R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

いくらカラダが丈夫でも

「韓国でMERS(中東呼吸器症候群)が蔓延」というニュースを見て、
「なぜラクダが感染源という病気が韓国で?」と疑問が湧いたが、思い当たることがあった。
 
日本からファラオラリー開催地であるエジプトに行くとき、飛行機はドバイ経由のエミレイツかナッツリターンで有名のコーリャンエアが一般的。
 
成田からコーリャンエアに乗ると機内はガラガラで、
「これならビジネスにアップグレードできるかも?❤」
なんてほくそ笑んだのもつかの間
経由地のソウルに着くとあっというまに韓国人で満席に.....
 
そこからエジプトまでの10時間余り
上映される映画は韓国語でさっぱりわからない.....
機内食は3食、冷麺やキムチでうんざり、機内もキムチ臭い..........
なにより韓国人が大声でおしゃべりしていて騒々しいことこのうえない..........
 
韓国人にとってエジプトは日本人がハワイに行くくらいポピュラーらしく、
観光地やホテルでは嫌になるほど韓国語を聞いた。
 
ピラミッド前広場には観光客目当てのぼったくりラクダツアーをやっていて、大勢の韓国人がカモになっていた。
他にも砂漠のラクダツアーなどラクダに触れる機会が多いのも、感染の原因かと勘ぐってしまう。
 
そのMERSが蔓延しているはずの韓国のニュースを見て、また驚いた。
ソウルの繁華街を歩く人は誰もマスクをしていない。
インタビューを聞くと
「韓国人は体が丈夫なので感染しない」
とか
「キムチを食っているから大丈夫」
などなど、あまりの能天気ぶりに驚きを超えて呆れるばかり。
 
そんな無防備な韓国から毎日160便の飛行機が、日本に飛んできているという。
空港の税関職員はサーモグラフィを見ているが、これで感染が防げるとはとても思えない。
日本に蔓延するのも時間の問題か.....。
 
そんなエジプトでは今年もファラオラリーが開催されたらしい
懐かしい顔もチラホラ。タイヤ屋のブッチャーも。
 
イスラム国の影響で10月から5月に開催が変更されたが、無事終わったようだ。
 
成田からエジプトに向かう乗客はほとんどが高齢者。
話しをすると定年して夫婦水入らずのエジプト旅行とか。
「死ぬ前にピラミッドを見てみたい」とのことだったが、
帰りの飛行機ではみんなグッタリ。
 
聞くと
「日程がハードすぎて疲れた」と口をそろえる。
 
ギザのピラミッドを見てから夜中の飛行機やバスで、アレキサンドリアルクソールへ。
日本でいえば京都を観光したあと札幌に飛んで、とんぼ返りで大阪の通天閣の上り、長崎のグラバー邸に行くようなハードな日程。
各地の遺跡が1000km以上離れているのが原因だが、ハイウェイも整備されおらず道路は穴ぼこだらけで、砂嵐で国道が砂漠になることも日常茶飯事
日中は40℃以上で暑いうえに、クスクスに塩コショウで焼いただけの羊や牛肉の食事に睡眠不足では、高齢者でなくてもカラダが悲鳴を上げる。
 
「死ぬ前にと思って来たが本当に死ぬかと思った。
エジプト観光するならできるだけ若いうちに来ないとダメだ」
 
これが現地で聞いた日本人観光客のほぼ全員の意見だった。
 
定年後に夫婦で世界100遺産を制覇する!
 
なんて人が多いらしいが、たいがいは途中で挫折する。
ほとんどの世界遺産が「駅から歩けるところ」に無いし、舗装されていないデコボコ道を何時間もバスに揺られたり、険しい山道を歩かなければならないから。
私の周りのお年寄りで元気なのは、「妖怪スガワラ爺」くらいだろう
(日本より海外にいるほうが「いきいき」しているような..............)
 
 
 
つい数日前にはギザのピラミッド前で、観光客がISISを名乗る集団に銃撃されて死亡した。
 
能天気な韓国人は
「カラダが丈夫だからテロも大丈夫」
なんて本当に言いそうだが、ISISにMERS、民族間の衝突と中東の危険はまだ当分のあいだ収束しないはず。
 
不思議なものでただの観光で行った海外の国はほとんど記憶が残っていないが、
のどが焼けるほど熱い砂漠の熱波や乾いた風、
バイクでおもいきり転倒したときの、操り人形のように不自然な体勢で側転しながら転がる自分の横を、これも側転しながら追い越していく自分のマシンを、スローモーションのように眺めている不思議な記憶は、今もありありとまぶたに浮かんでくる。
 
ただのツーリングライダーだった私が、周りに乗せられて参加した海外ラリー。
当然現場は甘くなく毎日が苦労の連続だった。
仲間と行くツーリングや国内イベントなら、万が一トラブルになっても仲間やスタッフが助けてくれるが、すべてが自己責任の海外ラリーでは、なにがあっても自力で生還しないとラリーから切り捨てられる。
毎日が日本ではありえない非日常の経験だからこそ、強烈な記憶として残っている。
 
事故が起きればすぐ中止にしてしまう日本と違い、来年もアフリカやイスラム圏を舞台にしたレースは行われることだろう。
 
親が子供を学校に送ることを義務付けている国が多いが、
それは子供が誘拐や凶悪事件に巻き込まれないようにするため。
 
ランドセルを背負った小学生が、一人で歩いている光景を見た外国人はみな驚くが、これが当たり前と聞いて安全な日本を賞賛する。
とはいえ常に守られている日本では何か事件に巻き込まれても、本人たちは自分を守るすべを知らない。
 
そんな過保護な国で育った人たちが、自己責任という名のもとに危険な国に行って事件に巻き込まれると、とたんに助けてくれないのはおかしいと他人のせいにする。
 
ラクダがたくさんいるはずの中東やモンゴルで、MERSが蔓延しているニュースは聞いたことが無い。
過酷な環境のなかで暮らしている人たちには、毎日お風呂に入り身ぎれいにしているわれわれと違い、免疫があるのだろう。
それでも爆発的に感染したエボラなどがもし日本で発症したら、キレイ好きで免疫の低下した子羊のような日本人は、あっというまに全滅したかもしれない。
 
「自分の身は自分で守る」
小さいうちから「自己責任」という言葉の意味を本当に理解している、成熟した思想の欧米人には当たり前のことが、過保護になる一方のこの国では、自己責任なんて未来永劫、理解できないのだろう.................