R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

安全対策について

モンゴルラリーを主催しているSSERのホームページから、代表の山田さんのコラムに以下のことが書かれていた。
 
「いまだからこそ考える、競技規則の安全対策」
 
モータースポーツの光と影は、言うまでもなく栄光と敗北ではなく、
栄光と少なくない事故だろうとおもう。
 
競技規則や車両規則の多くはいくつもの事故を検証しては突き詰められた
安全への切なる願いと言っていい。
だからそれを軽んじる参加者は、モータースポーツの真のメッセージが理解できていない。

つまり、その大会の競技参加者といえないのだが、
不備の多い人に限っては「自分は大丈夫だ。」と言う。

そんな者でもモータースポーツの光の部分を語ることは出来る。
30年にわたりオーガナイズをしていると、多くの事故現場を目の当たりにする。
それはお互いにとって不幸なことではあるが、
自分には「それは、避けられなかったのか?」という悔しい思いに、
実は相当な時間いや年月を費やしてしまう。
苛まれるというのとは違うが、忘れられないのだ。
 
SSERではネックブレスの装着やヘルメットリムーバーの装着をかなりの範囲で
義務付けている。ヘルメットも、厳しい検査の基準を設けている。
それらはしばしば、トラブルの原因にさえなっていて悲しい。
 
ネックブレスで守られた頸椎は、ほかの部分にダメージを与える。たとえば脳だ。

本当ならネックブレスとマウスピースがセットであることが望ましいが、
おそらくマウスピースを咥えて走れというと猛反発だろうか。

またネックブレスは、一方で多くの部位を傷つけながら頸椎を守っていることも解った。
ネックブレスに適応したブレストガードが必要だと思う。
 
安全対策は、どのように進めても足るを知らない。

素敵な思い出を持って、月曜日に職場に復帰するためには、なによりも一番に考えてほしいことだ。それは競技には限らない。
 
モンゴルで負傷したイシゲ選手のことを言っていると思うが、ネックブレースを付けて事故を起こせば、頸椎は守られるがブレースが胸に刺さり、アバラが折れる(折れた骨が肺に突き刺さる)。
 
ニーブレースは横方向からの力には強いが、大きな力がかかるとひざやじん帯を守るぶん、大腿骨が折れるという。
 
私は虫歯や不慮の事故で折れたりして、自分の歯は健常者の半分のしか残っていない。
歯科医のまみ先生から「バイクや自転車に乗るなら、マウスガードを作ったほうがいい」と勧められ、 専用のマウスガードを装着して走ると、本当に大きな力が歯にかかっていることを実感する。
 
バイクの死亡事故で意外に多いのが、胸部圧迫によるものというのも、あまり知られていない。
 
子供が出来てから運転に慎重になり、街乗りにも脊椎パッドを着るようになったが、風を通さないので夏はとにかく暑い。
なので自然にバイクから遠ざかってしまったが、これから涼しくなれば乗る機会も増えるかもしれない。
 
ネックブレースが刺さらないような、頑丈なブレストガードが必要だが、そのぶん装備が重くなり、身体の自由度は失われる。
 
ファラオラリーのとき、北海道のエキスパートライダーで、パリダカにも参加したMさんが、ペラペラのブレストガードを付けていて、あまりの軽装に驚いた。
 
彼のようなトップ10に絡むようなライダーは、その速度域はつねに3ケタを超えていて、なにかあれば即、生死に関わるような重大事故になる。
 
それなのに何十年も前から使っているという、そのガードでは危ないのでは?と聞いたところ、
「動きが制限されるのでこれで十分」という答えだったように思う。
もちろん彼の何十年にわたるバイク人生の中、ケガも数知れないらしいので、事故の怖さは身にしみているはず。
それでも勝負の世界では、少しでも動きを妨げるものは、身につけたくないのだろう。
 
安全対策は、どのように進めても足るを知らない。
 
本当にその通りで、固い地球が相手では、生身のカラダはカベにぶつけた豆腐のように脆い。
 
自分の足で走って転んでも、重症になるほどのケガはしないが、速度が倍以上になる自転車やバイクになれば、重大事故になる確率は飛躍的に増えるだろう。
 
モンド市川君の話しだと、イシゲ選手は想像以上の体力で、いまのところ大きな障害もなく、時間はかかるだろうが回復に向かっているらしい。
 
素敵な思い出を持って、月曜日に職場に復帰するためには、なによりも一番に考えてほしいことだ。それは競技には限らない。
 
ラジオで交通情報を聴いていると、事故の起きない日は無い。
週末のリクリエーションだけでなく、仕事や通勤で毎日バイクや自転車に乗る人は、ヘルメットをちゃんとかぶったり、それなりのプロテクションを欠かさないで乗るべきだと思うのだが。