R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

シンガポール


まだまだ元気な78歳の義父だが、去年はひざが痛くて歩けなくなったりで、いろいろ弱気に。
本人曰くそろそろ人生の終活中(といいながら新車のクラウンは納車されたが....)。

最後に家族みんなで旅行しようと、全額義父の「おごり」で正月はハワイに行こうと言い出した。

義父母と姉家族5人、我が家の3人合わせて総勢10人、
「正月ハワイ10人で500万!」の見積もりを見て、いくらなんでも高すぎると、別の場所を探してシンガポールに決定。
12月29日から1月2日まで4泊5日で出発することになった。

朝5時過ぎにクルマで義父母を迎えに行き、首都高経由の東関道で成田空港に向かう。
朝4時の交通情報では酒々井ICあたりが事故で、一車線に規制中。
8時の集合時刻に間に合うか心配だったが、規制は解除されていてひと安心。

クルマを空港近くの駐車場に預け、乗り合いバスで空港へ送ってもらうが、年末の出国ラッシュと重なり駐車場は大混雑。
「今日だけで600台のクルマを預かります」と、スタッフの人から聞いた。

待合室は満杯で、寒い外でバスを待つこと30分、
シンガポールは30度らしいので、ぶ厚いダウンジャケットはジャマ。
なのでペラペラの薄いパーカで来てしまったことを、震えながら後悔する。

海外旅行は2007年のスウェーデン4デイズ以来
むかしは空港へ乗り入れるクルマもバスも、入り口でパスポートチェックされたはずだが、今はノーチェックらしい。

はじめてのシンガポール航空だったが、機内の映画の充実ぶりに驚く

とりあえず「ベノム」を観る

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このあとデンゼルワシントンの「イコライザー2」と、ジェイソンステイサムの「the MEG」の途中で、シンガポールに到着
あっというまの7時間だった。

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チャンギ国際空港に到着したのは午後4時。
入国審査が全然進まない。

指紋押捺が必要らしく、スキャンを何度もやり直すので、1時間以上かかった。

数百人が待っているのだから、閉まっているゲートを開けて対応しろよ。
と思うのは日本人だけなんだろう。

相手の対応にキレた中国人や韓国人観光客が、海外で暴れる動画をよく見るが、ここではみんなおとなしくて、かえって日本人のほうがみんないら立っていた。

親族総勢10人の大名旅行なので、旅行会社が大型バスをチャーターしてくれていた。
ホテルへ向かう道すがら、窓から見えるのは日本車の多さ。

トヨタ、日産、三菱、マツダなどなど、それもみんな新しい現行車ばかり。
イギリスの植民地だったシンガポールは、今も右ハンドル&左側通行なので、メーカーも輸出しやすいのかな?


ホテルはメリディアン・オーチャード

30年前はこのあたりがシンガポールの中心地だったらしいが、ベイエリアの埋め立てが進んで、今はそちらのほうが人気エリアらしい。

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こちらはずっとクリスマス
でも気温30度ではクリスマス気分になれない。
とりあえず夕食を食べに外出。
ふだん夜6時以降は外出しないので、人の多さに驚く。

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高島屋の地下のフードコートで、チキンカツと焼きそばセット。
とにかく混んでいてなかなか座れず、食べた気がしない。

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部屋のテレビをつけるとBBCニュースが、東京のマリオカートを紹介していた。

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ホテルのwifiは当たり前だが「ファーウェイ」
情報が盗まれないかちょっと心配になる。

翌朝はなんとなく晴れ

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セントーサ島の「アドベンチャー・コーブ」へ、タクシーとモノレールを乗り継いでいく。
タクシーは韓国のヒュンダイとキアがほとんど。
運転手に聞くと
「ほんとはトヨタに乗りたいけど、高いので韓国製が多い」
らしい。
クルマがみんな新しいのは、シンガポールはリースが盛んで、みんな5年でどんどん乗り換えるそう。
乗り換えた車が近隣のインドネシアやタイに輸出されるらしい。

税金が高いのでクルマも高い。
日本なら300万で買える国産車が倍以上するらしいが、やはり日本車が人気とか。

セントーサ島は去年、トランプとキムキムが会談して有名になったらしい。
モノレールはチケットを買うにも大渋滞。
と思ったらイミグレと同じく窓口が少なすぎる。

モノレールも1000人以上が待っているのに、2両編成だからなかなか進まない。
スタッフも「welcome」の一言もなく、ダラダラとやっているが、待つのが当たり前の外国人観光客は(ここでは我々も外国人だが)、文句も言わず整然と待っている。

