テレビでオリンピックのメダリストの会見を見ていた娘が
「パパ~日本人選手ってこれだけしか出てないの?」
と聞いてきた。
ピョンチャンオリンピックのメダル獲得数は13個。
団体競技もあるので会見や報告会に参加する人数は20人ほどだが、調べてみたら日本人選手は124人も参加していた。
メダルを取れた人は6分の1しかいないが、子供の目にはテレビに映る人だけが、オリンピック選手だと思ってしまうらしい。
アルペンスキーやアイスホッケーは、それを国技にしている海外勢が圧倒的に強く、よほど日本人離れした選手がいないとメダルは取れないので、テレビも少ししか放送しない。
マイナーな競技はスポンサーもつきづらく、予算も出ないので選手はアルバイトしないと生計が立たず、競技に専念することもできない。
それでもがんばっている選手たちに、もっとスポットライトを当ててくれたらと思うのだが、オリンピックもビジネスなのでよほど美人でもない限り、どこも紹介してくれない。なので夏も冬もオリンピックをライブで見なくなってしまった。
クロスカントリーの50kmクラシカルなんて、2時間以上スキーを履いて、ひたすら走り続けなければならない。
日本からは31歳の吉田選手が23位だったが、71人が参加して23位は立派なはず。
それでもまるで話題にならない。
ノルディック複合では事前の練習で、アバラを折っていた渡部選手が銀メダルを取った。
初めて出た2004年のファラオラリーで転倒し、アバラを折って2日間走ったが、こちらはどんなに痛くてもバイクに乗ればなんとかなるが、それでも気絶するほど痛かった。
痛みをこらえてジャンプを跳んだり。登り坂もある15kmのクロカンのメダルをかけたデッドヒートは、どれほど辛かっただろうと、夜のニュースを見ながら思った。
社会人になってワンシーズンだけやったアイスホッケーは、大男(大女)同士がぶつかり合い、ぶあついプロテクターをしていても、アザだらけキズだらけになる。
スキーもスケートも一歩間違えば選手生命を絶たれるほど、限界ギリギリでやっているなか、競技中におやつを食べるカーリングというゲームは、あれがスポーツなのか?と、世間の反感を買うだろうが毎回疑問に思う。
夏のオリンピックの射撃やアーチェリーも同類で、頭脳戦の「マインドスポーツ」というらしい。
たしかにレレレのおじさんのように、ブラシをゴシゴシこするのは大変そうだが、競技時間はクロカンと同じ約2時間。
全身でずっとスキーを漕ぎ続けるのと、おやつを食べながらやるのには、どうしても違和感を感じる。
そのころ届いても注文したことすら忘れている気がする。
でも北見はファラオや2年前の北海道4デイズでも一緒に走った、Y口さんの地元。
まだしばらくはテレビで「カーむす」の報道は続くのだろうが、その何分の一でもいいのでメダルに届かなかったマイナー競技のオリンピアンも、せめて紹介してあげて欲しい。
そしてオリンピックが終わってから2週間近くたって、やっと始まるパラリンピック。
連日のオリンピック報道で燃え尽きたテレビ局にとって、パラリンピックはオマケでしかないのだろう。
3月からプロ野球やサッカーが始まり、テレビや新聞のスポーツコーナーは、そっちの話題でいっぱい。
パラリンピックの話題は申し訳程度に小さく載るだけで、話題にもならない。
毎回思うがどうしてオリンピックの前に、パラリンピックをやれないのか?
せめてオリンピックの閉会式とパラリンピックの開会式を同時にやれば、もう少し話題になると思うのだが。
いっそ同時開催すれば各国メディアもそのまま放送できると思うが、パラ水泳だけでも「上肢障害 下肢障害 上下肢障害 視覚障害 聴覚障害」などなど、細かく分類されているので、同じプールで行うことは不可能らしい。
でも羽生由弦が滑ったあとにパラフィギュア決勝があったり、瀬戸ダイヤか萩野浩介が金メダル取ったあとパラ水泳決勝でもやれば、興奮そのまま盛り上がると思うのだが.....。
過去のオリンピックの放送時間を見ても
「ソチオリンピック540時間」
「ソチパラリンピック30時間」
とその差は18倍。
ワタシもテレビでパラリンピックを見た記憶がない。
「もぐもくジャパン」だか「ぽっちゃりジャパン」を追い掛け回す時間があるなら、メディアも政治家も行政もパラリンピックが、もっと注目されるよう考えないと。
「バリアフリーじゃないから」
「大家さんがダメだから」
と断ってしまう。
できることはやっているが、「大丈夫ですから」と拒否されることも意外に多い。
バイクで事故したり歩いてクルマにはねられて車イス。脳梗塞で半身まひなど
いつ自分が同じ立場になるかわからない。
彼らの「自立」の邪魔にならない程度に、やれることはやりたいし、子供にも教えられることは教えてやらなければ。