R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

ヤビツ

土曜はヤビツ峠へ自転車でソロツーリング。
 
十数年前、あのときも突然オフロードバイクに目覚めたが、周りにオフのバイク乗りは誰もいなかった。
うわさで丹沢に行けば林道があると聞き、買ったばかりのDR250で毎週通った。
 
山道を走って行き、枝道を見つけては入って行く。
すでに舗装化が進んでいたが3本に1本はダートが残っていて、たった2~3キロで行き止まりのピストンでも、嬉々として何度も往復した。
調子に乗ってガレ場を下りて行ったら登れなくなり、偶然通りかかった山菜採りの人たちに助けてもらったり.......。
 
そのうち津田山ブラザースのS&A師匠らと知り合い、富士山やいわきの林道に連れていかれ、いっきに走る世界が広がったが、以来、ハイカーが多くフィールドの狭い丹沢は、行く機会がなくなった。
 
今回ヤビツを目指したのは、来月ある富士山1周ツーリングが120キロなので、自分に走れるだけの体力があるか、試したかったから。
昔、自転車に乗っていたという人からは、「やっぱりヤビツ、行かないと」って言われるし。
 
朝8時に自宅を出発。
中原街道からR246に出たところで、FELT乗りのローディー(ロードレーサー)に出会う。
「湘南までツーリング」とのことで、途中までご一緒させてもらう。
それにしても246はクルマやトラックがバンバン走っていて恐ろしい。
自転車は肩身の狭い思いをしながら、ひたすら路肩を走るしかないが、彼に引っ張ってもらったおかげで、25~30km/h平均で走れた。
 
厚木で湘南方面に分かれる彼と、手前のコンビニで小休止。
「自転車買って3週間でヤビツは、ちょっと無謀では?」と驚かれたが、「ダメなら引き返します」と言って、彼と別れた(ホントは湘南にも心惹かれていた......)。
 
秦野を過ぎて伊勢原のトンネルまで、ダラダラの上り坂が続き、足がパンパンに。
後続のローディーたちにもバンバン追い抜かれ、けっこうメゲる。
 
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やっと「名古木」(ながぬき)の交差点にたどり着く。ここまで約60キロ。
このまま帰ろうかと思うほど、疲労こんぱい......。
 
事前にネットでチェックしたところでは、右折してしばらく行ったところにある、ヤマザキデイリーストアが休憩ポイントらしいので、とえりあえずそこまで行くことに。
 
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坂道で私を抜いていった人たちが休憩していた。
買ったスポーツドリンクを一気飲み、甘めのパンも食べて腹ごしらえ。
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あの山がヤビツらしい。
ここから10キロ、ひたすら登り.....。
ダラダラ休んでいると決意が鈍るので、とりあえず行ってみる。
 
ここから直線3キロの登りが、一番きつかった。
246からここまでの登りも、一番軽いギアしか踏めない。
2×10速もあるのに脚力がないので、選択の余地がなく悲しくなる......。
 
後続車にもバンバン抜かれながら、ひとケタ台の速度でのろのろと、「這うように」登って行く。
 
なんとか登りきったところで一度休憩。
心拍計を付けていたら、間違いなく最大心拍数だろう。
ずっと水分補給しながら走ってきたのに、ここまで一度もおしっこをしていないことに気づいたが、ほんのちょっとしか出ない。
 
まだあと7キロはあるようで、次の「菜の花展望台」までがんばろうと、気持ちを奮い立たせて走り出す。
 
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昔はこんな林道のゲートを脇から乗り越えて、一人で走っていた(よく何もなかったものだ......)
 
 
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なんとか辿り着いた「菜の花展望台」。
眼下に秦野の市街が広がり、自力でここまでこれたことに満足。
 
自転車で休憩している人に聞くと、頂上まで「あと3キロ」らしい。
こういうとき一人だと励ましあう仲間もいないので、ただつらいだけだが、思い出すのはラリーでのこと。
 
何十回も砂丘でスタックし、心身ともに疲労こんぱいの状態で、砂丘のてっぺんでボーっとしていると、見渡す限りなにもない彼方から、暑いながらもさわやかな風が吹いてくる。
 
「ずっとこうしていても、誰も助けてくれないんだよな」ってことにやっと気づき、また走り出す......
 
