道東はヒグマがいっぱい

世の中はお盆休みだったけど病院勤務の奥さんは、先週もず~っと仕事。

前半は神津島弾丸ツアーだったので、後半は20日(火)から3泊4日で北海道へ。

羽田から釧路空港へ 今回は釧路湿原知床半島の道東方面を回る予定。

飛行機が少し遅れて午後2時前に到着、速攻でレンタカーを借りて

トヨタシエンタのガソリンPHV

エンジンがかかっているかわからないほど静かで、何度もキーを回してしまった。

 

釧路湿原へ行く前にお昼ごはん、

グーグルマップで空港から一番近い豚丼屋さん「ぶた福」さんへ。

2時半までの営業時間にギリギリ間に合ったけど、人気店なのかほぼ満席。

となりのテーブルは地元の小学生の男の子2人とおばあちゃん(でも若い)。

地元の人に愛されているお店らしい

娘と奥さんはバラとロースのミックス、私は100頭に3頭しか取れないという「かみこみ豚丼」を注文。

かなりボリュームあったけどやわらかくて甘いタレも相まって、ペロッと完食。

娘と奥さんが食べきれない豚肉を、そっちも完食

(このあと釧路湿原を3キロ歩くんだから、しっかり腹ごしらえしないと,

と思ったらこれが大誤算(@_@))

そして釧路市立展望台へ

湿原の遊歩道入り口に人だかりが。

8月12日にヒグマが出たので遊歩道は通行止め(ガーン!)

目撃から一週間もたっているのに、万が一被害が出たら市の責任を問われるのがイヤなんだろうなぁ。

なので入館料を払って展望台へ

釧路湿原観光は奥さんのたってのご希望。

湿原を縦断する「ノロッコ列車」に乗りたかったけど、すでに予約はいっぱい。

釧路駅から網走までの釧網本線なら、ノロッコと同じ湿原を走るらしいので、奥さんと娘は釧路から電車に乗って、私が途中の塘路(とうろ)駅でピックアップすることに。

まるで市役所のような釧路駅に送り届け。

ナビだと塘路駅はここから電車もクルマも40分くらい。

でも信号は少ないし道はまっすぐだし、制限速度50kmの道もみんな70~80kmで走っているので、5分前に塘路駅に到着

時速60kmで走るならシエンタで十分かと思ったけど、上り坂はちと苦しいし、60km/hで走っていてバックミラーに後続車が見えたと思ったら、次の瞬間にはもうすぐ後ろにいるので、すぐハザードつけて追い越してもらうの繰り返し。

そのうちこちらも80kmとかで走るようになって、感覚がマヒしてしまう。

北海道だけ国道は制限速度70km、県道は60kmでもいいんじゃないかと、まじめに思う。

無人駅の塘路

今回の北海道旅行に向けて、YouTubeで道東方面旅行者の投稿動画を見まくったので、もう観光名所を覚えてしまった。

なのでこの駅もすでに既視感があるほど。

1両編成のかわいい電車が到着

降りたのは観光客が4人だけ

湿原ではシカもたくさん見られたそう

 

ここからクルマで10分のサルボ展望台へ行くと

またヒグマで進入禁止

さすがに禁止と言われているのに登山道を登る勇気はない。

ちかくに「コッタロ湿原展望台」もあるらしいので、そちらへ向かう。

未舗装のグラベルを数キロ進むと

たくさんのシカがお出迎え。

せっかくなので展望台までの1キロを奥さんと娘は散歩して、万が一ヒグマが出たときのために私がクルマで伴走

 

夕方でほかに人はおらず。

この展望台までの笹薮の上り下りが一番こわかった。

今夜の宿は屈斜路湖近くの川湯温泉にある「欣喜の湯別邸 忍冬(すいかずら)」

途中「硫黄山」の近くを走ると、閉め切った車内まで硫黄のにおいが入ってくる。

7時に到着してさっそく夕食。

お昼に豚丼食べ過ぎたのに、ヒグマのためにほとんど歩けず、まだおなかが苦しい。

ビュッフェスタイルで飲み放題、

ごちそうもたくさんあるのに、食べられずくやしい

とりあえず頑張ったけど、さらにおなかいっぱい。

お風呂に入ったあと「腹減らし」に、ひとりで近所をウォーキング

なつかしのセイコマート

ここは横綱大鵬の出身地、近所に大鵬記念館もあるので、全盛期は繁盛したんだろうが、すっかりさびれてしまっているのは、どこの温泉地も同じ。

さびれたお土産物屋の軒先には鹿の角がたくさん、今どき買う人いるのかな?

 

温泉地をグルッと30分くらい歩いたけど、まわりが森で「ヒグマ注意」の看板だらけ。

さすがにこわくてこれ以上遠くに行けず。

もう一度温泉とサウナにも入ったけど、熱いのが苦手なのですぐ出てしまう

(サウナなんてなにが楽しいのがよくわからない)

翌朝は6時に起きて、奥さんと歩いて30分の屈斜路湖までウォーキング(娘は爆睡中)

キタキツネに遭遇、観光客がエサをあげるので警戒しながらも近寄ってくる。

エサがもらえると思って車にはねられる「ロードキル」が続出しているので、かわいそうだけどエサはあげられない。

屈斜路湖

ホテルから往復7000歩、5,5キロ歩いたけど、まだおなかが空かない。

でもビュッフェスタイルだとついたくさん取ってしまい、また満腹に(いやしいなぁ.....)

