R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

しょせんクルマ

以前のトランポはメルセデスベンツの「V280」というワンボックスだった。
バイクを運ぶだけならハイエースでもトラックでもいいけれど、平日は仕事でお客さんを乗せることもあり、ハイエースだと「オレは荷物か」って怒られるので(実話です)。

なので昔はトランポ用ハイエースと仕事用セダンの2台体制で、自宅と事務所に1台づつ置いていた。
当時は某幹事長の近くに住んでいて駅が遠い。
って最初から電車通勤する気もなく、通勤はバイクだったり自転車だったり、天気がいいと1時間くらい歩いていた。
雨が降ったときはクルマがいいけど、事務所の駐車場にはセダンがあるので、仕方なくカッパ着てバイク通勤....。

バイクは週末しか乗らないし2台は不経済なので、1台で済むクルマはないかと探したけど、ハイエース以外の国産ミニバンは後部座席が取れないので、なかなか見つからない(国産ミニバンはおちゃらけたCMで分かる通り、運転するお父さんより後ろの家族が優先なので、シンプルな欧州車とは発想が違う)。

そんなときパリダカおじさん横川さんから、「Vにバイク載せてる知り合いがいるから見に行く?」と言われ即行した。

広い倉庫にはオーナーの趣味で集めた旧車が何十台も置いてあり、お抱えメカニックのお爺さんが、旧~いMVアグスタを「起こして」いた。

ま四角なVのリアゲートを開けると、CB750K0のレーサーが載っていた。
ただのCBではなくスイス(だったかな?)のフレームビルダーが作ったという、かなり前衛的なフレームのマシンで、ツクバに走りに行くとか。

4つの後部座席はすべて取り外せて倉庫の隅に置いてあり、普段は6人乗りで週末はトランポにしているそう。

もう帰りの第三京浜タービュランスに電話して、ディーラーを紹介してもらい注文(このころは運転しながらの電話がオッケーだった)。
セダンは下取りよりガリバーのほうが高いと教えられ速攻ドナドナ。
値引きもあってハイエースにオプション付けるより安く買えた。

納車して1週間、雨の中を走ったらサンルーフから雨漏りが(新車です.....)
以来、信号待ちで突然エンジン回転が上がり、慌ててエンジンを切ったらもうかからないとか、走行中ガクガクと振動があり、停まってエンジンを切るとやっぱりかからない....

エアコンは効かないし、5年間でミッション交換2回、コンピュータの交換やら「いろんな」修理に出すこと数十回.....。

買う前にタービュランスから、「Vはベンツマーク付いただけの『商業バン』なので壊れる」とか、「1000万以下のベンツは本国ドイツでなく、スペインやブラジルで作っているし、エンジンはワーゲンの流用なので壊れる」とか、さんざん言われたけど、それでもいいと覚悟して買ったので、我慢もできた。

高速のSAでVに乗る人に会うと、旅先で壊れて電車で帰った話しとか、お互い様々な「故障自慢?」が始まって、毎回盛り上がったのも今では懐かしい。

結局Vのトラブルはワールドワイドだったようで、ベンツ全車種のクレームワースト3の堂々1位2位を独占♪(1位がV230,2位がV280,3位MLもよく壊れた)。
私の年式を最後にめでたく生産中止になった。
(横川さんのご友人のVはいまだにノントラブルで、数少ない「当たり」だったらしい)

その後Vは「VIANO」→「V350」と名前を変え、エンジンもベンツ製になり、ドイツ本国で生産されるようになったので、ディーラーからは毎年買い替えを勧められたけど、FFからFRに変更されて荷室の天井高が低くなり、背の高いオフ車が載せづらそうなのと、トラブルが多くても1台でトランポと営業車の2役を、けなげに「全う」してくれている、現行Vが実はお気に入りで、買い替える気にはならなかった。

2年前の年末にディーラーから、「これから新型Vを持って行くので、もしバイクが載ったら安くするので買ってください」と連絡があり、そんなに言うなら持ってくればと言うと、速攻でやってきた(よっぽど交換したかったみたい)。

試乗するよりまずリアゲートを開けてメジャーで高さを測ると、やっぱりVより5cmくらい低い。
念のためKTMのFフォークをタイダウンで縮めて、そろそろと載せてみると見事に入った。
「入ったね」とディーラーの彼を振り返ると、その手には契約書が....
観念して契約し、ここで初めて試乗。
アクセルを踏んだ途端、FFで「もっさりした」Vとは明らかに違う加速(FR3.5L)。
乗り心地もFRになったことで普通の乗用車。

もう2年経つけど、未だノントラブル。
燃費も向上しエアコンも効く(って国産なら当たり前だけど)。
不満は6人乗りから7人乗りになり、3列目のシートが2席くっついていて、重くて一人で動かせない....。
なので普段は3列目を下ろして、ひろびろ4人乗りにしている。


ガイシャに乗っていれば少しくらいのトラブルは「あって当たり前」だけど、made in japanのプリウスにはそんな「愛嬌(あいきょう」は通じないんだなぁ。

知り合いでイギリス人のSさんちに行くと、愛車のジャガーとミニ(旧いほう)のどちらかは、いつも彼が修理していた。
オイルが漏れていたので「漏れてますよ」って言うと、「当たり前だよ、機械なんだから」と言われた、納得。
隣りに住むイタリア人のRさんが、「英車は壊れるからね」って馬鹿にすると、すかさずSさんも「イタ車はすぐ錆びるからな」って言い返し、あとは漫才のような言い争いをしていた。

リコール隠しをした(ような)トヨタもよくないけど、しょせん機械のクルマに完璧を求めるのは、どうかと思う。
勝手に運転してくれるクルマもそのうち開発されるだろうけど、そこまで必要なのか。
あまりコンピュータ頼みにしていると、「ターミネーター」のように機械が人間に取って代わる日が、現実に起こりそうでオソロシイ。
未だにキャブでなくインジェクションのバイクに抵抗を感じているのは、こういうことだったのかな........