R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

モンキーマジック

 
 
 
 
先日の「DOA RALLY CRANKING」でドMヘンタイ菌に感染、
というか山を自転車で走る楽しさに目覚め、毎日ネットでMTB関連の記事を読んでいた。
子供が生まれたとき、
「ラリーなんて危ないことしてちゃいけない」
とKTMを手放し、自転車のロードバイクを買った。
このときも友人に誘われた多摩川サイクリングに妻のクロスバイクで行って、自分以外みんな本格的ロードバイクで、あっというまに置いて行かれて火が付いた。

MTBの選択肢もあったはずだが、スキー場のダウンヒルレースを見たとき、目の前で骨折者が続出して、
「MTBもあぶない」
と思いロードを選んだ。
他にダートを走ったドロだらけのバイクを洗うのに、少々ウンザリしていたのも、MTBを選ばなかった理由のひとつ。

でもロードバイクヒルクライムに出ても、ロングライドのイベントに出ても、平坦な道を走るだけで物足りなくなり、いつのまにか乗らずにカベのオブジェになっていた。

今回のDOAも中途半端な辛さだったら、ここまでハマることは無かった。
ただひとり時間内完走で優勝したウエタサンのブログを、主催者のY原さんから紹介されて読んだところ、マップホルダーも無く街乗り用のクロスバイクで参加した自分が、いかに無茶だったか骨の髄まで思い知らされた。

当初ウエタサンは「舗装路が多い」と判断し、直前まで軽量のシクロクロスで参加予定だったが、試走でガレた林道を走ってみて、「サスなしのシクロではきびしい」と判断。
急きょタイヤが太いファットバイクに変更した。

太いタイヤはオートバイのサスの役目をするので、下りのガレ場はいいらしいが、平地と登りは接地面の抵抗が大きいぶん、かなり負荷がかかる。
とくに今回は140kmの行程のうち100kmは登りじゃないのか?というくらい、登っても登っても下りが無かった。

CP2までのガレた上り坂を、Hさんとヒーヒー言いながら登っていたら、前方から「ヒャッホー」みたいな感じで下って来たウエタサン。

オートバイのスタッフも
「下りはバイクでも追いつきませんでした」って。

そんなウエタサンでさえ今回はかなりハードだったらしく、何度も
「完走できないかも?」
と思ったというから、Hさんと二人、ナンチャッテサイクリストが、70km折り返しで玉砕したのも納得できる。

前日の雨でマディになった林道は、いくらペダルを漕いでもタイヤが空転して前に進まない。
希少な下りもサスの無い自転車は、暴れまくってどこへ飛んでいくかわからず、おそろしくてペダルが踏めない.....。

タイヤとフォークのすき間がほとんど無いクロスバイクは、大量のドロが詰まってタイヤが回らず、登らないわ下りは何度も前転しそうになった。

初めてモンゴルのラリーに出たときも
GPSなんて毎日走れば覚えるさ」
なんて日本で一度も練習せずに行ったら、2日目にゴビの大砂丘に迷い込み、そこから真剣にGPSの使い方を覚えた。

なので年内にもう一度開催するという(ホントか?)第2回に向けて、というより自転車で山を走ることの楽しさを知って、MTBが欲しくなった

表紙が女の子のナンパなMTB専門誌を買い(ロードバイクの本はいくらでもあるのに、MTBの本はこれしかないらしい)

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やっぱり流行りはカーボンフレームにフルサス(前後サス)かな~
 
ひと昔前は
「前後サス付きは漕ぐ力がロスする」とか
「リアサス付きは重くなる」なんていわれていたらしいが、日進月歩のテクノロジーで、今はそんな心配はないらしい。
 
カーボンならどうせどのメーカーも、台湾のジャイアントのOEMだろう。
好みが分かれるスローピングチューブでも構わないので、コスパに優れるジャイアントがいいかとショップを覗いたり
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ロードメインなのかMTBコーナーには誰もいない。

クロスバイクを買ったワイズロードも覗くが、こちらはDH(ダウンヒル)専門なのか、フレームだけで50万とか(全部組めばKTMが買える.......)

