バドミントン選手による闇カジノ事件のニュースが、世間をにぎわせている。
むかし知人が六本木でポーカーゲーム屋をやっていた(もちろん違法の)。
私も頼まれて金を貸していたのだが、今回のカジノ屋と同じく入口のテレビカメラで客をチェックし(警察の手入れや他店のいやがらせに備えるため)、店長がもし捕まっても、経営側に類が及ばないような人間を立てていた。
インベーダーゲームのような機械が10台くらい並んでいるが、大きく違うのは100円ではなく1万円札しか入らないこと。
場所柄、有名人や野球選手もよく出入りしていたが、今と違ってSNSなんて無かったから、誰かにツイートされてスクープされる心配も無かった。
今回の2選手もキャバクラに入り浸っていたらしいが、ホステスが「紹介料」欲しさに彼らを客として連れてきたり、ヤ○ザの息がかかった飲食店経営者が、「上客」として紹介したのだろう。
店側は最初は勝たせてやって「いい思い」をさせ、カネもあるが彼らのように弱みもある客から、骨の髄までしゃぶりつくすというのが、この世界の常とう手段。
店の奥にはコンピュータがあり、負けが込んだ客は出目を増やして儲けさせ、勝ち過ぎの客は少し抑えたりできる。
負けた客に他所で店の悪口を言われないようにしたり、逆に「あの店は儲かる」と宣伝してくれるよう、売り上げが赤字でも引くに引かれず、最初は儲かると言われて始めた商売だが、実態は火の車だった。
客がいない店は「客が勝てない店」と思われてしまうので、私もサクラとして週に数回は客のフリをして遊んでいた。
私が使うカネはオーナーが現金で回してくれるので、まわりから見れば「湯水のように」、派手に使っているように見えただろうが、ホステスと来ている客はオンナたちにいいところを見せようと、本当に100万以上の現金を、たかだかゲームに注ぎ込んでいた。
もしこのとき警察の手入れがあったら、私も現行犯で逮捕されただろうが、オーナー曰く
「大丈夫、(手入れが)あるときは事前にわかるから」
って。
蛇(じゃ)の道は蛇(へび)なのだ。
結局この店は毎月の上納金が高すぎて払えず、支払った数千万の権利金も戻らず、店も取り上げられてしまい、私が貸した金も戻らずじまいだった。
それでもこの二人の若者は、今のうちに発覚してよかっただろう。
テレビやラジオのコメンテーターが「したり顔」で、「彼らに悪いことの認識が無かったのかも?」なんて言っていたが、一度その手の店に行ってみればいい。
来ている客にカタギはおらず、誰が見ても違法性ムンムンの雰囲気が分かるはず。
以前、野球賭博で捕まった知人も言っていたし、「堕ちて行った」人間をたくさん見てきたが、パチンコも含めてギャンブル異存は病気なので、そう簡単には治らない(クスリも同じ)。
野球界やほかのスポーツ、芸能界にもまだまだギャンブラーはいるはず。
ジャイアンツ選手の賭博問題はうやむやのまま、シーズン入りしてしまった。
私はプロ野球に何の興味もないので、いっそ今年は全試合中止にならないかと、密かに願っていたのだが、テレビもラジオも野球で食っているヤカラが大勢いるので、これ以上問題にできないのか。
今回の二人には悪いが「見せしめ」で永久追放処分にすれば、小さいときからスポーツしか知らず、社会常識のない若い選手や世間知らずの芸能人にも、
「ギャンブルや麻薬をやったら人生おしまい」
ということが、身に染みてわかるだろう。