9時にホテルを出て11時、やっと到着。
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とりあえず着替えて流れるプールや、大波が立つプール、ジャングルジムのようなアトラクションで、子供たちは大喜び

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決まった場所でしか飲食できないので、レストランは大混雑。
せめて園内は自由にしてほしいが、やはりきれいなのは気持ちがいい

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日本なら食べ終わったテーブルをスタッフがすぐ片付けて
となるはずだが、ここでも言わないと片づけない。


娘が一番楽しかったのは「rainbow leaf
海に模したサンゴ礁のプールを、数千匹の魚と一緒にシュノーケリングするもの
「レインボーリー...」の画像検索結果
こんな感じ

毎年シュノーケリングをやっているので、まさに「水を得た魚」状態。

ひとりでどんどん泳いで行ってしまうが、中3、中1、小4の甥っ子たちはシュノーケリング初体験。
さいころから親があぶないことを一切やらせないので、自転車も乗れないしアウトドアもやったことがない。
旅行中も甥っ子ふたりはずっとゲームに熱中。
勉強ができればいいらしいが、他人事ながら将来が心配になる。

帰りもモノレールは混雑必至。
なので直接タクシーで帰ることにしたが、ここも大混雑。

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「Q」はQUEUE(キュー)
英語のLINEと同じ「列」という意味、
イギリスの植民地だった名残か。


そして夜はホテルの最上階の中華料理店で、みんなでディナー
娘もちょっとおめかし

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高齢者や足の不自由な人のことを考えない、高級店の無駄なエントランス



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中華と聞いてラーメンが食べられると、期待していた娘。
ふかひれのスープとか高級中華がいろいろ出てくるが、食わず嫌いの娘はどれも食べられない。
しかたないので鳥そばを注文。
あっというまにバクバク完食した。

そして部屋に戻り、無料のテレビで飛行機で見損なった「the MEG」を娘と鑑賞

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中国語だけどなんとなくわかるのが、アクション映画のいいところ

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ホントはB級映画だけど、ジェイソンステイサムが出るだけで、ハリウッド映画に見えるところはさすが。

そして大晦日31日は再びセントーサ島のユニバーサルスタジオへ


9時半開演なので9時から長い行列に並ぶ。
やっと受付で妻が日本でプリントアウトしてきた、チケット引換券を見せると、
「ここじゃないからあっちの窓口へ行け」と一蹴
文句を言っても聞いてくれないので、仕方なくこちらも大勢並んでいる券売機の列に並ぶ。
いよいよ自分の番になったところで機械が故障。
こんなときもだれも文句を言わず、じっと再開を待っている。
キレた妻がスタッフを呼び出し、なんとか対応してもらいチケットをゲット。
また入場の長い列に並びたくないので、一人1万円のファストパスを購入。

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日本のUSJと違い、娘の好きなハリーポッターはない。

そのかわりジュラシックパークはあると喜んでいたが、ボートで波をかぶってびしょ濡れになるアトラクション以外、どれも私の苦手な「絶叫&重力系」の乗り物ばかり

他人が作ったものに命を預けるなんて、まっぴらごめんなので、できるだけ無難なアトラクションをと探すが、なにもない。


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なつかしいこんな建物も

このハムナプトラのアトラクションも、大人数で乗るので大丈夫だろうと思ったら、真っ暗&絶叫系でだまされた。



絶叫好きの妻はひとりでトランスフォーマーと、ジェットコースターに乗りに行った。
彼女曰く
「後楽園遊園地のせまいビルのあいだを走るコースターに比べたら、ぜんぜん怖くない」
らしい。
どうしても「ファイナルデッドコースター」の一シーンを思い出してしまう。

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絶叫系がキライな私と娘は、「マダガスカル」の無難なアトラクションで、大満足


メリーゴーラウンドは5回以上乗った。

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のんびりクルーズも5回は乗ったかな。

問題 娘のジジさんはどれでしょう?