30年前の10分の1に温泉客が減ってしまったようで、ここも古い建物をかなりの費用でリノベーションしている感じ。

夕食時はアルコールもフリードリンクで、1階ラウンジも夜10時まで飲み放題。

ホテルの中だけで用が足りるので温泉街に出る必要が無いのも、さらにさびれる要因かも。(でも居心地はよかった)

翌日も快晴。今日は知床まで行くので朝9時に出発

大鵬記念館、今回は寄る時間が無かった

そして屈斜路湖でクッシーに会い。

もっとクッシーを「ウリ」にしているかと思ったけど、火山の噴火でできたカルデラ湖に、恐竜がいるわけないと思うのは私だけ?

屈斜路湖の展望台だったかな(北海道は展望台ありすぎるうえに、どこも景色が同じ)

奥さんが観たいという「神の子池」へ。

ここも未舗装路を数キロ走るので、SUVを借りればよかった。

ここから知床五胡フィールドハウスまで約90キロ。

お昼になってもおなかが空かないので、セイコマートで軽食を買い走りながら食べる。

ナビだと1時間半だけど、あいかわらずみんな80kmオーバーで走るので、1時間ちょいで到着。

途中、反対車線でネズミ捕りをやっていて、そのあたりは60km/hで走るけど、もうスピード感覚がマヒしているので、ものすごく低速に感じてしまう。

そして知床五胡めぐり。

施設でレクチャーを受けて、ヒグマの怖さと対処法を聞いて、いざ。

数日前のホームページでは「ヒグマがでたので入山禁止」になっていたけど、この日は大丈夫。

それでもこんな木のキズや

こんなのを見るとみんなヒグマの仕業に見えてしまう。

とりあえず何事も無く一周。

服装は「長そでシャツにズボン」推奨だけど、中国人観光客は半そで短パンが当たり前。

彼らのあとを歩くととにかく声がでかいので、クマも寄ってこないみたい。

なんか「前評判のわりにこわくないお化け屋敷」に行ったみたいな、消化不良感でいっぱい。

終点近くのこの木道は3mほど高いところにあり、ヒグマ目撃情報があっても歩ける。

ここでヒグマの餌付けをすれば、本物を見られて来場者は喜ぶと思うけど、それが生態系を壊してしまうんだろうな。

もう一周くらいしないとおなかが空かない

今日と明日の宿はウトロの「KIKI知床リゾート」

窓からはオホーツク海とウトロ漁港

大浴場へ行こうとロビーに降りると、10個ほどのかなり大きなトランクのうえに、バイク用ヘルメットがずら~っと置かれていた。

ロビーにはバイクウェアに身を固めた一団が。全員中国人らしい。

チラッと聞いたら2日前に札幌に着いて、レンタルバイクとウェア一式を借りて、ホテルに泊まりながら一週間「豪華ツーリング」しているそう。

伴走するトラックにトランクを積んで、明日は知床峠を超えて羅臼に行くらしい。

バイクはピカピカの国産大型バイク。費用はレンタル料含めてひとり100万円くらいとか。

翌朝は近所の展望台まで散歩

キャンプ場にはソロツーリング中のライダーがたくさん。

昨日の中国人グループの豪華ツアーを見てしまうと、テントで自炊は貧乏くさく感じてしまうけど、「北海道はキャンツー一択」の人や、「初めてのキャンツーは北海道」という人も多いらしいので、人それぞれ楽しめればいい。

 

北海道をバイクで走ったのはちょうど10年前、スガワラ爺と一緒に走った「北海道4デイズ」以来。

sinano.hatenablog.com

毎日コマ図でグルグル走り回ったので、どこを走ったかも忘れてしまったけど、250ccの非力なセローでは走っても走ってもなかなか進まず、北海道が広いことだけ覚えている。

「スピード違反でとか待った選手は強制リタイア」

だったけど、なんと初日にオーガナイザーのY田さんがネズミ捕りに捕まったそうで、リタイアのハナシはうやむやになった.....

TBIなどむかしのSSERのイベントは、どんなに雨が降っても嵐でも、テント泊が当たり前(「仮想パリダカ」なので)。

初日から土砂降りのなか一日走って、ゴールして雨のなかテントを張り就寝、

翌朝もテントをはげしく打つ雨音で目を覚まし、濡れて重くなったウェアとブーツを履いて、また一日中雨のなかを走るの繰り返し。

一週間風呂にも入っていないので、最後のゴール後に入ったホテルの風呂が、もう臭くて臭くて。

以来出るのがイヤになった。

なので毎年北海道ツーリングに行く人を見ると、

「なにがたのしくてキャンプツーリングするのかなぁ」

と思っていたけど、こんなホテル泊の豪華ツーリングなら行っていいかも(でも雨の日は走りたくないなぁ.....)。

 

