R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

YL音響

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AMラジオが好き。

文化放送からニッポン放送、NHKまで、毎日好きな番組によってチャンネルを変えて聴いている。

40歳くらいまではずっとFMだった。

ゴルフに行くとき年長の人の車に乗ると、必ずといっていいほどラジオはAM。

おしゃべりばかりで音楽がなくて、当時は聴いていて退屈だった。

それがいつのまにかAMしか聴かなくなった。

たまにFM聴いても知らない曲ばかりだし、DJも音楽に頼ってるからしゃべりもヘタ。

なにより最近のコンピュータ打ち込みで作った曲は、どれも同じで心に響かない(旧いオトコなので)。

J-WAVEも20年前の開局当初が、一番よかった。
試験放送なので一日中、音楽しかかけないから.....。

それがいつのまにか黒人音楽と、それを真似たJ-POPのオンパレード....

ハイテンションでしゃべるDJ(ナビゲーターっていうらしい)も、聴いていてとても疲れるようになった。

そんなとき偶然チャンネルを合わせて聞いたAMラジオが、ただの世間話しなのにとても和やかな気分にさせてくれた。

リクエストでかかる歌も、思わず一緒に口ずさんでしまう昭和の懐メロ。

視聴者のはがきやメールも同世代の話題が多く、聴いててためになったり考えさせられたり....。

以来ヘビーリスナーに。

私はプロ野球が嫌いなので、この時期は憂鬱になる。
AMは夕方から野球中継が始まるから....。

なので久しぶりにFMを聴くと、相変わらずうるさいだけのDJが同じような曲ばかりかけて、頭が痛くなる。
そんなときはオーディオで好きな音楽を聴きたい。

このスピーカーはYL音響というメーカーのもの。

義父から譲られたもので、クラシック&オペラキチガイ(オペキチ)の彼が40年以上前
「クルマ買うかスピーカー買うか」
と悩んだあげく買ったもので、当時でも給料数か月分と、かなり高価なものだったらしい。

YLとは「吉村ラボラトリー」の略で日本製だけど、会社はもうない。

20年以上前に自宅を建て替えたとき小さいスピーカーに買い替えて、大きくて場所をとるこので山の家に持って行ったきり、ずっと置きっぱなしだった。

中古オーディオ買取店に電話したらしいが、遠いので出張料と処分料を取ると言われ、思い入れもあるので売らずに置いていたそう。

私がバイクを載せるVを持っていることを知った義父から、
「自分で聴くもいいし、お店で売ってもいいので持って行かないか」
と言われ、一緒にもらったソニーの初期型のCDプレーヤーと、東京に持ち帰った。

友人のA君が秋葉原の中古オーディオ店にいるので、彼のところにそのまま積んで行った。

妻と一緒だったので1万円でもいいから、売れたら「肉の万世」で美味しいものでも食べようと彼に見せると、
「これ今すぐ50万で売れますよ、程度もすごくいいし」
って。

「このCDプレーヤーも初期型は品質が今と全然違っていいし、程度いいから売るのもったいないですよ」
と言われたまげた。

この店は品揃えでは日本一で、全国から来ているお客さんもマニア(オタク?)なおじさんばかり。

「こんな旧いスピーカーが、本当に50万?」

といぶかる私を見た彼が、

「○○さん、YLのスピーカー買う?」

と、常連らしいおじさんに声かけると、

「YL?、買うよ!」

と即答され、またたまげた...。

現物を見せると
「あんたホントにこれ売るなら、オレ今積んで帰るわ」

とおじさんは言う。

「若いころ欲しかったけど高くて買えなかった」

そうで、YLは海外でも人気があって、今では同じものを作れる人も設備もないとのこと。

事情を話したら

「あんたのおやじさんも苦労して買ったんだから、売らずに聴いてやれ」

と逆に説教された。

じゃあ持って帰ろうと思っったが、そうなるとアンプがない(アンプはもらえなかったので)...。

40年前のYLならアンプも真空管だろうといろいろ聴き比べるも、私はマニアじゃないのでデザインと価格で選ぼうと(安いのでいい)。

でも子供の時から父親に叩き込まれて、同じく「オペキチ」の妻は耳が肥えていた...。

A君も趣味と実益を兼ねたこの仕事が天職の、「超オタク」なので、次から次へと違うアンプをつないでは二人で聴き比べて、あーでもないこーでもないと盛り上がっている。

どんどん価格も上がって、最後に満足したのはイギリスのアンプで、大まけしてもらって○○万円也...。


スピーカー売りに行って、高いアンプを買って帰ってきた、落語みたいなホントの話。


今は事務所に置いていて、A君から

「何十年も眠っていたのでとにかく毎日、音を出して」

と言われ毎日聴いている。

たまにA君が来ると

「あぁすいぶんいい音になってきましたね」

と言われるけど、オーディオも生き物らしい。

私的にはイギリスの「タンノイ」がアンティークっぽくて好きだけど、A君曰く
「タンノイはオーディオというより家具ですから」。

彼に言わせるとJBLやBOSEは、
「見栄えのいい飾りもの」らしい。

音楽関係の仕事をしていて、CDのライナーノーツも書いている友人に、

「YLのスピーカーもらった」

と言ったらすぐ聴きに来た。

ジャズやクラシックのCDをたくさん持ってきて、一人聴き比べている。
彼曰く

「これはジャズよりクラシック、それも弦楽器がいい音するね」

だそう。

「こんな大きいので聴いたら近所迷惑では?」

と思ったけれど、A君も彼も

「いいスピーカーは小さい音でもいい音で聴ける」

らしい。

バイオリンの音色で聴き比べると、安いスピーカーはギコギコと「のこぎり」みたいな音だけど、こっちは目を閉じると目の前で演奏しているような錯覚を、私のようなドシロートでも覚える。

A君に

「次はレコードプレーヤーかな?」

って言ったら、

「レコードまでハマると『あの人』みたいになって抜けられなくなりますよ」

って...。


秋葉原で私に説教したおじさんは一代で大企業を起こした会長で、自宅の地下スタジオには総額数億円のオーディオが並び、スピーカーの配線1本に数百万も使う、筋金入りの「超」マニアだった。