「ちびまるこ」世代の私が子供のころは、茶の間に集まって家族団らんでテレビを観るのが日課だった。
祖母が時代劇とプロレスの大ファンだったので、金曜夜の三菱電機がスポンサーだったプロレスは、近所のおじさんも交えて大興奮で観ていた。
Ｇ馬場、猪木、ビル・ロビンソン、ブルーノ・サンマルチノ、ブッチャー、ザ・ファンクス.....
祖母はテレビのＧ馬場に向かって体をゆすりながら「行け！やれ！」と声援を送っていた。
地元に興業にきたとき、大型バスから降りてきた馬場のすぐ後にブッチャーが出てきたときは、ホントびっくりした....。
ドラマもいいのがたくさんあった。
好きだった俳優は田宮二郎。ニヒルな演技が子供なのに好きだった。
白い巨塔、白い滑走路、高原へいらっしゃい....
いろいろあったが白い巨塔の最終回前に猟銃自殺してしまい、子供ながら驚いたのを覚えている。
「華麗なる一族」にも出ていたが、主人公と同じ死に方も当時は話題だった。
数年前、白い巨塔のリメイクで田宮二郎が演じた主人公を唐沢寿明が演じた。
原作を何度も読んで、田宮二郎のイメージも強かったのでちょっと違和感があった。
むしろ共演の江口洋介のほうが、前作の山本学のイメージで好感が持てた（救命病棟24時が好きなのもあるが）。
その唐沢寿明がまた山崎豊子原作の「不毛地帯」で、主人公の壱岐正を演じるらしい。
「不毛地帯」は昔、叔父が原作を持っていたので借りて読んでいた。
私の田舎にはシベリア抑留経験者が多く、お年寄りから当時の話しを伺うと、過酷な強制労働や死んでいった仲間の姿がまざまざと頭に浮かんで、その夜は眠れなかったことを思い出す。
フジテレビは唐沢寿明が好きなのか。なんだかんだ言ってもたぶん私は見ると思うが。
最近好きな俳優は佐藤浩市。
たぶん田宮二郎とダブるところがあるんだろうが、白い巨塔の財前五朗も彼にやらせたかった。
彼が主演する城山三郎原作の「官僚たちの夏」が、明日、最終回。
http://www.tbs.co.jp/kanryou09/
今のテレビはマンガで流行ったものをドラマ化したり、お笑い芸人のバラエティや、売れっ子タレントを使った恋愛ドラマばかりで、視聴率稼ぎに躍起。
歳を取るともっと大人の骨太なドラマを観たいと思うが、観たい番組がなかなかない。
大河ドラマでさえイケメンのオンパレードで、観ていて華やかでもそれだけで、続けて観る気にならない....。
戦後の日本経済をけん引した、「ミスター通産省 佐橋滋」をモデルにしたドラマで、泥臭い内容かもしれないが、毎回つい見入ってしまう。
大変な時代かと思うが、映画もドラマも女子供相手でない、大人の男のドラマを作って欲しいと、切に願う。