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そして夜は定番ツアーのナイトサファリへ

むかしマナウスで道路に横たわっていた、倒木を片付けようとしたら、こんなアナコンダだったのを思い出す。

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そしてトロッコ列車みたいなバスのツアーに出発
ライオンやゾウなどがまじかに見られる、シンガポール観光では鉄板のツアーらしい。


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これはこれで見ごたえがあった。

そして大晦日の夜。
ホテルの前にはこれ見よがしに高級車が並んでいる

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部屋の窓からベイサイドの、ホテル・マリーナ・ベイ・サンズの花火が始まった。

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ホテルのロビーではカウントダウンパーティーの準備

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12時を過ぎる前からロビーは大騒ぎ。

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カウントダウンのお祭り騒ぎをよそに、部屋に帰ってNHKの「ゆく年くる年」を観る。

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翌朝元旦は朝イチからプール。
この子は水の中に入っている時が、いちばんうれしいらしい。
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そしてショッピングへ
地震がないので本当に奇抜な建物が多い。

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海外に行くと必ずタクシーの運転手と、会話するようにしている。
英語が通じなくても身振り手振りで、なんとか通じるし、彼らも観光客と会話する機会はないようで、いろいろ話してくれる。

ほとんどが移民の2世や3世で、「社会の底辺」の人が多い。
ガイドブックに載っていない話しや、彼らならではの苦労話が聞けるのがいい。

昨日セントーサ島の帰りに乗ったタクシーの運転手は、インドからの移民二世だった。
太平洋戦争後に両親が移住し、彼は30年タクシー運転手をやって、子供3人を育て上げた。
「娘二人はシンガポールで看護婦やってるよ」
と嬉しそうに話していた。

日本の移民政策でタクシー運転手も、みんな外国人になる日が来るんだろうナ。


ホテルまでの道すがら、
「ここがシンガポールで一番うまいチキンライスの店だぞ」
と教えてくれたのが、「文東記(ブントンキー)」という店だった。

義父母に話すと「ぜひ行ってみたい」という。
ネットで検索すると「人気店なので予約したほうがいい」とのこと。
念のため予約していくと、本当に混雑していた。

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チキンライスは蒸し鶏と、蒸した出汁(だし)で炊いたライスのセットのこと。

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たしかに美味しくて、食べず嫌いの娘も一口食べて「おいし~」って、バクバク食いついていた。

そして午後は買い物タイム。
おみやげを買う女性陣に付き合う。

目立つのは中国人観光客の服装。
全身シャネルやエルメスなどの高級ブランドに身を包み、お金持ちなのはわかるが、真っ赤な花柄のジャケットに、ヒョウ柄のパンツ、男性も白いパンツにラメ入りの派手な靴に、ゴールドじゃらじゃら

「演歌歌手?」
「どこかのステージで歌ってきた?」
なんて勘違いしそうな人ばかり。

そういえば30年前のバブルのころ、日本人観光客もみんなこんな格好で、パリやミラノの高級ブティックに押し寄せて、現地の人から顰蹙(ひんしゅく)を買ってたなぁと、思わず笑ってしまった。

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おどろいたのは酒類が高いこと。
「下町のナポレオン」こと「いいちこ」は、日本なら2000円くらいで買えるのに、103ドルって8000円以上!

酒類の販売も夜10時半から朝7時までは禁止で、セブンイレブンに10時半に買いに行ったら、冷蔵庫に巨大なチェーンロックがかけられて、ほんとうに買えなかった.....

日本のエスカレーターは、関東は右側、関西は左側を空けるそうだが、海外でエスカレーターで歩く人はいない。

オリンピックでたくさんの外国人が来たとき、朝の通勤ラッシュ時なんてきっと、パニックになるんだろうナ

買い物のあとはタクシーで、ベイエリアへ観光に行った。

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ここは「gardens by the bay」
映画「アバター」に出てきそうな、巨大な植物を模したオブジェがそびえている。

上の通路は有料で歩けるらしいが、あいにく雷が鳴ってきたので今日は中止。
といっても高所恐怖症の私は、カネを積まれても歩きたくないが....。

シンガポール地震がないので、ほんとうに独創的な建物が多い。
「シンガポール植...」の画像検索結果
ナウシカのオーブのような植物園。

新国立競技場のコンペで不採用になった、エジプト人建築家のデザインなんて、費用が掛かっても採用してほしかったと、改めて思う。

「新国立競技場 ...」の画像検索結果

観光立国を目指すなら、このくらい奇抜な建物があってもいい。

この建築家のデザインは実現不可能なものが多いとかで、「アンビルド」と揶揄されているが、日本の建築技術なら不可能じゃないはず。

隣国のインドネシアは年末にも火山噴火による津波被害が起きているが、タクシードライバーに聞いても
「65歳の今まで地震にはあったことがない」
と言っていた。

不謹慎だがもし大地震が起きたら、この未来的というか奇抜な建物の、いったい何割が無事に残るのか?、ちょっと気になった。

シンガポールも最初は一棟の奇抜な建物から、それを超えるデザインのビルがどんどん建って、今の街並みになったというし、日本もなんでも「木」を使う発想から、そろそろ脱却してもいいころじゃないか。

