか数台のクルマが到着していて、少しづつ起きだしてくる。
雨に濡れてもいいように、ビブショーツとサイクルジャージを着る予定だったが、ひざ下までの七分丈チノパンに変更して、ウェストバッグに朝食を詰め込んで、まだ真っ暗ななかスタート地点へ向かって、一人でペダルを漕ぐ。
前日に毎回DOAスタッフをやっている、タービュランスIさんに電話をしたところ、
「今回スタッフは誰も頼まれなかった」
って。
8月から参加者不足で延期が続いたこのイベント、
今回は
「ひとりでもやる!」
と意気込んでいた主催者Y原さんだったが、ふたを開けてみれば20人が参加。
でもさすがにこの小人数では、スタッフはY原さんだけかも...。
「ひょっとして知り合いは誰もいないのかな?」
とちょっと心配だった。
スタート地点のマリーナが併設されたホテルに着くと、むかしバカミーで一緒に走ったM上さんの姿が。
スタッフとのことで知り合いがいてホッとした。
受付でY原さんに会い、コマ図とゼッケン、エマージェンシー封筒をもらう
「まぁなんとかなるだろう」
仕方ないのでその都度見ることにして、ポケットに突っ込む。
だれかに声をかけられたので見ると、以前マックスフリッツでお会いしたKさんだった。
今回は自転車好きな友人が参加し、自分はクルマでサポートらしい。
、
そしてブリーフィング
参加者に知っている顔は1人もいない。
食事するヒマもなく5時に2人づつスタート。
私と一緒の組はバハ1000常連ライダーのH沢さん。
もちろん初対面だが、彼もコマ図は初めてとのことで、一緒に走ることに。
真っ暗ななかスタート、4キロで山に入りさっそく舗装の激坂を登る。
そして5キロでダートの登りに突入した。
この日のために明るいヘッドライトに換えてきたが、それでも漆黒の闇のなかでは、提灯くらいの明るさしかなく、足元もよく見えない。
最近は特に夜、目が見えなくて困るが、かなりガレた登りのようで、ハンドルが右に左に振られまくる。
さすがバハライダーのH沢さん、
ビンディングではないフラットペダルのMTBで、数人を抜きながらガシガシ登って行く。
コマ図を見るヒマもないので、置いて行かれないように必死で追走する。
そして今度は下りのダート。
真っ暗で見えないが岩盤の林道らしく、前日の雨でチュルチュル滑りまくる。
サスの無いクロスバイクは激しく上下左右に振られ、たまらず転倒。
腰を強打したがここで止まってはいられない。
サイクルメーターもセンサーが壊れたのか、動かなくなってしまった。
その後も何度か転びながら下ると、Hさんが待っていてくれた。
「ひとりじゃコマ図は不安なので」
快調だったH沢さんだが、さすがに「踏むだけ」のフラットペダルでは、持久力のない「もも」の前側の筋肉を酷使して乳酸が出まくり、徐々にペースが落ちてきた。
無理して立ち漕ぎするとさらに前側の筋肉を酷使して、疲労は倍増。
20キロくらいからきつい登りは、たまらず自転車を「押して」歩きだす。
制限時間12時間で140km走るとなると、平均時速12km/hで走らないと間に合わないが、押して歩くと時速5km/h以下に落ちてしまう。
この先で舗装の一般道に出たら、おもいきり飛ばして挽回しようと思ったが、いくら登ってもほんのちょっと下って、またきつい登りが延々と続く。
「千葉に標高1000mの山なんてあったかなぁ」
なんて思うが、なかなか舗装路に出られない。
祖母が子供のころ(明治の終わりごろ)お使い行ったとき、いくら歩いても同じ道の神社の前に戻ってしまった。
「これはキツネにだまされているに違いない」
と、持っていた「おあげ」を神社に奉納したら、無事帰れたと子供のころ聞かされた。
ひょっとして千葉にもキツネがいるのかな?
おあげ持ってこなかったけど、おにぎりじゃダメかな??
