カフェしなの

TREK SUPER CALIBER改とたまに1250 GS HP

こちとら自腹じゃ!

梅雨で天気があやしかった土曜、

それでも自転車に乗りたいオジサンたちは、東京から120kmのお山に集まった。

メンバーは2000m級の山に数時間、MTBを押して(担いで)あがり、10km以上のダウンヒルを楽しむYさんと、その仲間と私の5人。

7時に集合、車2台に分乗して山の上を目指す

 

「あれ?押し上げるんじゃないの?」

と思ったが、実はだれも好き好んで押し上げなんてやりたくないとか。

クルマで行けるところまで行くが、「車道」がない山は仕方なく押すらしい。

シングルトラックの登山道入口にクルマを停めれば、ほんの100m自転車を押し上げるだけで、ゴキゲンな下りのトレイルが待っている。

 

昨日から

「雨のなか、何時間押し上げるんだろう?」

「途中で体調不良やマシントラブルで迷惑かけたらどうしよう」

とかなりビビっていたので、ちょっと拍子抜けしたけど、やっぱり下りは楽しい。

f:id:sinanonano:20200713105503j:plainじつはここはモンキーズと2年間、毎週のように走り回ったお山から、10キロほど離れた場所。

岩だらけで狭いトレイルはまるで同じシチュエーション。

2年前、

「こんなところ絶対走れない」

なんてところを軽々と走っていくモンキーたちに、置いて行かれないよう「前後左右」にコケながら、必死に追いかけたのを思い出す。

 

大雨の影響か何か所も大きな倒木が道をふさいでいて、そのたびにYさんたちがリュックから「のこぎり」を出して、手際よく切ってはどかして行く(トレイルにのこぎりとロープは必需品)。

停まるとザーザー雨の降る音は聞こえるけど、森のなかは意外に雨が落ちてこない。

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トライアルのロックセクションのようなガレ場も同じ。

クソ重い鉄のハードテイルで、ヒイヒイ言いながら走っていたのに比べれば、スーキャリはほんとうにラクに下れる。

 

今日は私以外の全員がハードテイル。

みなさん曰く

「いいなぁフルサスは」

と羨ましがられるが,

スーキャリのキャッチフレーズは

「ハードテイル以上、フルサス未満」

だし、私が思うフルサスは

「前後サスがもっと(140mm以上)長いもの」

だと思っていたが、

「フルサスなんてオンナ子供が乗るものさ」

なんてうそぶく「ハードテイラーの漢(オトコ)たち」からすれば、前後サスが動くスーキャリは

「立派なフルサスバイク」

らしい。

 

Yさんがガイド役として先頭を走り、私が続く。

こちらのレベルを察知してか、かなりゆっくり「丁寧なライン」で走ってくれる。

(スキーのエキスパートが子供にボーゲンを教えるように(^-^;)

今回は私と同じくもう一人、MTBビギナーの人がいたので、ガレ場や難所のたびに

「ここから岩場です」

とか

「滑るので気を付けて」

とアドバイスしてくれたり、難所の先で待っていてくれる。

 

走り方についていろいろ質問すると、これまた丁寧に答えてくれる。

極論を言えば

「下りでブレーキは使わない」

これは別のエキスパートライダーにも、以前言われた言葉。

 

エンジンブレーキの無いMTBで、どうやってブレーキ使わずに下るのか?

 

これは私にとって永遠のナゾだが、「プッシュ&プル」というアクションにヒントがあるそうな。

連続した細いつづら折れの下りは、曲がり切れずに飛び出すことが多いが、しっかり荷重をかければ大丈夫とのこと。

後半はいろいろ考えながら走ってみる。

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森が抜けたところはザーザー降り。

せっかく来たんだからもっと走りたかったが、岩場はツルツル滑って危ないので、午前1本で今日はこれでおしまい。

本来なら下に停めたクルマにもう一度「相乗り」して、シャトルで上がってを繰り返し、3往復するらしい。

 