やっと腹もこなれてきたので、朝食は牛丼をガッツリ

今日の目的地は「カムイワッカの滝登りトレッキング」

昨日の知床フィールドハウスよりさらに先、また未舗装の砂利道を数キロ走る。

携帯も圏外になりナビもぷつっと途切れてしまう。

「こんなところでパンクして通話できるところまで歩いて、クマがでたらどうしよう」

なんてドキドキしながら進むこと数十分

ほんとに山奥の突き当りにあった

ヘルメットと防水シューズはレンタルできるけど、シューズは神津島で使ったマリンシューズを持参した。

濡れていいように水着を着用。

水は硫黄を含んだ酸性の「お湯」なので、アタマからかぶるとピリピリして目が痛い。

こんなところもロープも無く登っていく。

酸性水はコケが生えないらしいので、水の中を歩くほうが滑らない不思議。

バカにしてたけどなかなかの登り。でも小さい子もがんばって登っている。

30分ほどで終点の「4の滝」に到着。でもこわいのは登りより下りだろう。

このくらいのところはお尻で滑り降りたほうが安全。

でもアタマから酸性のお湯を浴びるので、ピリピリして目も痛い。

無事下山。

本当はこのまま知床峠を超えて羅臼まで行く予定だったけど、ホテルに戻ってシャワーを浴びることに。

ちょうどお昼なのでウトロのラーメン屋さん「波飛沫(なみしぶき)」さんへ

おもてに10人ほど並んでいて、ふだんならぜったい並ばないけど、もう他を探すのも面倒くさい。

でもチャーシュー麺美味しかった。

ニュースで東京、とくに港区や新宿区などの都心は大雨とか。

こちらも今夜は大雨の予報だけど、午後2時過ぎたら空模様が怪しくなってきた。

知床峠は霧で強風、

半そで短パンで来たことを激しく後悔するほど、むちゃくちゃ寒い。

バイクや自転車で来た人たちも、みんなガタガタ震えていて、熱いコーヒーが飲みたい。

 

そして羅臼へ。

せっかくならウトロと羅臼は観光船に乗り、シャチやクジラウォッチングしたかったけど、奥さんは船酔いするし、数年前の沈没事故を知っている娘は「ぜったい乗らない!」って。

でも昨日と違って今日は波も高いので、ホエールウオッチングは欠航みたい。

行くところもないので「クジラが見える丘公園」まで登ってみる。

その気になれば望遠鏡でクジラが見えるらしいけど、寒いうえに雨も降ってきたので、そそくさと退散。

国後はすぐそこ。

羅臼はウトロよりさびれている印象で、ホテルもお店も少ない感じ。

帰りの知床峠は霧。

とつぜん睡魔に襲われて、奥さんに運転を代わってもらい爆睡。

 

昨日の川湯温泉と違い、ホテルは中国人観光客がたくさん。

夏休みは先週で終わったはずなのにほぼ満室とか。

寿司や魚が大好きな奥さんと違い、娘は焼き魚以外は寿司も刺身もいっさい食べない。

私も寿司や刺身は食べるけどウニやイクラは生臭くて苦手。なので去年函館に泊まった時も、朝市で海鮮丼を食べたのは奥さんだけ。

「せっかく北海道に来たのにつまらない奴ら」(By奥さん)

と呼ばれている。

でもお肉は美味しいので無理してでも食べまくる。

このホテルも一見キレイだけど、滝登りで汚れたマリンシューズを洗って、非常階段の踊り場に干そうとしたら、階段がかなりさびていた。

もし火事で数百人が殺到したら、崩落するんじゃないかと心配になる。

 

最終日は網走監獄へ。

ウトロの「オシンコシンの滝」を見て

駐車場には関西ナンバーのバイクの一団が。

滝までの階段をのぼる後ろ姿はみんなヨボヨボしていて、私より年上かも。

この人たちはテントを積んでいないので、昨日の中国人と同じくホテル泊かな。

3泊4日くらいで来れるならバイクもいいけど、自走だとフェリーで往復2日必要なので、やっぱり一週間くらいになるのかな。

中国人みたいにレンタルするのももったいないし、飛行機で空輸するなんてさらにもったいないので、私が北海道ツーリングするのは仕事をリタイアしてからかなぁ。

来るときも通った「天へ続く道」をもう一度。

そして約80km走って網走監獄へ

昭和世代の私には網走番外地と言えば高倉健だけど、娘と奥さんはゴールデンカムイ

土方と犬童が戦ったのは左のドアの奥かな

ゴールデンカムイ 聖地巡礼 ~網走監獄編~ - モタク旅行記

まだ帰りの飛行機まで時間があるので流氷館へ。

なんかもう見飽きた景色。

 

女満別空港から新千歳までは、まさかのプロペラ機

なかなかスリリングな体験だった。

新千歳から羽田はエアドゥ

夜7時過ぎに無事帰宅。

暑いと思っていた都内は意外に札幌と同じくらいで、そろそろ秋の気配かな。

たまった洗濯物を一気にかたづけて、10時には爆睡。

夏は北海道が涼しくていいかもしれないけど、いつか免許が無くなりそうでおそろしい。