日曜はいわきのO友さんの「奥様」へ、急きょセローお届け。
セローを売りに出したところ
「KTMとこのセロー、どっちが速いんですか?」
とまじめに質問するヤカラが意外にいた。
性能的には間違いなくレーサーのKTMが上だが、問題は「乗り手」
ちゃんと上まで回さないと、ただの「乗りにくいバイク」になってしまう。
「GS買ったけどこわくて林道走れないので、練習用にもう一台欲しい」
とおぢさんライダーは思うらしいが、
「KTMとかガイシャじゃないとカッコわるい」
なんてくだらない見栄をはるようで、結局乗りこなせない人ばかり。
「GSのパワーに馴れるには、2スト250か450cc以上じゃないと」
なんて勘違いも甚だしい人がいるのは、
「パワフルだけど乗りやすい」
なんて間違った宣伝をしている、メーカーやディーラー、御用ライターの罪も大きい。
(4スト250だってぶん回したらかなり狂暴で、シロートには手に負えない)
デカくて重いビッグオフに比べて、軽量ハイパワーのレーサーは、教習所で大型免許を取ったおやぢライダーなんぞに、簡単に乗りこなせるわけがない。
結果、少し乗っただけで手放す羽目になるが、それをまた勘違いおじさんが買ってしまい、「不幸の手紙」の連鎖になっている.....。
カネはあるけどウデがないおぢさん(おばさん)がこのセローを買っても、なにかの機会にKTMなんかと乗り比べて、
「やっぱりKTMのほうがパワーがあっていい」
なんてこのセローも、簡単に手放されてはかわいそう。
足も着かないのに無理してバイクに乗っても全然楽しくないし、転んでも自分で起こせないなんて周りに迷惑かかるだけ。
なので面倒そうな問い合わせはすべて断って、
「誰も買わなきゃもう少し持っていようか」
と思っていたところ、O友さんが手を挙げてくれた。
林道天国いわきで長年オフ車に慣れ親しんで(奥さんも)、セローのこともよくわかっている人ならと、速攻でお届けした次第。
まあ私も突然MTBに目覚めて、去年8月に買ってまだ1年もたっていないセローを手放すのだから、薄情者と言われても返す言葉は無いのだが.....
スガワラじ~じに軽トラを借りようと電話したが、モンゴルの車検で四国に向かうフェリーの上だった。
「クルマのことはオレじゃわかんないから、テルに聞いてくれ」
って。
数年前に社長職をテルちゃんに譲り、会長になったじ~じ。
個人的なお願いで会社のクルマを借りるのも気が引けたので、じ~じと私の家の近所のレンタカー会社で、軽トラをお借りした。
ガソリンスタンドにレンタカー会社が居候しているようなお店は、日曜定休。
本来なら日曜は「24時間貸し出し」になるらしいが、
「管原さんの紹介だから」
と12時間の契約で貸してもらい、
「返すのは何時でもいいですよ」
とまで言ってもらった。
日曜朝起きてみると、けっこう雨が降っている。
カッパを着て自転車で車を取りに行き、帰宅。
荷台が痛まないようスノコを敷いてあるが、これが高さ5センチくらいある。
雨で荷台は濡れているし、ひさしぶりにバイクを載せて転倒したらどうしようと、かなり不安に.......
と、自宅の隣にあるお掃除会社のFさんが、ひょいっと顔を出した。
Fさんには管理しているマンションのハウスクリーニングを、ちょいちょいお願いしている。
日曜朝7時前だが、これから仕事に出かけるそう。
「ちょっとだけ手伝って」
とお願いしてうしろを押してもらい、無事に積載完了できた。
後姿は仕事に出かけるFさん、ありがとうございました~
私のラダーは折りたためないタイプ(捨てないでよかった)。
ちょっとはみ出すがいちおう積んでいくことに。
家の前でガタガタやっていたら娘が起きてきた。
混雑する都内はアドべよりセローのほうが小回りが利くので、娘とのお出かけはもっぱらセロー。
「え~、セロ美ちゃんどっかいっちゃうの?」
というので
「いわきのO友さんのところへ、お嫁さんに行くんだよ」
と言うと、
「そうなんだ、おしあわせにね~」
と手をふって見送ってくれた。
積むのに手間取っていたら8時前になってしまった。
軽トラでいわきまで200キロは大変だろうと、O友さんが中間地点の水戸まで来てくれることに。
たしかにシートは固定でリクライニングできない上に、ひたすら走行車線はつらいだけなので、ありがたくお受けした。
じ~じは昔の軽トラでファラオラリーに出て、十数日間で5000キロを走ったのだから、たった200キロでつらいなんて言ったら、バカにされるけど......。
そしてみちのく一人旅(水戸は北関東だけど)
都内と埼玉はずっと雨で、場所によっては土砂降りのところもあったが、水戸に近づくにつれ雨が止んできた。
セローを積んでいるのでひたすら一番左の走行車線を、80km/hで走る。
遅いトラックが前を走っていても、抜くには思い切りが必要で命がけ。
「タイダウンロープが切れたらどうしよう」
映画「ファイナルデッドコースター」みたいに、見えない悪の力でロープが切れたら?なんて気になって、追い越し車線を走れない。
アクセルをちょっと踏むだけで、追い越しができるクルマに乗っているありがたみを、このときほど感じたことはない。
心配していた渋滞もなく、9時半に水戸インターに到着。
O友さんと待ち合わせ場所のコンビニへ向かう
「あれ?今藤君かな?」
水戸なのでTDR乗りの今藤君が一緒なのかと思ったら、O友さんのアフリカつながりのお友達だった(ほんとにそっくりで驚いた)。
あれ?奥さんは一緒じゃないの?」
と聞くと
「軽トラじゃ乗り心地悪いので、ぜったい来ません」
って(ごもっとも)。
そして軽トラから軽トラへ積み替え。
ポンコツ旧型アフリカツインから新型アフリカに買い替える予定だったが、お世話になっている地元の大和モーター商会では、新車は扱えない。
ドリーム店でないと買わせないなんて、ほんとうに最近のメーカーはクソの対応。
長年貢献した地元のバイクショップは、勝手につぶれればいいというのか。
ホンダこそつぶれてしまえと、心底思う。
大和で買えないなら買い替える意味がない。
なので旧型を直すことになったが、いざ開けてみたらかなりの大手術が必要で、
「このまましばらくは乗ります」
ということになったらしい。
まあそんなこともあり、浮いたお金でこのセローを買ってくれることになったのだから、クソのホンダも良しとしよう。
O友さんは
「これはほんとに嫁用ですから!」
と繰り返し言い訳していたが、だれが乗ってもいいんです。
きっとO友家なら孫の代まで「大切に」、乗りつぶしてくれるだろう。
「羊の皮をかぶったヤギ」ならぬ
O友さん、せいぜいかわいがってやってくださいネ♡