事務所(自宅)で仕事していたら、ドアをドンドンたたく人がいる
てっきり宅配便かと思ったら

じ~じだった。
8月6日からモンゴルラリーに出発。
そのまえに立ち寄ってくれた。
そのとき見せられたのがこの写真。
来年1月に出場する「AFRICA ECO RACE」の打ち合わせで、主催者のシュレッサーに会いに、モナコへ行ったときのもの。
右側のスキンヘッドの彼は、シュレッサー氏の息子さん。
スタッフとしてエコレースを手伝っているそう。
左の「ハーフスキンヘッド?」の人物は、むかし日本レーシングのパリ支社で働いていたエチエンヌ氏。
今はシュレッサーが持つファクトリーの工場長で、じ~じとは20年以上ぶりの再会で、まさか二人ともこんな形で会えるとは思わなかった。

じ~じとエチエンヌ、若かりし頃 (※注 ピンから兄弟の宮史郎ではありません)


じ~じの自宅にて
ママも若い
ダカールラリーを引退して、チームスガワラを離れたじ~じ
エコレースのために「エキップ・スガワラ」(フランス語で「チームスガワラ」)を、新たに立ち上げた。

エコレースの日本事務局はエキップ・スガワラが行うことになり、来年は2輪で増田まみ選手のサポートもする。
ソノートと言えばヤマハだけでなくソノート・ミツビシもあり、オリオールはソノートのパジェロで、二輪に続いて四輪でも優勝したが、元メカさんもパリダカレジェンド・スガワラのマシンを作れることに、最高の喜びを感じているとか。
ナビは大学自動車部の後輩で、長年パリダカを一緒に戦ったハムラサン、
サポートはこちらもスガワラファミリーのモンゴル人、バイラーさんがつとめる。
少数精鋭のエクスペンダブルズならぬ、「特攻野郎Aチーム」みたいなものか。
ダカールラリーが来年はサウジアラビア一か国の開催になり、クロスカントリーラリーではなくなってしまう反面、モナコからスタートしスペインから地中海を渡り、モロッコ、モーリタニア、セネガルと、往年のパリダカを彷彿させるエコレースは、10年前のスタート時こそ、パリダカを模倣したゲテモノラリーと揶揄されたが、今では二輪四輪カミオンのワークスも参戦するほどの、ビッグレースに成長した。
来年はフランスやイタリアのバイクチームのサポートを受けて、日本人選手も数名、エントリーが決まっている。
ダカールラリーよりエントリーフィーも安く、ヨーロッパのチームからマシンをレンタルする、フルサポートパッケージを使えば、「てぶらでラリー」も夢じゃないし、苦労してマシンを作って、現地に送る必要もない。
そのうち日本人が何十人も参加するような、身近なイベントになればいいが、そこはアフリカ。
完走する能力が無い者は、無慈悲に切り捨てられるだろう。

御歳78歳
階段を下りる足元がちょっとあやしいが

乗り物に乗った瞬間、顔が変わる。

さっそうと消えてしまった。
そしてGSにドライブレコーダーの取付をお願いしていた、腹サイクル
完了したと連絡をもらったので、取りに行くと
こちらもモンゴル直前、コマ図チェックに余念がないハラサン

左の紙はGPSポイント
これをすべて自分のGPSに、入力しなければならないらしい。
TBIやラリーレイドモンゴルのころは、
「将来、国際ラリーに出るために、コマ図の切り貼りや、GPSポイントの入力は、自分でやらないと」
なんて思っていたが、ファラオやダカールラリーは、コマ図は最初からロール紙にプリントされているし、イリトラック機能付きGPSが全員に貸与されるので、GPSポイントもすべて入力済みで、レース前に自分でやることはない。
いまどきはパンクしないムースタイヤが当たり前で、ビバークでのタイヤ交換も事前に申し込んでおけば、タイヤチェンジャーを持つタイヤサービスが、すぐやってくれる。
自分でマシンを作りたい人は、市販のラリーキットをポン付けできるし、
海外のラリーサービスでレンタルマシン含め、フルサポートパッケージを頼めば、オイル交換も整備も自分でやる必要はない。
むかしのラリーストからすれば「邪道」と言われるかもしれないが、毎日走ってボロボロのカラダには、お金を払ってもやってもらったほうが、ぜったいラク。
「モンゴルはプリミティブ(原始的)なラリー」と言われるが、いまだにヘリは1機しかなく(それもボロボロ)、自分のいる場所がイリトラックで、本部に把握されている国際ラリーと違い、走行不能や行方不明になっても、「自力で」本部に連絡しないとならない。
毎回2輪4輪あわせて数百台がエントリーすれば、潤沢な資金でイリトラックもヘリも用意できるだろうが、毎回定員ギリギリのモンゴルでは、それもかなわない。
今回も大事故がないことを祈る。
「ETCでもあるの?」
って聞いたら
「一斉スタートです」
って

今回のルートは思い切り西のアルタイ山脈を目指すとか。
くれぐれも無事にラリーが終わることを、切に願う。
ハラサンから
「菅原さんてダカールを引退したから、モンゴルもエコレースも趣味の参加でしょ?」
と言われた。
とんでもない。
モンゴルだってダカールだって、じ~じはいつも表彰台の真ん中を狙っている。
一度レースで優勝してしまうと
「勝たなきゃ面白くないんだよ」
って。
それをハラサンに伝えると
「だって78歳でしょ!?うちのオヤジはまだ71だけど、もう引退してる」
って驚いていた。
40年近くラリーを続けてこれたのも、じ~じが人間関係を大事にしてきたから。
実力があってもスポンサーや協力者を大事にしないラリーストが、いつの間にか消えていった中、いつ現役引退してもおかしくないじ~じに、次から次に不思議なご縁が続くのも、地道に活動してきたその結果だろう。
スガワラの挑戦はまだまだ続く(と信じたい)