数日前の夜、携帯に「非通知」の着信があった。
どうせサギまがいの電話だろうと出なかったら、留守電に
「スガワラです~、がんばって走ってますよ~」
ってじ~じの声が。
おなじくサウジで開催中のダカールラリーは、チーム日野スガワラの活躍が毎日SNSにアップされるけど、完全なプライベーターで参戦中の「エキップスガワラ」は、モロッコからスタートして以来なんの情報もなく、
「スガワラさんは走っているのか?リタイアしたのか?」
といろんな人から私が聞かれる始末、
日本レーシングマネジメントのM君に聞いても
「ホームページも更新されないし電波状況も悪いし、あのレースはいつもそうなんです」
って。
携帯もたぶんフランスでテンポラリーに借りたものだろうから、こちらから返信もできないので、次にかかってくるのを待つしかない。
と、おととい朝、また非通知の電話が。
あわてて出ると
「スガワラです~」
ってじ~じのか細い声が。
「ちゃんと走ってますよ」とのことで、まずはひと安心。
非力なジムニーはスピードが出せず、500キロを23時間かけて走った日も。
この日も18時間走りっぱなしでゴールして、整備してこれから寝るそう。
最初は砂丘を迂回する作戦だったけど、ラリーカーが100km/hで走るところ、ジムニーは30km/hなんてくらい、パワーも足回りも役不足。
このままではタイムオーバー失格になるので、
1.空気圧を0.3kgまで落とし
2.ナビのM女史が砂丘を「歩いて」登って、ジムニーが登れそうなラインを探し
3.じ~じがソロソロと砂丘を登る
と、やってみたらなんと登れた(!!)
ラリーカーが登れずにスタックしている横を、見たこともない小さいクルマが砂丘を登りきると、まわりから拍手喝采とか。
万が一スタックしたらドライバー82歳、ナビが60ウン歳?の女性では、掘り起こすのも大変だけど、「意外に登れる」って。
でもこれはジムニーがすごいのではなく、パリダカ36回連続出場のギネスホルダー「世界のスガワラ」がすごいだけ。
初めてファラオに出た2004年は、じ~じがサポートカーをドライブしてくれた。
事前に予約してなかったのでレンタカーは、2駆のクライスラーヴォイジャーしかなかった。
砂漠地帯を縦断する国道は砂が「数10センチ」積もっていて、四駆のサポートカーでもスタックするほど
そんななかを「スルスルと」走り抜けたヴォイジャーに、その場にいた全員が拍手喝さいだったと、助手席に乗っていたサポートのマキちゃんが、キャンプで興奮していた。
「オレを誰だと思ってるんだ」
じ~じが「当然だろ」って顔で話してたのも,懐かしい。
毎日のブリーフィングで後ろのほうにいたら、主催者が「もっと前に来て」って手招きしてくれて、主催者や選手たち全員が拍手で迎えてくれたり。
日本じゃ全然有名じゃないけど、スーパーおじいちゃんとナビさんの最高齢コンビを、海外ではリスペクトされていることがうれしい。
Instagramをコピペしたかったけど、やり方がわからない。
上の文字をクリックするとインスタに飛べるみたい。
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