DOAに参加した人が
「大滝のレースに似ている」
と言っていたので、「SDA(セルフディスカバリーアドベンチャー)大滝」に出た人のブログを読みまくり、自転車にもチューブレスタイヤがあることを初めて知った。

オートバイと違って自転車メーカーは、世界中で数えきれないほどあるらしい。
どこがいいのか分からないので、気になるモデルや分からないことがあると、Y原さんにメールで質問していた(春のDOAの準備で忙しいのに、スミマセン,,,)。

そんなときY原さんから
「こんな店ありますけど」
と紹介された店に行ってみた。
 
高田馬場にある「サイクルショップ・モンキー」
オーナーの今泉さんはこの道30年以上、
MTB界では知る人ぞ知る有名人らしいが、MTBビギナーの私が知る由もない。
 
右側の人はママチャリのパンク修理をやってもらったらしいが、お店に入ろうとしたら元気な2匹のJRT(ジャックラッセルテリア)に吠えられまくり、ビビって入れない。
 
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Y原さんも
「私はここでロードバイク(のメンテ)お世話になってて、次はここのMTBに乗りたい」
とか。
今泉さんが20年以上かけてオリジナルで開発した、クロモリフレームがここのウリ。

買うなら最新型の「カーボン&フルサス」にするつもりだったので、
「なんで今さら重たいクロモリ?」
なんて半信半疑で近所を試乗させてもらう。

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これはセミファットタイヤを履いたモデル。
独特のフレーム形状がモンキーオリジナル。
 
 
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サスストローク160mmと太いタイヤで、フワフワの乗り心地
これならガレた林道でも走りやすそう

こちらはノーマルのブロックタイヤ

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一台一台味付けが違うらしい。

 
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以前は国内の工房に依頼してフレーム制作をしていたそうだが、パーツをいろいろ組むと価格がが高くなり、誰でも気軽に乗ることができない。
もっと手軽に乗ってもらえるようにと、数年前からコストの安い台湾で、フレームを作っているらしい。
国内ではロウ付け溶接だったのが、台湾はTIG溶接。
わたしも以前は某2輪4輪メーカーで、TIG溶接をやったことがあるので、ロウ付けよりTIGが良いのは分かる。
 
 
「クロモリは重くて時代遅れ < アルミは大量生産の安売り < カーボンが軽くて一番」
 
ネット情報を読み漁り「最新型が一番いい」と思い込んでいた(洗脳されていた)が、今泉さん曰く
 
「クロモリはしなるので、実はMTBには一番向いているんですよ」
とか。
 
もちろんレッドブルがスポンサーのダウンヒルレースなど、コンマ1秒を争うクレイジーなレースでは、軽量なカーボン&フルサスがいいのだろうが、家族がいる身でこんなことをやる気がしない。
 
モンキーのフレームはFサスだけで、リア無しの「ハードテイル」。
失礼を承知でフルサスについて尋ねると
「ハードテイルは乗ってて限界が分けるけど、フルサスは安全マージンが高いぶん、限界を超えるといっきに破たんする」
とのこと。
オートバイも高性能ほど限界を超えたときの、オツリが激しいもの。
 
MTB乗りのブログを読むと、
「アレを何ミリのに換えたらこうなった」とか
「コレを何ミニ換えたらこうなった」などなど、本当に細かくて「自己満足の趣味の世界」だなぁと思う。
常に新しいものを追いかける人が多いなか、「日本の里山を走るためのMTB」を目指した今泉さんが、長年試行錯誤を重ねて生み出したのが、このモンキーマジック
 
「これは自転車のセローなんです」
と言われ、なぜかストンと腑に落ちた。
 
ふたりの息子さんもMTB関係の仕事をされている。
 
この日も保育園に入れず待機児童になったお孫さんを、今泉ジジババがお店で面倒を見ていた。
 
このなんとも言えないユルさがたまらない。
 
フレーム塗装も自分の好きな色にペイントしてくれるらしい。
これは今泉さんが週末に走っている、里山の土の色とか。
 
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本当はこのあとカーボンフルサスも見に行く予定だったけど、これも何かのご縁、
とりあえず注文させていただきました(Y原さんご紹介ありがとうございます)。
 
「モンキーMTB」で検索すると、MTBをさんざん乗り継いだ人が、最後に辿り着くのがモンキーらしい。
修理車には「10年モノ」や「20年モノ」もあり、流行りに流されない「一生モノ」が、今泉さんが治してくれるのを待っている。
 
地方に住んでいたら地元のサイクルショップ経由になって、こうして直接オーナーと、話す機会も無かっただろう(こんなとき東京でよかったと思う)。
 
MTBのことな~んにもわからず、トンチンカンなことばかり聞いてしまったが、シロートにも分かりやすいよう、丁寧に答えていただき本当にありがとうございました。
 
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