R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

無頼派

ランニングのついでに五反田のブックオフで、これを買った
イメージ 1

作家、伊集院静と漫画家 西原(サイバラ)理恵子の共著「アホー鳥が行く」

以前「週刊大衆」(だったかな?)に連載していて、雑誌の性格上、ギャンブルの話を中心に、伊集院氏のエッセイに西原女史の挿絵(マンガ)が死ぬほどおかしくて、当時の愛読誌の一つ(あとは「アサ芸」とか「実話」とか)。

伊集院氏はそのギャンブルと酒に明け暮れる、破天荒な生き方が好きで(というか他人とは思えなくて)、新書が出るたび買って愛読していた。

ある日ブックオフに行くと、センセイの文庫本が100円コーナーで売っている....。
以来、「伊集院モノ」は100円でしか買わなくなったけど、とりあえず大ファンかな。

昔、銀座あたりでかなりニアミスしていたらしいけど、いまだお会いしたことはなし。
長年の不摂生でカラダもボロボロのようなので、元気なうちにお会いできればと思うが....。

西原女史も最近では「いけちゃんとぼく」で有名になったけど、アル中のご主人との凄まじい闘病生活の自伝や(ご主人は亡くなったが)、ズバズバもの言うキャラがよい。

イメージ 2

挿絵のマンガはこんな感じ。伊集院センセイを知る人には思い当たる話ばかり。


昔、伊集院氏と同じ生き方をしている知人がいた(まだ生きてるけど)
ギャンブルと名がつくものはなんでもござれで、お金のあるときは毎晩豪遊、無いときは定食屋でソースライスと、ギャップが激しすぎたけど、よく一緒に遊んでいた(私はお上が胴元の公営ギャンブルはやりません)。
貸した10万円がお馬さん1点買いで500万に化けたときは、仲間も呼んで向島でドンチャン騒ぎ、あっというまに無くなった(アホですナ)

二人で麻布の定食屋に行くと、店のオヤジが彼にレースの予想を頼む。
競馬新聞を一読した彼が予想をすると不思議なくらい的中し、おかげでこの定食屋でお金を払った記憶がない。

「自分が賭けないと当たるんだよね」と笑っていた....。

マージャンもゴルフもお金がかかると、大勝ちは「わざと」しないけど絶対に負けない、生来の博徒

銀座のママの誕生日で彼と飲みに行ったとき、馴染みのピアノの先生が(当時はピアノ弾きがどこにでもいた)、ママのためにジャズのスタンダードを弾いてくれた。
ほろ酔い加減のママが「どなたか私と踊って下さらない?」と、満員のテーブルに声をかけたが、普段偉そうに飲んでいる金持ちオヤジたちは、誰もダンスなんて出来ないので、みんな黙って下を向いている...。

そんなとき彼がスッと立ってママの手を取り、華麗なステップでジルバやワルツを踊り始めると、オジサンたちは口あんぐりで、お店の女の子たちはみんなウットリ♪

あとで聞いたら「オレ、若いころホストやってたからダンスはひと通り覚えた」って。
彼の別の顔を知った。
昔のホストは今のチャラ男系ホストと違い、ちゃんと接客用の「芸」はマストで、ゴルフもこのころ覚えたそう。

一時期、六本木でポーカーゲーム屋をやっていて(投入口に1万円しか入らないヤツ)、危ない橋を渡ったのも一度や二度ではないけれど、今では某ホテル(ラブホじゃない)の副社長やっている。

でもたまに会うと「オレ、今までの人生で一番働かされてるヨ...」って、ボヤいているけど。
もうじき60でいまだ独身。

昔はこんな破天荒で無頼な遊び人がたくさんいて、本当に楽しかった。
今はセコく見返りを考えながら、小銭を使う人間ばかりで、面白い男がいなくなった.....。

彼の人生そのものがギャンブルのような気がするけど、私には真似のできない素敵な生き方だな、って思う。

エコだハイブリッドだと踊らされてる、所詮コンピュータ頼みの世の中には、こんなアナログおやじたちは無用の存在かもしれないけど、無理な仕事抱え込んで疲れた人たちも心のどこかには、こんなアウトローたちへの「憧れ」があると思う。