なんて考えながら、きつい登りをひーひー言いながら、登って行った。
事前に渡されたルートチャート
この図では登ったぶんだけ降りて、また登るの繰り返しだが体感的には
「10登って2下り、また10登って2下る」
の繰り返しに思えてならない。
そろそろ明るくなったところでやっと舗装路に出たが、ここもずっと上り坂が続く。
手前のH沢さんも
「Y原のヤツ、こんなコース作りやがって!!」
「聴いてたハナシと全然違うぞ~!!!」
「いつになったら下るんだよ~!!!!」
と、ここに書くのも憚られる、主催者を呪う「呪詛の言葉」を吐き続けながら、延々と続く坂を登って行く。
コバンザメの私と言えば、ひたすらH沢さんに話しかけ、励ますことしかできない。
うしろの参加者は通勤用クロスバイクに、チノパン、スニーカーとほぼ普段着で参加。
このあとの分岐でミスコースした我々が、間違ったほうへ下って行くと、彼が登ってきた。
「ずっと下ったら行き止まりでした」って.....
そこから分岐まで数百メートルを、3人でひたすら登る。
彼に
「次回もあったら出る?」
と聞いてみた。
当然
「もう二度と出ませんよ、こんなクソイベント!!」
と言うかと思ったら、
「こんな楽しいの初めてですぅ~❤ 絶対また出ますぅ!」
って.....。
実は私も途中から、苦しいながらもなにか楽しくて、ゼーゼー荒い息を吐きながらも、ヘラヘラ笑いながらペダルを踏み込んでいた。
アドレナリンなのかドーパミンなのか、はたまた違う物質が分泌しているのか、
しばらく忘れていたドMの血が、ふつふつと騒ぎ出したのを感じながら.....
これはぜんぜん「フラットダート」のゴキゲンな道
今回は同じルートの往復なので、帰りはここを下る......
写真では分からないが、とてもじゃないが乗って登れないケモノミチが、延々と続く。
前日の雨で路面はグチャグチャで水たまりだらけ。
落ち葉や岩盤、木の根っこでタイヤは空転しまくり。
アタマほどの岩がゴロゴロした荒れた路面では、どんなによけてもハンドルが左右に振られまくり、いくら漕いでもまっすぐ登れない。
チェーンが切れてリタイアしている人もいた。
スペアのコマでもあれば直せただろうが、あまりのハードさにリタイアできて、ホッとしていたような.....
そしてやっと(本当にやっとの思いで)CP1に到着。
もう100キロくらい走った気がするが、まだ40kmしか走っていない.....。
M上さんがスタッフで待機していた。
見覚えのあるところだと思ったら、おととしのDOAにスタッフで参加したとき、タービュランスIさんとCP1をやったところだった。
たまたま居合わせたドSの主催者Y原さんと、これまた同乗するドSの女王様に、H沢さんが毒づく。
「だーかーらー{生まれたことを後悔させてやる}って言ったじゃないですか~❤」
とY原さん。
「sinaさんはなんか楽しそうですね~」
と、私はワクワクする気持ちを見抜かれたような。
ミスコースして迷い込んだ廃道。
この先は自転車を担がないと登れない「ガケ」だが、バイク版DOAのためにルート開拓したY原さんが、
「自転車なら通れるケモノミチが、たくさんあるんですがね~」」
と言っていたし、ドSな主催者のことだから、ここもじゅうぶんオンコースの可能性が.....。
そう思うとどこも「道」に思えるし、落ち葉の微妙なグラデーションが、走ったタイヤの跡に見えてくる。
よじ登るようにガケを登ったら、突き当りは墓地、
さすがにここは行かないだろうと戻ったが、バイクのミスコースと違い、自転車は自力で戻らないとならないので、体力だけでなく気持ちも萎える。
これもけっこうな登り坂。こんな道が数キロずっと続く
旅仕様の重たいランドナーはただただつらいだけなのに、この人もドMのヘンタイなんだろうナ。
右側はガケのシングルトラック。
舗装路に出る手前は垂直のガケ。
復路はここを担いで登らなければならない(途中リタイアしたので我々はやってないけど)
ミスコースして数百メートル下り、やっとの思いで分岐を登り始めたところで、また1人下ってきた。
「えー!こっちもミスコースかよ~~~」
と力が抜けそうになったが、なんとトップが復路を折り返してきたところだった。
ぶっといフラットタイヤを履いたファットバイクで、ニコニコしながら手を振ってあっというまに(本当にあっという間に)、走り去って行った
。
やっと53キロ地点のCP2に到着。
まだまだ折り返し地点まで、20km以上もある。
春のマザー牧場でもお世話になった、地元のSさんがCP2のスタッフ。
ここでもスニッカーズを卑しいくらい、バクバク食べる。
モンゴルのゴビ砂漠で、水も食料も無く一泊して以来、「渇きと飢え」の強迫観念が強くなり、
「食べられるときに食べておかなければ死ぬ」
と思うようになってしまった。
本来ならここの制限時間は10時のはずだが、時刻はすでに12時25分。
本来ならタイムオーバーリタイアなのだが、あまりにみんなが遅いので、13時まで開設時間を延ばしたらしい。
折り返し地点の制限時間は11時なので、もうどうやっても間に合わないが、とりあえず行けるところまで行くことに。
スニッカーズを「たらふく食べて」ちょっと元気になった。
妻から
「大丈夫?」
と心配するメールが来たので、Sさんに撮ってもらって送ると
「ドロドロじゃない!」
って。
これでもだいぶドロは落としたんだけど.....