近所の温泉に入りながらいろいろ話す。

Yさんの「コナcarbon」と私のスーキャリを交換して走ってみたが、Yさんの感想は

「もうすこしフロントサスを長くしたほうが乗りやすい」

とのこと。

スーキャリはクロカン用バイクだが、クロカンレースには長い登りや下りはないし、極端なガレ場もないので、タイヤも薄いクロカン用でいいし、長いサスも必要ない。

そもそも私がこれを選んだ理由は、

「長い登りをとにかくラクに登れるように」

だった(下りはどうやっても下りられるので、正直「下りは捨てていた」)。

でもタイヤを太いダウンヒル用に替えてみると、クロカン用より大きなブロックがしっかりグリップしてくれて、今まで捨てていた下りが楽しい。

 

50cm以上の岩や木の根のドロップオフを降りるとき、

「もう少しFサスが長かったら」

と思う場面は、先週のお山でも感じたこと。

でもこれでバランスが取れている(はずの)マシンの、Fサスを伸ばすなんてできるのか?

Yさんに聞くと

「簡単です」

って。

Yさんは走るのもいじるのもエキスパートで、自他ともに認める「機材マニア」。

気になるものはとにかく一度買ってみて、とことん使い倒して、気に入らないパーツはどんどん自分で換えて、納得するまで「いじり倒し」て「乗り倒す」。

 

もともとは4輪でサーキットレースをしていたそうで、加工もお手の物。

 

一度乗っただけで気に入らず、売ってしまったMTBも数知れず。

8年前にMTBに戻ってから、1000万以上を自転車やパーツにつぎ込んだとか。

 

自称ライターがメーカーに都合のいい「ちょうちん記事」を書き、メーカーからのマージンが多い自転車やパーツを売りたがるショップと違い、すべて「自腹」なYさんの言葉は重い。

 

彼が目指すのは「とにかく速くて軽いMTB」

ほとんどのメーカーのMTBを自腹で買い、世界中のパーツを個人輸入仕入れ、今もひたすら改造の日々を送っている。

 

この日もライドの途中

「ちょっと休憩しましょう」

と停まったとたん、おもむろにリュックからスプリングを出して、Fサスのスプリング交換を始めた。

「昨日変えたのがちょっと柔らかすぎたので」

って、こんな山の中でスプリング交換する人を初めて見たけど、Yさんの仲間たちは

「いつものことだから」

とだれも驚かないし、あっというまに交換してしまった。

 

自転車を担いでソロで2000m級の山に登り、10数キロのダウンヒルを楽しめるのも、なにがあっても対応できる、経験とウデがあるから。

 

下りを楽しむために頑丈なタイヤやサス、フレームを付ければ重くなって、担いで登るのが大変。

この相反する矛盾を、カーボンパーツやチタンスポークなどを多用して、Yさんオリジナルのスペシャルマシンを作っている。

欧米問わず中国製もどんどんテストして、中華製でもいいものはたくさんあるそう。

反対に有名メーカーでもすぐ壊れたり、使えないものも多いとか。

 

Yさんのお仲間たちもみんな、Yさんの「おさがり」のMTBや、パーツを安く組んでもらっている。

自転車屋さんですか?」

と聞くと

「ただの機材マニアです」

って。

もっと早く知りあっていいれば、スーキャリの半分以下の値段で、Yさんスペシャルを作ってもらえただろうが、こればかりは仕方ない。

今日会えたことに感謝して、スーキャリを「登りがラクで下りも楽しい」、スペシャルマシンにしてもらおう。

 

まだまだ走り足りないYさんは、このまま富士山まで行って車中泊して、明日の早朝から周辺のお山を一人で登って下って、昼ごろ「ふじてん」に行くかも?とのこと。

私も行きたいが万が一、ふじてんでケガでもしたら、ひとりだとクルマで帰ってこれないので、残念だけどあきらめた。

 

渋滞前に帰宅して洗車&洗濯

今日も前後左右「まんべんなく」転んだので、いろいろキズついて「貫禄」がでてきたなぁ.....(*_*)

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と、ひさびさにHさんから

「あした休みになったので、ふじてん行かない?」

と連絡が。

YさんとHさんは面識があるとのことで、われわれもふじてんへ行くことに。

朝6時にHさんを迎えに行き、ふじてんに到着したのは8時半。

それでも数十台のMTB乗りが来ていた。

 

