今回のデリカ購入のために知人のクルマ屋のYさんには、いろいろ骨を折っていただいた。
30年ほど前、私がトヨタのセダンを買ったときの新人営業マンだったYさん。
その後レクサスができたとき、倍率100倍の志願者の中で彼が合格。
トヨタを退社してレクサスの営業マンになって10年後、中古車販売業で独立した。
今まで何台かのクルマを彼に買い取ってもらい、今回もレヴォーグの買取をお願いした。
三菱のディーラーも彼の紹介で、工場長はじめ営業マンも4人が「デリカ乗り」。
無理言ってキャンセル車を見つけてもらい、数十万の値引きもして年内納車という強行日程でも、「大丈夫ですよ」って笑って対応してくれた。
そんな彼から「こんなの知ってますか?」と写真を見せられた
レクサスのコンセプトカーとして発表されたバギー。どこかで見たと思ったらスガワラ爺がアフリカエコレースに参戦した、ヤマハの「YXR1000」だった。
スガワラ爺に電話すると
このマシンをモンゴルラリーの前に、北海道のトヨタのテストコースで10時間、ぶっ続けでテストしたら、モンゴルで足が腫れてしまい疲労骨折、急きょドライバーを(息子の)テルに代わってもらったんだよ」
って。
国内で行動走行は不可だろうが、このバギーは水素で駆動するとかで、これからラリーやレースに参戦するみたい。
フランスの港に1月のアフリカエコレースに出る、じ~じのジムニーが着いたと写真が送られてきた。
レーシングバギーでも登るのが大変な砂丘は、市販車のジムニーでは100%不可能、
直登せず砂丘を大きく(場合によっては数十キロ)迂回すれば、なんとか走れるんじゃないか、
というのがパリダカの鉄人の作戦だけど、なんとか完走してほしい。
そして1250GSのパネルには、こんな表示が。
ちょうどガーミンのナビがまた誤作動しているので、原サイクルで診てもらうことに。
GSのヘッドカバーでおなじみの、「X-HEAD」の代理店をやっているSさんも、ひさびさに原さんに会いたいというので、首都高でひさびさのランデブー走行。
Sさんとは20年以上前、毎週のようにアフリカツインやXRで、福島や関東近県の山へ走りに行った。
なので久しぶりに走っても息はぴったり。
車線変更や追い越しのタイミングも、「あうんの呼吸」で走るのが楽しくて仕方ない。
そしてR1300GSと初顔合わせ
今日から試乗できるので、数人の常連さんが取り囲んでいた。
パッと見だけでかなり「小さくなった」印象。
1300というより800くらいに見えると言っても、大げさではない。
さっそく試乗させてもらうことに。
またがってまず感じたのはポジションの良さ。
以前乗った1200アドベンチャーに比べれば、1250GSは「まるでエンデューロバイク」くらいコンパクトに感じたけど、それでも身長172cmのチビッコ日本人には、やっぱり大きい。
両足べったりは着かないので、強風下の信号待ちはつま先ツンツンのバレリーナ状態。
風が強いと倒れないかヒヤヒヤするけど、1300はハンドルがアップハンかと思うほど高く、タンクがかなり「下」に感じて安心感がある。
原さんにバイクの説明を聞く。
時速30キロ以下になると自動で車高が下がり、足つきがよくなるのは、チビッコにはありがたい装備。
1250はセンタースタンドをかけるのが重くて苦労したけど、1300はセンタースタンドを出すと自動で車高が下がって、アシストしてくれる。
手元のオートクルーズをセットすると、アイサイトのように前車を追従するし、障害物に反応するプリクラッシュブレーキも付いているって、もうクルマじゃん。
4年前1250に試乗したとき10m走っただけで、1200とたった50ccの違いなのに、低速からモリモリ来るパワーに感動。
即契約したけど今回はそこまでのパワーの変化はなくて、ちょっと拍子抜け。
それでも交差点を左折するとき、「スッと」切り込むようなハンドリングで、軽さを実感した。