私のクロスバイクもタイヤとフォークのあいだが狭いので、ブレーキにドロが詰まるといくら漕いでも前に進まず、ジャックナイフ状態に。
そのたびに止まってはドライバーでドロを、「ほじくり出す」の繰り返し。
下りでドロが詰まってタイヤが回らず、何度も前転しそうになった。
チェーンルーブを持たなかったことを後悔するも、あとのまつり。
チェーンやギアもドロを噛みまくり、変速しづらくなっている。
そして70キロ折り返しの鴨川に、13時40分に到着しHさんと記念撮影。
「HALF ACOMPLISHER」は、「ハーフ達成者」のこと。
ふたりともサイクリングハイなのか、顔がちょっと「イって」ます。
本来なら11時が制限時間なので、2時間40分も遅れているのだが。
なんとかチェーンが切れずに済んで本当によかったが、チェーンやギアから異音がして、インナーからアウターへギアチェンジができなくない。
天気はいいが風は強いので、大きな波が立っていてサーファーもたくさん。
Hさんもサーファーらしいので、「乗りて~」と叫んでいた。
19人スタートのうちCP1でのリタイア3人を含め、13人がリタイアして迎えの車を待っていた。
主宰者側もまさかこれほどリタイアするのは想定外で、ハイエースを数回往復させないと、全員を運ぶことは不可能。
リタイアした人たちは思い思いに、遅い昼食を食べて迎えを待っている。
我々もここでリタイアなのだが、自己判断で復路を走ることは自由とか。
私は当初の予定通り、ここで終わりでも十分満足だったが、
迎えの車はいつ来るかわからないという。
「ここまで来てクルマに乗って帰るなんて、ぜったいイヤだ!」
バハライダーHさんにとって、レースでリタイアしてスィーパーに拾われるのは屈辱でしかないらしい。
とはいえ今から復路を走ると、山の中で日没は必至。
というか遭難しかねない。
ここからM上さんがいるCP4(往路ではCP1)まで、国道なら20kmくらい。
そこからゴールまで10kmとすれば、30kmで帰れる。
国道なら時速20km/hで走れば、1時間半で着けるはず。
そう思ってふたりで走り出したが、これが甘かった。
CP1までの国道は、これまたひたすら上りが続き、しかも向かい風。
20kmかと思ったCP1まで30km以上あり、ここで復路のオンコースを走ってきたクロモリフレームの人に会う。
でも大滝のyou-tubeを見る限り、DOAのほうがはるかにハードに思えるのは、私だけ?