このチャンギ国際空港の「人口の森」もおどろいた。

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帰りの飛行機は23時30分なので、空港に着いたのは夜9時過ぎなのに、まるで昼間のような明るさ。

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なぜかハリーポッターの巨大なセットが。
英国領だった名残で、イギリスものはシンガポール人も好きらしい。

シンガポールのユニバーサルスタジオにハリーポッターがなくて、残念がっていた娘もこのサプライズに大喜びだった。

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出国審査は無人でAIの最新型らしいが、子供も一人でやらなければならない。

指紋スキャンがなかなか認証されず、インターフォン越しに担当官から何度も英語で話しかけられ、どうしていいかわからず泣き出しそうな娘。



近づこうしたたらマイクで「近寄るな!」と制止される。
なんとか出られたがAIは便利なようで、不便なことのほうが多い気がする。

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シンガポール航空の搭乗口は空港の一番遠いところ。
空港内も飲食禁止なので、ロビーでは水も飲めない
(だれも咎める人はいないが、中国人観光客以外、だれも飲み食いしていない)

そして23時30分出発の予定が、0時30分に遅延のアナウンス。
子供たちはおなかも空いて眠くてしかたないが、何も食べれれないし寝心地の悪い椅子では、なかなか横になれない。

やっと搭乗時刻になり、子供や家族連れから優先して搭乗させてもらえたが、0時30分になっても飛ぶ気配がない。
そしてさらに遅れること30分以上、1時過ぎにやっと離陸した。
すぐ寝たかったがなかなか寝付けず、結局「ミッションインポッシブル・フォールアウト」と、キムタク&二宮君の「検察側の罪人」を鑑賞。
ウトウトするうち6時に朝ご飯のサービスが始まり、1時間遅れで朝8時半に無事帰国。

じつは11月に肺炎にかかり、施設から病院に搬送されていた母親が、手の施しようがないと終末医療の病院に転院して、点滴だけで生きていた。
「年は越せないだろう」と医者から言われていたので、シンガポールに行っている場合ではなかったのだが、こちらも義父との最後の思い出になるかもしれないし、田舎の姉から
「年末年始は斎場も休みだし、帰国まで待っているから」
と言われ、出発していた。

空港から姉に電話すると
「まだ意識もあるし、変わらないよ」
と言われひと安心。
昭和ひとケタの人は本当に強いと、あらためて実感した。
とはいえ「たぶん2月までは無理だろう」とのことなので、もう斎場にも手配済みらしい。

数日ぶりの首都高を走りながら、きれいに整備されたシンガポールの道路と比べて、その老朽化と道の狭さに改めて驚く。

なにより近未来的な建物ばかり見てきた目には、四角いビルばかりの東京の街並みが、ひどく古くさく見えた。

来年はオリンピックで大勢の外国人観光客が来日する。
シンガポールはたしかに町並みはきれいだが、日本のような「おもてなし」の過剰サービスは皆無。
「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」などなど、売る側の過剰なおもてなしサービスは、客が自分のほうが偉いと勘違いして、モンスター化する原因だと思うので、ほどほどにしたほうがいいと思う。

移民政策で外国人労働者が多数流入して、もっと「雑な」サービスが当たり前になればいい。

シンガポールはゴミが無くてきれいだが、それは元日でも朝からたくさんの移民たちが、街を掃除しているから。

日本と同じで資源のないシンガポールは、輸出入の中継地で利を得ることと、観光立国で経済が成り立っていると、ガイドの女性が話していた。

日本は東京にはビルも多いが、浅草や下町もしっかり残っているし、海外のどこにもない京都の街並みや神社仏閣が多数あり、山や海などの自然も多い。

ファラオラリーから帰国して、成田エクスプレスに乗り、車窓から見える千葉の田園風景をみると、「日本に帰ってこれた」とホッとした。

買い物にも観光にもグルメにも興味のない私は、シンガポールにもう行くことはないだろうが、あらためて日本の良さを実感したシンガポール旅行だった。
(でも日本人ももっと英語が話せるようにならないと、国際化はほど遠いなぁ....)