日曜はHさんに誘われて、北関東のお山へ
メンバーは8人で、私以外はみなこのお山の常連さん。
朝8時に出発。
と、皆さんかなりのハイペースで、1本目の登りで早くも私が最後尾....
この日はフルサスのロッキーを持ち込んだが、カーボンで軽いと思ったら、タイヤが太いので漕いでも漕いでも前に進まない。
それでも1本目のくだりはフルサスの本領発揮。
跳ね回るハードテイルと違ってラインも気にせず、どこでも下っていける。
そして下ったと思ったら、すぐまた登り。
この長いのぼりがきつくて、途中でヒザのウラがつり始めた。
やっとのことで頂上へ。
休む間もなくまた一気に下り。
登りが地獄のぶん、くだりは本当に天国で楽しい
やっと里に下りたと思ったら、またすぐ別の道をのぼりはじめる。
(この人たちは「休む」ということを知らないのか?)
この時点でまだ10時前
スタートから2時間しかたっていないのに、もう1日走ったくらい疲労困ぱい。
その後も舗装の激坂を、みんなグングン登っていってしまい、またひとり旅。
と、今度はヒザのウラから太ももまでつってきたが、それでも漕がないことには前に進めない。
歩いて押したほうが速いくらいのスピードでノロノロ登っていたら、いつまでたってもこない私を心配して、Hさんともう一人が下りてきてくれた(名前覚える余裕がまったくない)
その人が私の腰のあたりを片手で押しながら、グイグイ登っていく。
あまりの速さにこちらの足がついていけない(バケモノか!)。
なんとか頂上にたどり着いたと思ったら、すぐ出発。
この人たちはいつもこんなペースで走っているのか?!
Hさんに
「これ以上走ると足手まといになるので、戦線離脱します」
と告げると
「じゃあ最後にたのしいヤツ走って終わりにしましょう」
って。
最後の気力を振り絞って登山道の激坂を登るも、とうとう両足の太ももがつってしまい立往生、
足も曲げられず、痛みで自転車から降りることもできない。
と、私がいつまでたっても登ってこないので、心配したホリウチさんがまた下りてきてくれた。
私の自転車を担ぎ上げてもらい、やっとの思いで激坂を歩いて登る。
ほんとうに足手まといになってしまい、申し訳ない気持ちでいっぱい。
♪あしでまと~いだ~から~♪ わかれてゆきます~♪
ここからはずっと秋葉豊とアローナイツの、「足手まとい」を口ずさみながら、下っていく。
「もう下るだけだから」
とHさんはおっしゃるが、もう両足が痛くてスタンディングもできず.....。
サドルに座ったまま惰性で下っていく
ハードテイルなら気を抜くと、ギャップで弾き飛ばされるが、フルサスはまるで「魔法のじゅうたん」。
朝も通った自販機の前で、みなさんとお別れ。
遅い私のおかげで、一日の予定がだいぶ狂ってしまったはず。
ほんとうに足手まといでご迷惑をおかけしました。
何事もなかったようにまた山を登っていく、バケモノたちを見送り、ひとり寂しく缶コーヒーで一服。
「さびしい」よりも「くやしい」よりも
「やっと帰れる......」
が正直な感想。
ほんとうにこんなつらい思いをしたのは、人生で初めてかもしれない。
砂漠のラリーでどんなに疲れていても、アクセルひねればバイクが勝手に走ってくれるが、自転車は自分で漕がないと前に進まない。
MTBに乗り始めて1年半、
ちょっとは乗れる気になっていたが、たった数時間で鼻っぱしらを叩きおられた。
駐車場まで戻るとトレランの大会があったのか、数十人の人がここにゴールしてきた。
私のとなりに車を停めて着替えていた地元ナンバーの人に
「大会ですか?」
と声をかけると
「練習会です」
って。
あちらも
「東京から来られたんですか?!」
と驚いていたが、自宅はここから車で20分のところで、ほぼ毎週このあたりの山を走っているという。
オフロードバイクに乗っていたときもそうだが、東京だと林道やMXコースに行くまでに、100kmは走らないとたどり着けない。
今日のMTBの常連さんたちもほとんどが地元の人で、
「東京から来たんですか?!」
と驚いていた。
トレランは登りも下りも「自力で」走らないとならないので、MTBよりハードかも。
どちらにしても極めるには、日々の精進が大事なことを、改めて思い知らせれた。
自転車を積んで着替えて帰路につく。
今日の旅のお友はストーンズの「Blue & Lonsome」
まだ昼前なのに疲れ果てて、身も心もボロボロの自分に、ブルースがしみわたる。
「子供にブルースを聴かせるな。オレみたいになるぜ」
by ミックジャガー
中学生のとき同級生の家で、彼のお兄さんが聴いていた「jumpin jack flush」を聴いてチン〇が立って以来、ストーンズの虜になって40数年。
いくら聴いてもミックみたいにはなれなかったけど、まわりの57歳よりはイケてるはず。
ふだんのお山なら夕方5時過ぎに帰るのに、1時半に帰宅したら
「どうしたの?!」
って妻が驚いていた。
風呂を沸かし汚れたものを洗い、湯船につかってボロボロのカラダを癒す。
ひざがカクカクして自分のじゃないみたいで、歩くのもひと苦労。
Hさんたちはあのまま、日が暮れるまで走り回っていたとか。
獲得標高2100m、走行距離55kmって、ロードにくらべたら大したことない数字だけど、かなり濃い内容。
わたしなんてたぶん20kmも走ってないんじゃないか?
今日のメンツがラリークランキングに出れば、全員10時間切りで完走できるだろう。
次回はせめてランチまでたどり着きたい(って、まだ行くんかい)。