そんな彼でさえこのDOAはきつかったらしいが、
「大滝はコマ図が無いので表示の通り走るだけだけど、このDOAはコマ図があってほんと楽しい」
という、ほとんどヘンタイさんのコメント。
そんな彼でさえここからゴールまでまた山に入り、40km走るか悩んでいたが、結局ここでリタイアしたらしい。
「バイクならどんな悪路も任せとけ!」
のHさんも、さすがにすべて人力のドMな世界に驚いていた。
海沿いの国道は金谷フェリーに乗るクルマで大渋滞。
その横のすき間50cmをHさんと自転車二台で、すり抜けながら進むこと10km
朝5時のスタートから12時間後の5時に、やっとゴール。
ゴールでY原さんが
「鴨川からここまで60kmくらいあったんじゃ?!」
と驚いていた。
鴨川のリタイア組もほぼ戻っていた。
そして優勝は
16時49分ゴール。
制限時間内ゴールは彼ひとり。
ゴールを目指して必死に漕ぐ姿を見て、ドSで鬼オーガナイザーのY原さんも
「感動して思わず涙が出ました」
とか。
当初はシクロクロスで参加予定だったらしいが、ガレ場を試走したらあまりにきつくて、太いぶん抵抗は大きいが、安心してガレ場の下りを攻められる、ファットタイヤにしたらしい。
ふだんから自転車に乗っているそうだが、太くて重いファットタイヤで完走されては、
「ビンディング付がいい」とか
「フレームは軽いカーボンがいい」とか、言い訳にしかならない。
バイクで走ったカメラマンも
「下りのダートは追いつけなかった」そうで、バケモノだろう。
お手製のマップホルダーもしっかりしたもの。
次回は私もマップホルダーに、ICOくらい付けてこないと。
こちらもCP4でリタイアしたが2番手でゴールした方。
普段はトライアスロンをやられているそうだが、やっぱり「そっち系」なのね。
そしてこちらがランドナーのHさん。
暗くなってからゴール
往路ですれ違ったとき、
「56の私より年配かな?」
と思ったが、こちらも重たいランドナーでCP4まで走り切ったのは、立派のひとこと。
「トシだからムリ」なんて理由にできないナと、思い知らされた。
せっかく暴走を走るのだから、お昼は刺し身定食か海鮮丼と思っていたが、終わってみれば持参したひと口羊かんと、スニッカーズしか食べていない。
表彰式は行わず自由解散だが、ゴール地点のホテルのご厚意で、展望風呂に入らせていただいた(タオルも貸していただき、ありがとうございました)。
ダートで何度も転んだので、あちこちすり傷や打撲の痕があり、熱いお湯が傷口に沁みる。
でもロードバイクやラリーでは味わえない、「やり切った感」がハンパない。
着替えを持ってこなかったので、このまま7キロ先の駐車場まで、真っ暗で大渋滞のなか、自転車で帰るのは覚悟が必要。
Y原さんが
「みんな帰ってきたら送って行きますよ」
と言ってくれたが、途中で止まっている人を迎えに行くというので、地元のスタッフの方が私とHさんを、ハイエースで送ってくれた(ありがとうございました)
あれだけ主催者を呪い続けていたHさんだが、さすがバハライダー
「バハのためにどんなに鍛えたり、バイクで走り込んでも痛くなかった筋肉が、林道を30km走っただけで痛くなりました」
とか。
自転車トレーニングがバイクにも活きることが、よ~くわかったらしい。
今日は天気も良かったので、たくさんのツーリングライダーが走っていたが、
あっというまに走り去る彼らを見ながら、いくらペダルを踏み込んでも、なかなかコーナーが近づかない自転車で、エンジンのありがたみを痛感したはず(私も自転車に乗るまではそうでした)
Hさん、今日一日「濃密な」時間をありがとうございました。
年内にもう一度やるみたいなので、そのときはちゃんとマップホルダーとICO付けて行きますので、ご一緒しましょう❤
交通情報を見るとアクアラインは大渋滞。
送ってくれた地元スタッフさんに聞いても
「9時ごろまでは混んでるんじゃないですか」
とのことなので、ゆっくり食事して帰ることに。
Y原さんから
と言われたので、昨日食べられなかった食堂「山の上の下」で、とんかつ定食を食べようと思ったが、なんと定休日だった。
しかたないのでカレー工房アサルトにしようかとも思ったが、もう一軒、国道沿いで気になっていた食堂へ入る。
数組の宴会でほぼ満席だったが、時間はいくらでもある。
水滸伝を読みながら待って、念願のとんかつ定食をいただく。
8時過ぎてもアクアラインはまだ渋滞していた。
お風呂に入りおなかもいっぱいで、渋滞のなか居眠りでもしたら本当に危険。
なのでもう一度駐車場に戻り、1時間ほど仮眠してから帰宅した。
翌月曜は振り替え休日で休み。
「筋肉痛で起きれないかナ」
と心配していたが、今のところ大丈夫らしいので、洗車と洗濯をする。
ブレーキまわりは泥のかたまりがこびりついて、水をかけたくらいではなかなかきれいにならない。
鴨川でリタイアしたときのために積んでいた、輪行バッグ。
出番がなくて本当によかった。
ビンディングシューズは途中でドロが噛んで、踏み込みでハマらず苦労した。
ズボンやシューズカバー、グローブなど、何度洗ってもドロが出てくる。
トータル20kmくらいは山道を、押して歩いたかもしれない。
靴の中からもドロが出てきて、カフェオレ色に....