また気を取り直して走り出す(といっても相変わらずひとケタ台のスピードだが)
 
登りに登って心臓はバクバク。足はガタガタ。
「もう止まろう」と思ったとき、急に目の前が開けた。
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最後はあっけなくゴール。
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峠の売店には数人のローディーが。
「今日は48分だった」とか、「53分」とか、登ってきた速さを話している。
私は.....途中休憩が長すぎて、2時間くらいかかったような.......。
 
今年のツールドフランスに出た日本人の、「新城幸也」は、ここを30分で登るらしい(バケモノか)。
途中、私を追いぬいた人に、最後でもう一度抜かれた(??)。
ってことはこの人は2往復してるのか(!)
 
彼に聞いたら「今日は3往復です」って(!!!)
 
「自転車買って3週目でヤビツに来るのは、かなり無謀ですね」と、私が最初に10万円の予算で買おうと思った、ジャイアントの自転車に乗る彼に言われた......。
 
「僕がこの自転車に乗れるなら、40分で登れますね」って。
自転車の素性はかなりいいらしい(あとは脚力か.........)
 
天気もあやしくなったので、コーラを一気飲みして峠を下ることに。
彼らはこの先の「宮ヶ瀬ダム」に下り句らしいが、下りたら登らなければならないので、私は来た道を下ることに。
 
行きが地獄だったぶん、帰りは10キロひたすら下りの天国。
 
それでも峠を飛ばしてくるクルマが多いので、コーナーは突っ込まれて何度もヒヤッとする。
そんななかでも速いローディーは、クルマを追いぬいていく.......。
 
登りで苦労した直線で最高速を記録
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まだまだペダルに「踏みしろ」は残っていたが、あの細いタイヤと頼りないブレーキを、いまだに信用できない。
バイクと違ってヘルメットは発泡スチロールだし、ネックブレースもプロテクターもない。
シューズをロックした上に、半袖ジャージ&レーサーパンツは、転んだ時を考えるとかなり恐ろしい......。
(峠の上にいた人たちも、足や腕には生々しい傷あとが.....)
 
246にたどり着き東京を目指す。
ってここからが本当につらかった。
冷たいものばかり飲んで、ちゃんと食事をしなかったので、バイクでいうガス欠の「ハンガーノック」になり、足に力が入らない。
 
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ヘロヘロ、ボロボロになりながら、まだ35キロ.もある....。
来るときはなんてことなかった246が、やけにアップダウンが多く、きつく感じる。
 
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なんとか二子玉川まで辿り着いたときは、もう満身創痍。
多摩川沿いのサイクリングロードで、おばさんのママチャリに抜かれる始末。
 
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なんとか帰宅。
今日の走行距離は146キロ。
 
本当に脚力不足を痛感した一日だった。
 
昔から「最初にきついこと経験すれば、あとはやさしく感じるはず」、と思ってやってみるが、たいがい後悔してるよーな(成長してない)。
 
バイクと違って自転車は「自力で」漕がないと前に進まないので、本当につらい(そのぶん達成感は100倍だが) 
 
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それほど天気も良くなかったのに、しっかりパンツのあとが日焼けしていた。
 
2月の東京マラソン以来の、「極楽じゃ~」
 
 
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日曜まで妻がいないので、昨日自分で作って置いたカレーで、晩ごはん
(もうご飯炊くのが面倒だったので、カレーオンリーだけど、豚バラブロックたっぷりいれたので、ボリュームたっぷり)。
 
9時にはベッドに入ったが、ハンガーノック熱中症で、体がだるいわ火照るわ、のどが渇くわで、なかなか寝付けない。
もう一度、水シャワー浴びて、あるだけのアイスノン抱いて、しまいにはフローリングの床にじかに寝て、なんとか寝ることが出来た。
 
いくつになっても懲りないオヤジである。