上野動物園と言えば、子供のころ読んだマンガ「トンキー物語」を、いまだによく覚えている。
太平洋戦争中、空襲で動物園の猛獣が逃げると危険ということで、ライオンら猛獣はエサに毒を混ぜて(たしかストリキニーネ)殺されたが、ゾウはにおいに敏感で毒の入った餌を食べなかった。
注射器で毒を打とうにも、皮が厚くて針が折れてしまう。
しかたなくエサを与えずに餓死させることになったが、ゾウのトンキー、ジョン、ワンリーは、エサをもらうためフラフラになりながらも必死に芸をする。
そして1頭づつ死んでいくというお話しだが、同時期に連載していたマンガ「はだしのゲン」と一緒に、小学生の記憶のなかに戦争の悲惨さが深く刻まれた。
なので動物園でゾウを見るたび、人間の勝手で殺されたトンキーを思い出す。
動物園でオリに閉じ込められた動物たちを見ると、なんだかかわいそうになるのが、動物園に行かなくなった理由かもしれない。
そういえば昨日の昼前、パンダに発情の兆候が出たので見学を中止すると、園内放送されていた。
パンダも毎日たくさんの人の前にさらされて、いい気はしないんじゃないかな。
野生のフラミンゴはパリダカのゴール「赤い湖」、ラックロゼで初めて見た。
ここにいる彼らは一生飛ぶこともできず、コンクリで固められた池のなかで一生を過ごさなければならない。
外敵の恐怖もエサを探す苦労もない代わりに、 飛ぶ自由を失った彼ら。
野生とオリのなかとどっちが幸せなのか。
それでもウチの娘はフラミンゴが一番のお気に入りだったようで、「動物園でなに見た?」と聞くと、「ふらみんご~!」と元気に答える。
よほどオレンジ色のカラダが印象に残ったようだ。
できればライオンもゾウもキリンも、本場のサバンナに行って野生のままを見せてやりたい。
ついでに現地の人の貧しい暮らしも見て、おなか一杯ご飯が食べられることがどんなに幸せなことか、知ってもらえればうれしい。
オリごしにライオンやゾウ、キリンを見るより、子供はこうしてヤギやウサギに直接触れるほうが、うれしいようだ。
初めはおっかなびっくりだったが、馴れると追いかけまわしてヤギに嫌がられていた(ウチの娘は右です)。
おととし帰省したときに会ったハイジとヤギのメイちゃんは、元気だろうか。
あのころ娘はまだ「人間以前」だったが、今ならハイジのように一緒に遊べるかもしれない。
上野公園の桜も来週くらいには満開になるのだろうか。
帰宅してさすがに遊び疲れた娘は、ごはんを食べてお風呂に入ってバタンキューだった。
寝静まってからまた3本ローラーを漕ぐ