R1250GS カフェしなの

R1250GS、事故で廃車から買い替えました

安全と快適性

今週末9月4~5日に開催される「SSER2daysクラシック」で、同時開催予定だったMTBのレースが、中止になったらしい。
 
最近読み漁っている自転車雑誌のイベントカレンダーを見ていたら、「SSER主催のMTBレース」と紹介されていて、最初は同名の団体かと思ったが、ついにSSERも今ブームの自転車競技に参入するのかと、楽しみにしていた(私は出ないけど)。
 
バイクのレースと違い自転車は自然にローインパクトなので、レース後の林道や山の復旧工事も簡単で済む。
騒音の問題もないし、長時間のレースは早朝スタートが多いので前泊がほとんどだが、トランポに寝泊まりしたりすぐキャンプしたがるオフロード乗りと違い、ほとんどの自転車乗りはホテルや旅館を利用するらしいので、地元も経済効果があってイベントに協力的だ。
 
今週末の富士山1周イベントで、私がクルマに泊ると言ったら、他の参加者に驚かれた
(結局ホテルに泊まることになったが)。
どうも自転車乗りのほうが、オフロードバイク乗りより「優雅な」気がする。
 
日本レーシングマネージメントの自転車マニアS君も、参戦を考えていたようだが、彼もプロテクターの問題を指摘していた。
 
MTBに限らず自転車は空前の大ブームで、数千人規模のメジャーな大会でも、あっというまに定員オーバーになるが、そのぶん参加者の安全に対する意識は低く、転倒してアタマを打ったら死ぬだろう、軽い発泡スチール製のヘルメットに、脊椎パッドもネックブレースも不要というレギュレーションは、オートバイでケガをした者には、かなり不安に感じる。
 
SSERヤマダさんもラリーやエンデューロで、ケガしたり亡くなった人をさんざん見てきているので、主催者として自転車業界で通用しているレギュレーションに異を唱えたようだが、自転車乗りの参加者には「なにを大げさな」と、受け入れられなかったのだろう(一度大ケガをすれば分かるんだろうけど)。
 
昔、富士見パノラマスキー場での自転車ダウンヒルを見たことがあるが、ライディングに失敗し自転車から放り出されて、落下していく人間の動きが不自然で、ヒモの切れた操り人形のようだった。
当然骨折→病院送り。
あれを見てまだブレーキの効く、バイクのほうがマシだと思った。
 
オートバイと違ってエンジンのない自転車は、自力で漕ぎ続けなければならないので、自転車はもちろんのこと、乗り手もできるだけ軽装がいい。
ツールドフランスを見ていても、薄いジャージで足むき出しの選手は、大ケガと隣り合わせで、まさに命がけ。
 
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このTT(タイムトライアル)は、平均時速60km/hとバイク並みのスピードなのに、この軽装備。
転倒したらタダでは済まないだろう.....。
 
にわかサイクリストの私でも、あの貧弱なブレーキと、か細いタイヤに、半袖ジャージ&サイクルパンツというハダカに近い恰好は、転倒したときの血まみれの自分を想像すると、ついペダルを踏む力がゆるんでしまう。
 
先日のヤビツ峠の下りで、遅いクルマの後を走る私を、数台の自転車乗りがクルマごと一気に追い抜いて行った。
あとで下のコンビニで休憩する彼らの会話は、「90km/h出た」とか「もうちょっとで100km/hだった」とか、ちょっと考えられない数字だった(転倒したら絶対死ぬだろうに.....)。
 
日本の山間部のガードレールは、そこで誰かが死なないと設置されない、なんて都市伝説のような話を聞いたことがある。
自転車レースも誰かが「人柱」にならないと、全体的なレギュレーションの見直しは行われないんだろう。
でも97回続くツールドフランスで、全員が脊椎パッドにネックブレースと、重そうなヘルメットをかぶっていたら、ちょっと興ざめしてしまうかな。