R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

洗礼

日曜はHさんに誘われて、北関東のお山へ

メンバーは8人で、私以外はみなこのお山の常連さん。

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朝8時に出発。

と、皆さんかなりのハイペースで、1本目の登りで早くも私が最後尾....

この日はフルサスのロッキーを持ち込んだが、カーボンで軽いと思ったら、タイヤが太いので漕いでも漕いでも前に進まない。

 

それでも1本目のくだりはフルサスの本領発揮。

跳ね回るハードテイルと違ってラインも気にせず、どこでも下っていける。

 

そして下ったと思ったら、すぐまた登り。

この長いのぼりがきつくて、途中でヒザのウラがつり始めた。

やっとのことで頂上へ。

休む間もなくまた一気に下り。

登りが地獄のぶん、くだりは本当に天国で楽しい

 

やっと里に下りたと思ったら、またすぐ別の道をのぼりはじめる。

(この人たちは「休む」ということを知らないのか?)

 

この時点でまだ10時前

スタートから2時間しかたっていないのに、もう1日走ったくらい疲労困ぱい。

その後も舗装の激坂を、みんなグングン登っていってしまい、またひとり旅。

と、今度はヒザのウラから太ももまでつってきたが、それでも漕がないことには前に進めない。

歩いて押したほうが速いくらいのスピードでノロノロ登っていたら、いつまでたってもこない私を心配して、Hさんともう一人が下りてきてくれた(名前覚える余裕がまったくない)

 

その人が私の腰のあたりを片手で押しながら、グイグイ登っていく。

あまりの速さにこちらの足がついていけない(バケモノか!)。

 

なんとか頂上にたどり着いたと思ったら、すぐ出発。

この人たちはいつもこんなペースで走っているのか?!

 

Hさんに

「これ以上走ると足手まといになるので、戦線離脱します」

と告げると

「じゃあ最後にたのしいヤツ走って終わりにしましょう」

って。

最後の気力を振り絞って登山道の激坂を登るも、とうとう両足の太ももがつってしまい立往生、

足も曲げられず、痛みで自転車から降りることもできない。

と、私がいつまでたっても登ってこないので、心配したホリウチさんがまた下りてきてくれた。

私の自転車を担ぎ上げてもらい、やっとの思いで激坂を歩いて登る。

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ほんとうに足手まといになってしまい、申し訳ない気持ちでいっぱい。

 

♪あしでまと~いだ~から~♪ わかれてゆきます~♪

ここからはずっと秋葉豊とアローナイツの、「足手まとい」を口ずさみながら、下っていく。

「もう下るだけだから」

とHさんはおっしゃるが、もう両足が痛くてスタンディングもできず.....。

サドルに座ったまま惰性で下っていく

 

ハードテイルなら気を抜くと、ギャップで弾き飛ばされるが、フルサスはまるで「魔法のじゅうたん」。

 

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朝も通った自販機の前で、みなさんとお別れ。

遅い私のおかげで、一日の予定がだいぶ狂ってしまったはず。

ほんとうに足手まといでご迷惑をおかけしました。

 

何事もなかったようにまた山を登っていく、バケモノたちを見送り、ひとり寂しく缶コーヒーで一服。

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「さびしい」よりも「くやしい」よりも

「やっと帰れる......」

が正直な感想。

ほんとうにこんなつらい思いをしたのは、人生で初めてかもしれない。

 

砂漠のラリーでどんなに疲れていても、アクセルひねればバイクが勝手に走ってくれるが、自転車は自分で漕がないと前に進まない。

 

MTBに乗り始めて1年半、

ちょっとは乗れる気になっていたが、たった数時間で鼻っぱしらを叩きおられた。

 

駐車場まで戻るとトレランの大会があったのか、数十人の人がここにゴールしてきた。

 

私のとなりに車を停めて着替えていた地元ナンバーの人に

「大会ですか?」

と声をかけると

「練習会です」

って。

あちらも

「東京から来られたんですか?!」

と驚いていたが、自宅はここから車で20分のところで、ほぼ毎週このあたりの山を走っているという。

オフロードバイクに乗っていたときもそうだが、東京だと林道やMXコースに行くまでに、100kmは走らないとたどり着けない。

今日のMTBの常連さんたちもほとんどが地元の人で、

「東京から来たんですか?!」

と驚いていた。

トレランは登りも下りも「自力で」走らないとならないので、MTBよりハードかも。

どちらにしても極めるには、日々の精進が大事なことを、改めて思い知らせれた。

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自転車を積んで着替えて帰路につく。

 

今日の旅のお友はストーンズの「Blue & Lonsome」

まだ昼前なのに疲れ果てて、身も心もボロボロの自分に、ブルースがしみわたる。

 

「子供にブルースを聴かせるな。オレみたいになるぜ」

by ミックジャガー

 

中学生のとき同級生の家で、彼のお兄さんが聴いていた「jumpin jack flush」を聴いてチン〇が立って以来、ストーンズの虜になって40数年。

いくら聴いてもミックみたいにはなれなかったけど、まわりの57歳よりはイケてるはず。

 

ふだんのお山なら夕方5時過ぎに帰るのに、1時半に帰宅したら

「どうしたの?!」

って妻が驚いていた。

 

風呂を沸かし汚れたものを洗い、湯船につかってボロボロのカラダを癒す。

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ひざがカクカクして自分のじゃないみたいで、歩くのもひと苦労。

 

Hさんたちはあのまま、日が暮れるまで走り回っていたとか。

獲得標高2100m、走行距離55kmって、ロードにくらべたら大したことない数字だけど、かなり濃い内容。

わたしなんてたぶん20kmも走ってないんじゃないか?

今日のメンツがラリークランキングに出れば、全員10時間切りで完走できるだろう。

 

次回はせめてランチまでたどり着きたい(って、まだ行くんかい)。