21人エントリーして実走は19人、
時間内完走たった1人は完走率5%以下!
エンジンに頼り切ったバイク乗りには大不評なのと反対に、ドMのヘンタイ自転車乗りには大好評だった、第1回 Rally cranking
これほど賛否両論別れるイベントは無いかもしれない。
今年で7回目らしいが、こんなイベント全然知らなかった。
you-tubeで見たが、ガレた上り下り坂が全然ないし、人数が多すぎてすぐ詰まってしまいおもしろくない(って思うワタシがおかしいのかしらん?)。
DOAはイベント告知もオートバイ関係がメインだったが、もっとヘンタイ自転車乗りや、ドMのトライアスリート系に宣伝すれば、今回の何倍も集まったかもしれない。
Y原さんに
「自分で試走したときのタイムは?」
と聞くと
「ちょうど12時間だったけど雨は降ってなかったので、今回のコンディションだと制限時間内はムリ」
って。
それでも一人で走り切るのは立派のひとこと(ドMとドSの両方って、あんたはジキルとハイドか?)
第2回は年内開催の予定とか(ってホントにやるの?)
70km折り返しのハーフ完走なら、ハードルはかなり低いので、
「ちょっとおもしろそう」と思った(誤解した?)人は、参加してみたらいい。
バイク乗りは「エンジンがあることのありがたみ」を思い知るだろうが、自転車は重力との戦いなので、メタボな人はまず10kg(人によっては20kg)、減量したほうがいい(登りでペダルをガシガシ漕ぐとヒザが壊れマス)
今回は街乗りクロスバイクで参加したが、これはオンロードのオートバイで、荒れたオフロードを走るようなもの。
やっぱりサス付のMTBがいい。
Y原さんのおススメはFサス付きハードテイルMTBに、ちょっと太めの「セミファットタイヤ」が最近のトレンドとか。
平地や登りは太いぶん重く感じるだろうが、ガレ場の下りは真価を発揮するはず。
今回用にタイヤ交換した「グラベルキング」は、細いうえにブロックも小さくてまるで歯が立たなかった。
年末の第2回に向けて、火曜からトレーニング兼ねて、都内を走り回っているが、今まで坂だと思った道が平坦に感じてしまうから不思議。
ジムカーナをやったあと首都高をクルマで走ると、
「コーナーがみんな直線に見える」
のと同じ。
なにより舗装路なので、ガレ場の振動で手首が痛くならないのが、ちょっと物足りないほど(ヘンタイだネ)
ドロつまり防止と太めのタイヤが履けるよう、やっぱりサス付MTBも考えようかナ(ヲイヲイ)。
でもランドナーのHさんや、大滝参加のクロモリさんは、次もきっとあの「愛機」で出るんだろうナ。
コマ図を使ったオンオフ併用のイベントは、ラリーの本場フランスにもなかったような、画期的なイベント(だと思う)。
今回が「幻の第1回」に終わらず、ヘンタイ自転車イベントの東の雄となるかどうかは、第2回開催にかかっている。
たぶん今回参加した、ドMの自転車乗りのみなさんから、SNSなどの「ドMネットワーク」を通じて、「DOAスゲー楽しかった」と広まれば、
「辛い(つらい)」という字が「幸せ(シアワセ)」に見えたり
「苦しい」を「楽しい」としか読めないヘンタイさんや、
「板」という字が「坂」に見える、ドMの自転車乗りたちが、
ヨダレを垂らしてエントリーするかも?❤
次回、ドMのみなさんとまたお会いできるのを、私もワクワクドキドキしながら、楽しみにしています。