むかし一緒にTBIなどのイベントを走った茨城のIくんは、5年乗った「1200GSラリー」から乗り換えなので、パワーと乗りやすさの違いはかなりのインパクトだったそう。
毎週のように林道ツーリングや、東北2デイズなどのイベントに参加して、何十回も転倒したりがけ落ちもしているGSはもうボロボロ。
当然、査定額もほぼゼロで、今回1300を買うにあたり、またかなりのローンを抱えたとか。
それでもまた懲りずにお山で「投げたり」「落としたり」するんだろうナ。
上1300 下は私の1250
タンクの出っ張りが無くなって重心が下がったぶん、ハンドルが近くに感じて安心感がある。
停車中は車高が850mmから820mmに3センチ下がるけど、これがチビッコには本当にありがたい。
前走車追従システムやプリクラッシュブレーキは、ハンドル左側のスイッチで操作できる。
スクリーンは1250は手動だけど、1300は電動で上下できる。
よく壊れて不評のガーミンナビはもう使わず、メーターの上にスマホをセットして使うらしい。
残念なのはフレームも新設計なので、1250で使っているパニアや、アタカマバッグが付けられないこと。
1200や1250から買い替えの人は、パニアやトップケースも買い直す必要があり、それだけで40万近くするので、いずれ旧型用のステーが出るかもしれない。
そのかわりサイドパニアはダイヤルを回すと容量がアップして、ヘルメットが収納できる。
パニアの中にLED照明も付いて、暗い中での出し入れもラクそう。
今回一緒に行ってくれたSさんのHPN
高速のサービスエリアで、軍服のような純正ラリースーツでキメた、1250GS乗りの人から
「これってビーエムのエンブレム付いてるけど、中国とかロシア製のレプリカですか」
と真顔で聞かれたらしい。
説明するのが面倒なので
「そうですよ」
って答えたらしいけど、今どきのGS乗りはHPNを知らない人も多い。
(1300GSが2台買えるんだよ)
原さんも現物を見るのは初めてとかで、興味深そうにいろいろ見ていた。
HPNや空冷GSが無かったら、BMWがパリダカで優勝することもなかったし、GSがこれだけ売れることもなかったはず。
なのに大元のジャパンは旧車の整備は受け付けないって、ホームページやプロモーションではGSで砂漠を走るガストンや、オリオールの写真や映像を使うくせに、矛盾していることに腹が立つ。
なので今どきのGS乗りがHPNや空冷GSを知らないのも、仕方ないことか。
1300に乗ってしまうと現行1250が古く感じてしまうのは、仕方ないことだけど、1300よりHPNが欲しい私。
来る途中でスガワラさんから電話をもらった。
この前日にSSER主催の2024年イベント発表会があったそうで、そのときもらったパンフレットの表紙が、私がモンゴルラリーに出たときのゴビ砂漠の写真だと教えられた。
原さんも発表会に行ったそうで、パンフを見せられたけど、まさにゴビの砂丘に突き刺さる私のKTMだった。
この時の顛末はこちらを
この大砂丘をルートに入れれば、ファラオやパリダカに匹敵するラリーになりそうだけど、砂丘を走った経験がない日本人選手はスタック続出で、ラリーにならないと菅原さんが言っていた。
帰り道、スキー仲間のH君の家に寄って、彼のスキーを譲ってもらい
パニアケースでは「底」が浅くてスキーは入らないけど、その点アタカマバッグはいい
そしてポストにスガワラ爺からのプレゼントが
SSER主催のヤマダさんが、また自伝を執筆したらしいけど、ここにもゴビ砂漠の写真が。
以前ヤマダさんが書いた本はこちら
このときの光景は20年たった今でも、まざまざと思い出せるのが本当に不思議。
ヤマダさんがパリダカに挑戦し続けた記録が
そして今回のモンゴルラリーの死亡事故も。
残念ながら辺境の地では事故の検証や賠償も、思うようにならないだろう。
私もこの写真のとき死んでもおかしくなかったが、奇跡的に生還できたことを感謝しなければ。