梅雨の中日で曇り。時々晴れ間もでて絶好のMTB日和

ジャージ一枚ではちょっと涼しいくらい。

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グラススキーのお客さんもちらほら

 

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火山灰なので水はけはいいが、雨が続いて土がかなり流れてしまったらしく、50cmくらいの根っこの段差がそこらじゅうにあり、かなり危険。

 

お昼ころになると駐車場はほぼ満車。

みんなイスとテーブルを出して、食事を作ったり談笑したりで、思い思いの時間を過ごしている。

曇り空だけどときどき日差しもある。

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冬はスキー場なので食堂もあるが、「ラーメンのスープがいつもぬるい」とか、さんざんの評価。

なので事前にコンビニで買ったラーメンとおにぎりで昼食。

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と、イスとテーブルを忘れたので地べたリアン。

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「山」から下りてきたYさんに会えたので、昨日お願いしていた「ハックノリス」をタイヤに入れてもらった。

ハックノリスとはチューブレスタイヤのなかに入れる「緩衝材」のことで、ラリーで言う「ムースタイヤ」みたいなもの。

同じ緩衝材では「クッシュコア」のほうが、ほとんどのMTBショップではおススメらしいが、もちろん自腹で両方試したYさん曰く

「ハックノリスのほうが軽いし、リム打ちしない」

そう。

午後は空気圧を低くして走ることができたので、グリップもよくなったような。

でも調子に乗って思い切り転んだけど。

 

Yさんの左腕には大きな傷あとが。

5年前、ここで転倒してあわや左腕切断の、大事故に遭った。

かなりのハイスピードで転倒した際、頭をかばって左腕を地面についたら、骨が粉砕骨折

二の腕が皮だけでかろうじてつながっている状態で、ドクターヘリの医者からも

「切断になるかも」

と言われたとか。

本業がトラックドライバーのYさんは

「片腕になったら障碍者用トラックに替えられるかなぁ」

と思ったとか。

あばらや他の骨も数本折れたらしいが、奇跡的に切断はまぬがれた。

このときはフルフェイスヘルメットとブレストガード、プロテクターもつけていたのになんの役にも立たなかった(いやいや、役に立ったと思うが)。

なのでそれ以来、「プロテクター無し」で走っていて、この日も半袖Tシャツにジーパンの軽装。

まあ自分のことは自分が一番よくわかっているのだから、私のようなビギナーはなにも言うまい。

 

この日もYさんに先導してもらい数本走ったが、とにかく走りがスムーズで美しい。

速い人はみんな自転車を倒し込んで走る「リーンアウト」だが、Yさんは「リーンウィズ」。

彼にすればこの程度のスピードなら、リーンアウトしなくても走れるのだろうが、後ろから見ていてホレボレするほどキレイに走る(でも速い)

 

同じMTB乗りながらクロカン系のHさんと、山系のYさんはまるでジャンルが違うらしい。

一日中、上ったり下ったりを繰り返すクロカンは、アスリート系

反対に何時間も自転車を担いだり押し上げたりして、山頂からいっきに下るのは、アルピニストのようなものか。

Yさんいわく

「ほんとうは登りが大きらいなので、クルマで上がりたいけど、クルマで行ける道が無いところは、しかたなく何時間も押したり担いでる」

らしい。

Hさんはとにかく「自力で登りたい派」。

でもロングトレイルを下るために、何時間も押したり担いだりはしたくないそう。

なのでたぶんこのふたりが一緒に走ることは無いのだろう。

 

中央高速が渋滞する前に帰ろうと、2時半にふじてんを出た。

小仏トンネルで数キロ渋滞したけど、Hさんを自宅に送り、5時前には帰宅できた。

 

自転車を洗車してからプロテクターとウェアも洗濯。

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メカオンチで「情報弱者」の私は、ショップやネットの言葉を信じて、ペテン師のショップにだまされ続けたが、Yさんと知り合って考えがガラッと変わった。

「中華製はダメ」

という情報を信じて、パーツなどに高いカネを払っていたが、Yさんいわく、

「中華製にも安くていいものはたくさんあります」

とのこと。

拝金主義の自転車屋やメーカーににだまされず、ますます楽しい「MTBの沼」にハマる予感が.....。